imbalanced data

記事数:(1)

機械学習

偏ったデータへの対処法

情報の集まりであるデータは、機械学習という技術において、なくてはならないものです。この機械学習という技術は、様々な情報を集めたデータを使って、まるで人間のように自ら学ぶことができる仕組みを作ることです。しかし、集めたデータの中には、特定の種類の情報が他の種類に比べて極端に多い、または少ないといった偏りがある場合があります。このような偏りのことを「データの偏り」と言います。 例として、クレジットカードの不正利用を見つける仕組みを考えてみましょう。クレジットカードの利用全体を考えた時、不正利用はごく僅かな割合しかありません。ほとんどの利用は正規の利用です。このように、ある特定の出来事に関する情報が他の出来事に比べて非常に少ない場合、これを「不均衡データ」と呼びます。 この不均衡データは、機械学習の仕組みを作る上で、悪影響を与える可能性があります。せっかく作った仕組みの精度が下がり、うまく働かないことがあるのです。具体的には、量の多い情報の特徴ばかりを学習し、量の少ない情報の特徴を捉えられないという問題が発生しやすくなります。クレジットカードの例で言えば、不正利用の情報が少ないため、不正利用の特徴を捉えきれません。その結果、不正利用を見つける精度が低くなってしまうのです。 データの偏りをなくす、あるいはその影響を少なくするための対策はいくつかあります。例えば、少ない種類の情報を人工的に増やす方法や、多い種類の情報を減らす方法、あるいは学習の仕方を工夫する方法などがあります。適切な対策を行うことで、偏りのあるデータからでも、精度の高い機械学習の仕組みを作ることが可能になります。