データマイニングの成功指標:CRISP-DM
近ごろは、情報があふれる時代になり、データは貴重な資源となりました。データという山から価値ある鉱物を掘り出す技術、それがデータ探査です。そして、このデータ探査を成功させるための道しるべとなるのが、今回ご紹介するCRISP-DMです。CRISP-DMとは、様々な分野でデータ探査の成功事例を研究し、まとめあげた標準的な方法論です。異なる専門分野の人々が集まり、それぞれの知識を持ち寄り、データ探査を成功に導くための枠組みを作り上げました。
このCRISP-DMは、データ探査に初めて取り組む人から、既に経験豊富な人まで、幅広い人々にとって役に立つ指針となっています。まるで、宝の地図のように、データ探査の進め方を分かりやすく示してくれるのです。CRISP-DMは、大きく分けて六つの段階から成り立っています。まず初めに、取り組む課題を明確にし、目標を設定する「事業理解」の段階です。次に、探査に用いるデータを集め、その質を確かめる「データ理解」の段階に進みます。そして、集めたデータを加工し、探査に適した形に変換する「データ準備」の段階となります。
データの準備が整ったら、いよいよ探査の中心となる「モデリング」の段階です。ここでは、様々な手法を用いてデータの背後に隠された規則性や関係性を見つけ出します。次に、得られた結果を検証し、実用的な価値を見出す「評価」の段階へと進みます。最後に、発見された知見を実際に活用するための計画を立て、実行に移す「展開」の段階をもって、一連の作業が完了となります。このように、CRISP-DMは段階を踏むことで、複雑なデータ探査作業を効率的に進めることを可能にしています。一つ一つの段階を丁寧に進めることで、データという宝の山から、真に価値ある知見を掘り出すことができるのです。