RARP:機器アドレスからIPアドレスを知る仕組み
コンピュータなどの機器がネットワークにつながるためには、それぞれの機器に割り当てられた住所のようなものが必要です。これを「インターネット・アドレス」と呼びます。このアドレスがないと、他の機器と情報のやり取りができません。機器には、製造段階で付けられた固有の番号である「機器アドレス」というものも存在します。これは、いわば機器の生まれつきの名前のようなものです。
「逆アドレス解決手順」は、この機器アドレスからインターネット・アドレスを知るための仕組みです。機器アドレスは分かっているけれど、インターネット・アドレスが分からない機器が、ネットワーク上で「逆アドレス解決手順」を使って問い合わせを行い、自分のインターネット・アドレスを教えてもらうのです。
この仕組みは、情報を保存する装置を持たない機器にとって特に重要です。このような機器は、電源を入れるたびに自分のインターネット・アドレスを知らなければなりません。「逆アドレス解決手順」のおかげで、これらの機器もネットワークに接続し、必要な情報を取得できるようになります。
たとえば、新しく職場に来た人が自分の机の場所を分からないとします。自分の名札は持っているけれど、机には名前が書いてありません。そこで、受付の人に名札を見せて自分の机の場所を聞けば、教えてもらえるでしょう。「逆アドレス解決手順」は、これと同じように、機器が自分の機器アドレスを使ってインターネット・アドレスを調べるための仕組みなのです。
「逆アドレス解決手順」を使うことで、ネットワークの初期設定が簡単になり、機器の管理も容易になります。多くの機器がネットワークにつながる現代社会において、これは大変便利な仕組みと言えるでしょう。ただし、「逆アドレス解決手順」は、問い合わせの範囲がネットワーク内に限られます。そのため、近年では、より広範囲に対応できる「動的ホスト構成手順」が主流となっています。