RoHS指令:安全な製品のための取り組み
{有害物質を含む電気製品や電子機器による環境汚染や人の健康被害を防ぐため、欧州連合(EU)が作った法律に、有害物質使用制限指令というものがあります。これは英語の頭文字をとってRoHS(ローズ)指令とも呼ばれています。具体的には、冷蔵庫や洗濯機などの家電製品、携帯電話やパソコンなどの情報通信機器、おもちゃなど、様々な電気製品や電子機器が対象となっています。
この法律では、水銀、鉛、カドミウム、六価クロム、ポリ臭化ビフェニル、ポリ臭化ジフェニルエーテルという6種類の有害物質の使用を制限しています。これらの物質は、自然環境の中で分解されにくく、食物連鎖を通じて生物の体内に蓄積され、神経系や内分泌系の障害などを引き起こす可能性があります。また、廃棄物として埋め立てられた場合、有害物質が土壌や地下水を汚染する恐れもあります。
RoHS指令は、これらの有害物質を含む製品の輸入、販売、製造などをEU域内で禁止することで、環境や人の健康を守ることを目的としています。この指令は、製品を作る段階から廃棄するまでのすべての過程を考慮し、有害物質が環境中に排出されるのを防ぎ、資源の再利用を促進することで、循環型社会の実現に貢献しています。
私たち消費者は、RoHS指令に対応した製品を選ぶことで、環境保護に協力することができます。製品にRoHS指令適合のマークが表示されているか確認したり、メーカーのホームページなどで情報を確認することで、環境に配慮した製品選びができます。また、不要になった電気製品は、適切な方法で廃棄することも大切です。自治体の回収やメーカーの回収システムを利用することで、有害物質が環境中に放出されるのを防ぎ、資源の有効利用につながります。