軽量深層学習:分離畳み込みの威力
分離畳み込みは、深い学びの模型、特に画像認識模型の性能を落とさずに計算の手間を減らすための大切な技術です。
通常の畳み込みでは、入力画像の全ての色の層に対して同時に計算を行います。たくさんの色の層を一度に扱うため、計算に時間がかかります。例えば、3色の層を持つ画像に、3×3の大きさの計算窓を使う場合、一度の計算で3×3×3=27個の数値を扱うことになります。
これに対し、分離畳み込みはこの計算を二つの段階に分けます。まず、それぞれの色の層に対して個別に計算を行います。先ほどの例で言えば、3色の層それぞれに3×3の計算窓を個別に適用し、3つの結果を得ます。次に、これらの結果を合わせて最終的な結果を得ます。
この二段階の手法によって、計算量と必要な記憶の量を大幅に減らすことができます。最初の段階では、3×3の計算を3回行うので、扱う数値の数は3×3×3=27個ですが、一度に扱う数値は3×3=9個になり、計算が簡単になります。
具体的に言うと、通常の畳み込みは、画像の縦、横方向と色の層方向を同時に処理します。一方で、分離畳み込みは、縦、横方向と色の層方向を分けて処理することで効率を高めています。色の層ごとに縦横の計算を行い、その後で層を合わせることで、一度に扱う情報量を減らし、計算を速くしています。このように、分離畳み込みは、計算の手間を減らしつつ、画像認識の精度を保つ有効な手段となっています。