「L」

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ハードウエア

LiDAR:レーザーの目で世界を見る

光を用いて離れたものの形や位置を正確に捉える技術があります。この技術は「ライダー」と呼ばれ、レーザー光線を照射し、対象物に反射して戻ってくるまでの時間を計ることで距離を測ります。光の速さは常に一定なので、光の往復時間を測れば正確な距離が分かります。 この仕組みは、コウモリが超音波を使って周囲の状況を把握する仕組みに似ています。コウモリは超音波を発し、その反射音を聞くことで障害物や獲物の位置を特定します。ライダーの場合、コウモリの超音波の代わりに光を使うことで、より精密な測定を可能にしています。 レーザー光線は広がらずに直進する性質が強く、狭い範囲に集中して照射できます。そのため、対象物の細かい形まで正確に捉えることができます。また、様々な色のレーザー光線を使うことで、対象物の材質や特性を見分けることも可能です。例えば、植物の種類や建物の材質など、様々な情報を得ることができます。 自動運転車などへの応用も進んでおり、周囲の状況を正確に把握することで、安全な走行を支援します。また、地図作成や測量、災害状況の把握など、様々な分野で活用が期待されています。ライダーは、私たちの生活をより便利で安全なものにするために、今後ますます重要な役割を担っていくと考えられます。
深層学習

時系列データの深層学習:LSTM入門

{長短期記憶、略してエルエスティーエムとは、再帰型ニューラルネットワーク、いわゆるアールエヌエヌの一種です。アールエヌエヌは、時間とともに変化するデータ、例えば音声や文章といったものを扱うのが得意な学習モデルです。音声認識や文章の理解といった作業で力を発揮します。 アールエヌエヌは過去の情報を覚えているため、現在の情報と合わせて結果を導き出せます。例えば、「私はご飯を食べる」の後に「が好きだ」が来ると予測できます。これは「食べる」という過去の情報を覚えているからです。しかし、単純なアールエヌエヌは少し前の情報しか覚えていられません。遠い過去の情報は忘れてしまいます。これは勾配消失問題と呼ばれ、長い文章を理解するのを難しくしていました。 そこで、エルエスティーエムが登場しました。エルエスティーエムは特別な記憶の仕組みを持っています。この仕組みのおかげで、遠い過去の情報を忘れることなく覚えておくことができます。まるで人間の脳のように、必要な情報を覚えておき、不要な情報は忘れることができます。 エルエスティーエムの記憶の仕組みは、情報を記憶しておくための特別な部屋のようなものだと考えてください。この部屋には、情報を書き込む、読み出す、消すための3つの扉があります。これらの扉は、過去の情報と現在の情報を組み合わせて、自動的に開いたり閉じたりします。 3つの扉の開閉をうまく調整することで、エルエスティーエムは長期的な情報も覚えておくことができ、複雑な時系列データのパターンを学習できます。例えば、長い文章の全体的な意味を理解したり、複雑なメロディーを生成したりすることが可能になります。このように、エルエスティーエムは、アールエヌエヌが抱えていた問題を解決し、時系列データ処理の新たな可能性を開きました。