光で距離を測るTOF技術
光を使った距離の測り方、飛行時間方式について説明します。飛行時間方式とは、光が飛んで行って返ってくるまでの時間を測ることで、距離を割り出す方法です。英語ではTime of Flightといい、略してTOFとも呼ばれます。
光の速さは常に一定なので、光の飛行時間を正確に測れば、高精度な距離の情報を得られます。例えば、光が往復するのに1秒かかり、光の速さが毎秒30万キロメートルだとすると、対象物までの距離は15万キロメートルと計算できます。この飛行時間方式は、カメラの自動でピントを合わせる機能や、ロボットが自分の位置を把握して動くための技術、立体的な空間を認識する技術など、様々な分野で使われています。
近年では、携帯電話や自動車にも搭載されるようになりました。携帯電話では、カメラのピント合わせを高速かつ正確に行うために利用されています。暗い場所でも素早くピントを合わせることができ、写真の質を向上させるのに役立っています。また、自動車では、周囲の状況を把握するためのセンサーとして利用されています。前方の車や歩行者との距離を正確に測ることで、衝突防止システムの精度を高め、安全運転を支援しています。このように、飛行時間方式は私たちの生活をより便利で安全なものにする技術として注目を集めており、今後ますます活躍の場が広がっていくと考えられます。従来の距離測定方法と比べて、高速で精度が高いことも大きな特徴です。対象物に触れずに距離を測れるので、対象物を傷つける心配もありません。