LIME:機械学習の解釈
近ごろ、機械学習、中でも深層学習といった技術がめざましい進歩を遂げ、様々な場面で使われるようになってきました。医療診断や自動運転など、私たちの生活に密着した分野でも活躍しています。しかし、これらの技術は複雑な仕組みで動いているため、なぜそのような結果になったのか、その理由を人間が理解するのは難しいという問題があります。これは、まるで中身の見えない黒い箱のようなので、「ブラックボックス問題」と呼ばれています。
このブラックボックス問題を解決するために注目されているのが、「説明可能な人工知能」、略して「説明可能なAI」です。英語ではExplainable AIと書き、XAIと呼ばれることもあります。説明可能なAIとは、人工知能の判断の理由を人間が理解できるようにする技術のことです。たとえば、ある画像を見て人工知能が「猫」と判断した場合、なぜ猫だと思ったのか、耳の形やひげの様子など、根拠を分かりやすく示してくれるのです。
説明可能なAIは、人工知能の信頼性を高める上で重要な役割を果たします。なぜその判断に至ったのかが分かれば、安心して利用することができます。また、人工知能が間違った判断をした場合でも、その原因を特定しやすくなります。これは、人工知能の改善に役立ち、より正確な判断ができるように学習させることができます。さらに、説明可能なAIは、私たち人間に新たな発見をもたらしてくれる可能性も秘めています。人工知能が注目した点や、判断の根拠を分析することで、私たちが気づかなかった新たな視点や知識を得ることができるかもしれません。
LIME(ライム)は、このような説明可能なAIを実現する技術の一つです。LIMEを使うことで、複雑な人工知能の判断プロセスを分かりやすく解釈し、そのブラックボックス問題を解決する糸口となります。