二値分類

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機械学習

単純パーセプトロン入門

人間の脳の神経細胞の働きをまねた模型である単純パーセプトロンは、人工知能の土台となる技術です。二つの層、入力層と出力層だけでできた簡単な仕組みです。これらの層は情報の入り口と出口にあたります。 まず、入力層から説明します。入力層は、外部からの情報を受け取る場所で、いわば人間の感覚器官のような役割を担います。例えば、画像認識であれば、画像のそれぞれの画素の明るさが入力データとして入力層に送られます。音声認識であれば、音声データが入力されます。このように、様々な種類の情報を入力として受け取ることができます。 次に、出力層について説明します。出力層は、入力された情報を処理した結果を出力する部分です。例えば、猫の画像を入力した場合、「猫」という結果が出力されます。この出力は、入力層から受け取った情報をもとに計算されたものです。 入力層から出力層へ情報が伝わる過程では、それぞれのつながりに重みという数値が割り当てられています。この重みは、入力データの重要度を表す数値で、重みが大きいほど、その入力データが結果に与える影響が大きくなります。例えば、猫の画像認識の場合、「耳の形」という入力データの重みが大きいと、「耳の形」が猫かどうかを判断する上で重要な要素となります。 また、それぞれのつながりには、バイアスと呼ばれる値が加えられます。バイアスは、出力層の反応しやすさを調整する役割を果たします。バイアスが大きいほど、出力層は反応しやすくなり、小さいほど反応しにくくなります。 複数の入力データが一つの出力に関係する場合、それぞれの入力データに重みを掛け、バイアスを加えた後、それらの合計を計算します。この合計値が、出力層への入力となり、最終的な結果に影響を与えます。このように、単純パーセプトロンは、重みとバイアスを調整することで、様々な種類の情報を処理することができます。
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ROC曲線とAUCによるモデル評価

二値分類問題を扱う際には、モデルの性能を測るための方法が必要です。例えば、病気の有無や商品の購入見込みなど、二つの可能性の中からどちらかを予測する状況を想像してみてください。このような場面で活躍するのが「受信者動作特性曲線」、略してROC曲線です。ROC曲線は、グラフを用いてモデルの性能を視覚的に評価することを可能にします。 この曲線は、縦軸と横軸にそれぞれ重要な指標を配置して描かれます。縦軸には真陽性率、横軸には偽陽性率をとります。真陽性率とは、実際に陽性であるデータを正しく陽性と予測できた割合のことです。例えば、実際に病気である人を正しく病気と診断できた割合がこれにあたります。一方、偽陽性率とは、実際には陰性であるデータを誤って陽性と予測してしまった割合のことです。例えば、健康な人を誤って病気と診断してしまう割合です。 ROC曲線は、様々な閾値における真陽性率と偽陽性率の組み合わせをプロットすることで描かれます。閾値とは、陽性と陰性を分ける境目となる値のことです。この閾値を変化させることで、真陽性率と偽陽性率も変化します。理想的なモデルは、真陽性率が高く、かつ偽陽性率が低いモデルです。つまり、ROC曲線においては、左上に近いほど優れた性能を示すと言えます。 ROC曲線の下部の面積(AUC)も重要な指標です。AUCは、0から1までの値を取り、1に近いほどモデルの性能が良いことを示します。AUCが0.5の場合は、ランダムな分類と変わりません。つまり、ROC曲線とAUCを用いることで、モデルの性能を視覚的にそして数値的に評価することができるのです。
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予測精度を測る指標たち

機械学習の世界では、学習した模型の良し悪しを測る物差しがいくつかあります。特に、二つの答えからどちらかを選ぶ問題では、正解率、適合率、再現率、そしてF値といった物差しがよく使われます。これらはそれぞれ違った角度から模型の出来栄えを調べており、全体的な良し悪しを判断する上で大切な役割を担っています。この記事では、これらの物差しについて詳しく説明し、それぞれの意味やどのように使い分けるのかを深く理解することを目指します。 まず、正解率は、全体の中でどれだけの割合で正解できたかを示す最も基本的な物差しです。しかし、正解と不正解の数が大きく偏っている場合には、正解率だけでは模型の真の実力を測れないことがあります。例えば、めったに起こらない病気の診断では、常に「病気ではない」と答える模型でも高い正解率が出てしまう可能性があります。そこで、適合率が登場します。適合率は、模型が「病気である」と判断した中で、実際に病気だった人の割合を示します。これは、誤った診断を減らす上で重要な指標となります。一方、再現率は、実際に病気だった人の中で、模型が正しく「病気である」と診断できた人の割合を示します。これは、見落としを少なくする上で重要な指標となります。 適合率と再現率は、トレードオフの関係にあることが多く、どちらかを高くしようとすると、もう一方が低くなってしまう傾向があります。例えば、病気の診断で、少しでも疑わしければ「病気である」と判断する模型は、再現率は高くなりますが、適合率は低くなります。逆に、確実な場合のみ「病気である」と判断する模型は、適合率は高くなりますが、再現率は低くなります。そこで、適合率と再現率のバランスを考えた指標がF値です。F値は、適合率と再現率の調和平均であり、両方の指標を同時に高くすることを目指す際に役立ちます。これらの指標の特性を理解することで、より適切な模型選びや改良に繋げることが可能になります。それぞれの指標が持つ意味合いを理解し、状況に応じて適切な指標を用いることで、より精度の高い機械学習模型を構築することができます。
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PR曲線下面積:精度と再現率の調和

機械学習のモデルを評価するには、様々な尺度を組み合わせて考えることが大切です。一つの尺度だけで判断しようとすると、モデルの真の実力を捉えきれないことがあります。よく使われる尺度に『精度』と『再現率』があります。『精度』は、正解と予測したデータのうち、実際に正解だったデータの割合です。例えば、10個のデータの中で3個を正解と予測し、そのうち2個が実際に正解だった場合、精度は2/3となります。一方、『再現率』は、実際に正解であるデータのうち、どれだけの割合を正解と予測できたかを表します。同じ例で、実際に正解のデータが5個あったとすると、再現率は2/5となります。 一見するとどちらも高ければ高いほど良いように思えますが、実際にはこの二つの尺度はトレードオフの関係にあることがよくあります。つまり、精度を高くしようとすると再現率が低くなり、逆に再現率を高くしようとすると精度が低くなるというジレンマが生じます。例えば、病気の診断を想像してみましょう。あらゆる可能性を考慮して、少しでも疑わしい人は全員病気と診断すれば(再現率重視)、病気の人を見逃す可能性は低くなります。しかし、健康な人も病気と診断されてしまう(精度低下)可能性が高くなります。反対に、検査結果が非常に明確な人だけを病気と診断すれば(精度重視)、健康な人を誤って病気と診断する可能性は低くなりますが、病気の人を見逃してしまう(再現率低下)可能性が高くなります。このように、精度と再現率はどちらか一方を優先するのではなく、バランスをとることが重要です。そして、このバランスを総合的に評価する指標の一つとして、PR-AUCと呼ばれるものがあります。PR-AUCは、様々な精度と再現率の組み合わせをグラフ化したときの面積で、値が大きいほどバランスが良いモデルと言えます。
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偽陽性と偽陰性:機械学習の評価指標

機械学習という、まるで人が学ぶように計算機に学習させる技術において、予測の良し悪しを評価するために、混同行列と呼ばれる表がよく用いられます。この表は、結果が二択となる問題、例えば、病気か健康か、合格か不合格かといった問題を解く際に、特に役立ちます。 混同行列は、縦軸と横軸がそれぞれ実際の結果と予測結果を表す二行二列の表です。この表を用いることで、「真陽性」「偽陽性」「偽陰性」「真陰性」という四つの要素を明らかにし、予測の正確さを詳しく調べることができます。 例えば、ある病気を診断する検査を考えてみましょう。実際に病気の人を検査した結果、病気だと正しく判断された場合は「真陽性」と呼びます。これは、まさに検査がその役割を正しく果たしたと言えるでしょう。一方、実際には健康な人を検査したにも関わらず、病気だと誤って判断された場合は「偽陽性」と呼びます。これは、健康な人が不必要な心配をすることになりかねないため、注意が必要です。 反対に、実際に病気の人が健康だと誤って判断された場合は「偽陰性」です。これは、病気の発見が遅れ、適切な治療の開始が遅れる可能性があるため、非常に危険です。最後に、健康な人を健康だと正しく判断した場合は「真陰性」です。 このように、混同行列は、四つの要素を通じて、予測モデルの長所と短所を明らかにすることから、機械学習の分野では欠かせない道具となっています。それぞれの要素の値を見ることで、モデルがどれほど正確に予測できているかを理解し、さらなる改善に役立てることができるのです。
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誤りの種類と統計的検定

統計や機械学習の世界では、物事を二つに分ける二値分類という方法がよく使われています。例えば、迷惑メールかどうかを判断したり、病気かどうかを診断したりする時などに活用されています。この二値分類がどれくらい正確かを評価するには、「偽陽性」と「偽陰性」という二つの考え方を知ることが大切です。 偽陽性とは、本当は違うのに、あると判断してしまう間違いのことです。例えば、健康な人を検査した結果、病気だと誤って判断してしまうケースが挙げられます。また、普通のメールを迷惑メールだと間違えて分類してしまうのも偽陽性です。本来は陰性であるべきものが陽性と判定されてしまう誤りなので、不要な心配や手間をかけさせてしまう可能性があります。 一方、偽陰性とは、本当はあるのに、ないと判断してしまう間違いのことです。例えば、病気の人を検査した結果、健康だと誤って判断してしまうケースが挙げられます。また、迷惑メールを普通のメールだと間違えて見逃してしまうのも偽陰性です。本来は陽性であるべきものが陰性と判定されてしまう誤りなので、見逃しによって重大な結果を招く可能性があります。 このように、偽陽性と偽陰性は、どちらも間違った判断ではありますが、その影響は大きく異なります。偽陽性の場合は、必要のない検査や治療を行うことになり、時間や費用などの無駄が生じる可能性があります。一方、偽陰性の場合は、病気の発見や治療の開始が遅れ、病状が悪化したり、適切な対処が遅れたりする危険性があります。迷惑メールの例で言えば、偽陽性は見逃しても大きな影響はありません。しかし、偽陰性は見逃すと重要な情報を見逃すことに繋がりかねません。このように、状況に応じてどちらの誤りがより深刻な影響を与えるかが変わるため、目的に合わせて適切な対策を講じる必要があります。
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予測精度を測る指標たち

機械学習の予測モデルの良し悪しを見極めることは、モデルを選ぶ時や、より良いモデルを作る上でとても大切です。特に、結果が「はい」か「いいえ」の二択になるような問題では、正解率、適合率、再現率、F値といったものがよく使われます。これらの尺度はそれぞれモデルの性能を様々な角度から見ており、目的に合わせてどれを使うかを決めることが重要です。この尺度たちをしっかり理解することで、モデルの評価を適切に行い、より正確な予測モデルを作ることができます。 正解率は、全体の予測のうちどれくらい正解したかを表す最も基本的な尺度です。例えば、100個のデータのうち80個を正しく予測できた場合、正解率は80%となります。しかし、正解率はデータの偏りに影響されやすいという欠点があります。例えば、「はい」のデータが90個、「いいえ」のデータが10個というような場合、「はい」とだけ予測するモデルでも90%の正解率が出てしまいます。このような場合、正解率だけでモデルの性能を判断するのは危険です。 適合率は、「はい」と予測したデータのうち、実際に「はい」だったデータの割合を表します。これは「はい」と予測した結果の信頼性を示す尺度と言えます。一方、再現率は、実際に「はい」であるデータのうち、どれくらいを「はい」と予測できたかを表します。これは、見落としなく「はい」のデータを捉えられているかを示す尺度です。例えば、病気の診断においては、病気の人を見逃さないことが重要なので、再現率を重視する必要があります。逆に、スパムメールの検出では、普通のメールをスパムと誤判定しないことが重要なので、適合率を重視する必要があります。 F値は、適合率と再現率の調和平均で、両方の尺度をバランスよく考慮した指標です。適合率と再現率のどちらか一方だけが極端に高い場合、F値は低くなります。そのため、F値が高いモデルは、適合率と再現率のバランスが良いモデルと言えます。これらの指標を理解し、目的に合わせて適切な指標を用いることで、より良いモデルの評価と選択を行うことができます。
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ROC曲線:モデル評価の指標

「受信者動作特性曲線」と呼ばれるROC曲線は、二つの状態に分ける問題において、予測モデルの良し悪しを判断する際に用いられる図です。この図は、様々な判定の基準となる値における真陽性率と偽陽性率を点で示し、それらを線でつないで曲線を描いたものです。 真陽性率とは、実際に陽性であるものを正しく陽性と予測できた割合のことです。例えば、病気の人を正しく病気と診断できた割合です。一方、偽陽性率とは、実際は陰性であるものを誤って陽性と予測した割合のことです。例えば、健康な人を誤って病気と診断してしまった割合です。判定の基準となる値を「閾値」と言います。この閾値を変えることで、真陽性率と偽陽性率の値も変化します。ROC曲線はこの閾値の変化に伴う真陽性率と偽陽性率の変化を視覚的に示してくれます。 理想的な予測モデルは、真陽性率は100%で、偽陽性率は0%になります。これは、全ての場合において完全に正しい予測ができている状態です。しかし、現実の予測モデルでは、真陽性率を高めようとすると偽陽性率も高くなり、逆に偽陽性率を低めようとすると真陽性率も低くなるという、いわば「あちらを立てればこちらが立たず」の関係があります。ROC曲線はこの関係性を視覚的に表すことで、予測モデルの性能を様々な角度から評価することを可能にします。 例えば、病気の診断においては、病気を正しく見つけることも大切ですが、健康な人を誤って病気と診断することも大きな問題です。ROC曲線を使うことで、これらのバランスを考えながら、状況に合わせた最適な閾値を決めることができます。閾値を高く設定すれば、健康な人を病気と診断する可能性は低くなりますが、病気の人を見逃す可能性が高くなります。逆に、閾値を低く設定すれば、病気の人を見逃す可能性は低くなりますが、健康な人を病気と診断する可能性が高くなります。ROC曲線は、このようなトレードオフを理解し最適な閾値を選択する上で非常に役立ちます。
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正解率:機械学習モデルの精度を測る

正解率とは、機械学習の出来栄えを測る物差しのひとつで、モデルがどれほど正確に予測できているかを示す数値です。分かりやすく言うと、たくさんのデータの中で、正しく見分けられたデータの割合のことです。たとえば、全部で100個のデータがあったとして、そのうち80個を正しく分類できたなら、正解率は80%になります。 この正解率という尺度は、見た目にも分かりやすく、理解しやすいという長所があります。そのため、機械学習モデルの良し悪しを判断する際の基本的な指標として、広く使われています。まるでテストの点数のように、ぱっと見てどれくらい正解しているかが分かるので、多くの人が利用しています。 しかし、データの偏り、つまり特定の種類のデータばかりが多いといった状況では、正解率だけで判断するのは危険です。たとえば、ある病気の検査で、99%の人が健康で1%の人だけが病気だとします。この場合、常に「健康」と答えるだけの単純なモデルでも、正解率は99%になってしまいます。しかし、このモデルは病気の人を一人も見つけることができないため、役に立たないモデルと言えます。このように、データのバランスが悪い場合は、正解率が高くても、実際には良いモデルとは言えないことがあります。 そのため、正解率だけでなく、他の指標も組み合わせてモデルを評価することが大切です。正解率は、モデルの性能を大まかに把握するには便利ですが、それだけで全てを判断せず、様々な角度から見て、総合的に判断する必要があるのです。
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AUC:機械学習モデルの性能評価

分類する機械の良し悪しを測るために、色々な方法があります。その中で、「AUC」というものが注目されています。これは「えーゆーしー」と読み、「受信者動作特性曲線下の面積」を省略した言葉です。一体どんなものなのでしょうか。 AUCは、主に二つの選択肢から一つを選ぶ問題で、機械の性能を測る時に使われます。例えば、迷惑メールか普通のメールかを見分ける、商品を買うか買わないかを予測する、病気か健康かを判断する、といった具合です。このような問題を二値分類問題と呼びます。 AUCは、この二値分類問題を扱う機械が、どれくらいうまく二つの選択肢を分けられるかを表す数値です。この数値は、0から1までの間の値を取ります。もしAUCが1に近い値であれば、その機械は非常に優秀で、ほとんど間違えることなく二つの選択肢を分類できます。逆に、AUCが0に近い値であれば、その機械はあまり役に立たず、分類の精度は低いと言えます。ちょうど真ん中の0.5であれば、でたらめに選んでいるのと変わりません。 AUCは、「受信者動作特性曲線」と呼ばれるグラフの下の面積で表されます。このグラフは、機械がどれくらい正しく分類できたかを視覚的に示すものです。グラフの面積が大きいほど、つまりAUCの値が大きいほど、機械の性能が高いことを意味します。 AUCは、様々な機械学習の方法を比べる際に、とても便利な道具です。それぞれの機械学習の方法でAUCを計算し、その値を比べることで、どの方法が最も適しているかを判断することができます。そのため、機械学習の分野では、AUCは広く使われている重要な指標なのです。