クラウドAIとエッジAI:AI利用の二つの方法
人工知能(AI)を実際に使うには、大きく分けて二つの方法があります。一つはクラウドAIと呼ばれる方法、もう一つはエッジAIと呼ばれる方法です。この二つの方法は、データがどこで処理されるのか、どれだけの計算能力が必要なのか、そしてどれほど早く結果が得られるのかといった点で、それぞれの特徴があります。それぞれの長所と短所を理解することで、使う目的に合ったAIを選ぶことができます。
クラウドAIは、インターネットを通して、情報をクラウド上の大きな計算機に送り、そこで処理を行う方法です。例えるなら、難しい計算問題を解くために、電卓ではなくスーパーコンピューターを使うようなものです。クラウドAIは、大量のデータや複雑な計算を処理するのに優れています。膨大な情報から学習したAIを使うことも容易です。そのため、高性能なAIを比較的簡単に利用できます。しかし、インターネットを経由してデータを送る必要があるため、通信にかかる時間や費用がかかります。また、常にインターネットに接続している必要があり、通信が途切れると使えなくなる可能性もあります。
一方、エッジAIは、機器にAIを組み込んで、その場で情報を処理する方法です。例えるなら、自分の手元に高性能な電卓を持っているようなものです。通信にかかる時間や費用を節約でき、インターネットに接続していなくても使うことができます。そのため、リアルタイムでの処理が必要な場合や、通信環境が安定しない場所で役立ちます。しかし、機器にAIを組み込む必要があるため、クラウドAIに比べて導入コストが高くなる場合があります。また、機器の処理能力に限りがあるため、複雑な計算や大量のデータ処理には不向きです。