k分割交差検証:モデル評価の精確性を高める
機械学習の模型を作る過程で、その模型がどれくらいうまく働くかを正しく測ることはとても大切です。作った模型が新しいデータに対してもきちんと対応できるかどうかを確認する必要があるからです。しかし、学習に使えるデータが少ない場合、どのように学習用データとテスト用データに分けたらよいかによって、評価の結果が大きく変わってしまうことがあります。そこで、限られた量のデータをうまく活用して模型の性能を評価する賢い方法として、交差検証というやり方が使われます。その中でも、よく使われるのが「何分割交差検証」と呼ばれる手法です。
この手法では、まず全てのデータを同じくらいの数のグループに、例えば5つのグループに分けます。そして、そのうちの4つのグループを模型の学習に使い、残りの1つのグループをテストに使います。この時、学習に使ったデータは「学習データ」、テストに使ったデータは「テストデータ」と呼ばれます。次に、別の4つのグループを学習データ、残りの1つのグループをテストデータとして、同じように模型の性能を評価します。これを全てのグループが一度ずつテストデータになるまで繰り返します。5つのグループに分けた場合は、この作業を5回繰り返すことになります。
それぞれのテストで得られた結果を平均することで、最終的な模型の性能を評価します。この方法を使うと、全てのデータが一度はテストデータとして使われるので、限られた量のデータを最大限に活用でき、偏りの少ない、より確かな評価結果を得ることができます。グループの数は何個でも良いのですが、5個や10個に分割することが多いです。分割する数を多くしすぎると計算に時間がかかってしまうため、データの量や計算にかかる時間などを考えて、適切な数を選ぶ必要があります。「何分割交差検証」は、特定のデータの分け方に影響されにくい、信頼性の高い評価方法として広く使われています。