2段階モデル

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深層学習

R-CNN:物体検出の革新

「候補領域の選定」とは、画像の中から物体が写っているであろう場所を絞り込む作業のことです。この作業は、まるで宝探しをする前に、宝が埋まっている可能性の高い場所を地図上でいくつか印をつけるようなものです。この印をつけた場所一つ一つを「候補領域」と呼び、四角形で表現します。 この候補領域を見つけるために、「選択的探索」と呼ばれる手法がよく使われます。この手法は、まるでジグソーパズルを組み立てるように、画像の色や模様といった特徴が似ている小さな領域を少しずつ繋げて、より大きなまとまりを作っていきます。例えば、青い空と白い雲、または赤いリンゴと緑の葉っぱといった具合です。そして、最終的に出来上がったまとまりを四角形で囲み、候補領域として抽出します。 この選択的探索を使う利点は、画像全体をくまなく調べる必要がないという点です。宝探しの例で言えば、山全体を探すのではなく、宝の地図に印がついている場所に絞って探すようなものです。これにより、処理の効率が大幅に向上します。しかし、この手法にも欠点があります。場合によっては、数百から数千個もの候補領域が抽出されることがあるのです。これは、宝の地図に印が多すぎて、結局どこを探せば良いのかわからなくなってしまうようなものです。つまり、候補領域が多すぎると、その後の処理に時間がかかってしまう可能性があるのです。そのため、候補領域の数を適切に絞り込む工夫が重要になります。
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R-CNN:物体検出の革新

近年の技術の進歩は目を見張るものがあり、中でも画像を認識する技術はめざましい発展を遂げています。特に、画像の中から特定のものを探し出す技術である物体検出技術は、自動運転や監視システムなど、様々な分野で役立てられ、私たちの暮らしをより豊かに、より安全なものに変えつつあります。今回の話題は、そんな物体検出技術において重要な役割を担った手法である「R-CNN」についてです。 R-CNNが登場する以前は、画像の中から目的のものを探し出す処理は複雑で、多くの時間を要していました。例えば、従来の手法では、画像全体を少しずつずらしながら窓を動かし、その窓の中に目的のものがあるかどうかを繰り返し確認していました。この方法は、処理に時間がかかるだけでなく、検出精度も低いという課題がありました。 しかし、2014年に登場したR-CNNは、革新的な方法でこれらの課題を解決しました。R-CNNはまず、画像の中から目的のものがありそうな候補領域を2000個程度選び出します。そして、それぞれの候補領域を同じ大きさに整えてから、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)と呼ばれる技術を用いて、目的のものが含まれているかどうかを調べます。最後に、目的のものが見つかった領域に対して、その領域を囲む枠を調整し、より正確な位置を特定します。 R-CNNは、従来の手法に比べて大幅に精度を向上させ、その後の物体検出技術の進歩に大きく貢献しました。R-CNNの登場は、まさに物体検出技術における大きな転換点と言えるでしょう。この革新的な手法は、画像認識技術の発展を加速させ、私たちの未来をより明るく照らしてくれると期待されています。