A3C:並列学習で賢く行動
近ごろ、機械学習の進歩には目を見張るものがあり、様々な分野で人工知能が活躍を見せています。中でも、強化学習は特に人々の関心を集める技術の一つです。強化学習とは、試行錯誤を繰り返しながら学習していく方法で、まるで人間が経験を通して学ぶように、人工知能も様々な行動を試して、その結果から成功や失敗を学び取っていきます。
例えば、ゲームを考えてみましょう。初めて遊ぶゲームでは、ルールも操作方法も分かりません。最初は上手くいかないことばかりでも、何度もプレイするうちに、徐々にコツを掴み、高得点を目指せるようになります。強化学習もこれと同じように、最初はランダムな行動を取りますが、成功体験を繰り返すことで、最適な行動を学習していくのです。
この試行錯誤による学習方法は、ゲームだけでなく、ロボットの制御や自動運転技術など、複雑な課題をこなす人工知能を実現する上で、とても重要な役割を担っています。複雑な状況の中で、どのような行動が最も良い結果に繋がるのかを自動的に学習できるからです。
強化学習の中でも、A3C(非同期優位アクター批評家法)は、効率的な学習を実現することで知られています。従来の方法では、学習に時間がかかったり、不安定な結果に終わってしまうこともありましたが、A3Cは複数の学習主体(エージェント)を並列で動作させることで、学習速度を大幅に向上させました。
この記事では、このA3Cの基礎と、その仕組みについて詳しく説明していきます。A3Cがどのように学習を進めるのか、その特徴は何か、といった点について、分かりやすく解説していきますので、強化学習に興味のある方はぜひ読み進めてみてください。