最強棋士を超えた、アルファゼロの衝撃
考え方の土台となるもの、つまり囲碁や将棋、チェスといった勝負の世界での決まり事だけを教えられた人工知能「アルファゼロ」は、驚くべき成果をあげました。アルファゼロを作った会社はディープマインド社という会社です。この人工知能は、頭を使うことが大切な3つの勝負事、囲碁、将棋、そしてチェスで、目を見張るほどの強さを身につけたのです。
アルファゼロのすごさは、人の知恵や情報に頼らずに、自分自身と繰り返し対戦することで学習していくところにあります。勝負のルールだけを教えられたアルファゼロは、その後は自分自身と対戦するだけで、どのように戦えば良いのか、どのような作戦を立てれば良いのかを、自ら考えて作り上げていくのです。これは、これまでの機械学習のやり方とは全く異なる新しい方法であり、人工知能の可能性を大きく広げるものとなりました。
過去の対戦記録や、その道の専門家の知識といったものを一切使わずに、アルファゼロは学習を始めました。まるで生まれたばかりの赤ん坊が、何も知らない状態から学び始めるように、アルファゼロは「ゼロ」から学習を始めたのです。そして、短い期間で驚くほどの強さを身につけたことは、まさに驚くべきことです。
自分自身で学習していく力こそが、アルファゼロの最も大きな特徴と言えるでしょう。まるでスポンジが水を吸うように、アルファゼロは経験から学び、成長していくのです。この革新的な技術は、人工知能の未来を大きく変える可能性を秘めていると言えるでしょう。