OC曲線

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分析

OC曲線:抜き取り検査の合格率を理解する

ものづくりをはじめ、様々な分野で、製品の品質を守ることはとても大切です。すべての製品を検査できれば良いのですが、時間もお金もかかります。そのため、多くの場合は、一部の製品だけを検査する抜き取り検査が行われています。抜き取り検査では、製品の集団からいくつかを選び出し、その検査結果から集団全体の良し悪しを判断します。 この判断をするときに、集団全体の合格する見込みと製品の不良の割合との関係を図で示したものがOC曲線です。OC曲線は、検査方法の特徴を理解し、適切な検査計画を立てるために欠かせない道具です。 抜き取り検査では、不良品が含まれる集団を合格としてしまう危険が常に存在します。OC曲線は、この危険性を視覚的に把握することを可能にします。横軸に集団全体の不良品の割合、縦軸にその集団が合格と判定される確率をとり、曲線を描きます。この曲線を見ると、不良品の割合が増えるほど、集団が合格と判定される確率は下がることが分かります。 OC曲線は、検査の厳しさを決める上でも役立ちます。検査の基準を厳しくすると、OC曲線は左下に移動し、少しの不良品でも集団が不合格になる確率が高くなります。反対に、基準を緩くすると、OC曲線は右上に移動し、多くの不良品が含まれていても集団が合格になる確率が高くなります。 つまり、OC曲線を使うことで、どの程度の不良率まで許容できるか、それに合わせた検査の基準をどのように設定すれば良いかを判断することができます。製品の特性や、不良品が出た場合の影響の大きさなどを考慮して、最適なOC曲線を選び、検査計画を立てることが重要です。