高次元

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機械学習

カーネルトリック:高次元への扉

世の中には、入り組んだ形で広がる情報がたくさんあります。このような複雑な情報を仕分けしようとすると、単純な線引きではうまくいかないことがよくあります。例えば、二次元の平面上に散らばるデータが、丸で囲まれた区域の内側と外側に分けられる場合を考えてみましょう。この場合、直線で区域を分けることはできません。 このような複雑な仕分けの問題を解決するために、カーネルトリックと呼ばれる強力な方法があります。カーネルトリックは、高次元空間への写像という考え方に基づいています。本来は複雑な形をしているデータを、より多くの情報を持つ高次元空間へと移すことで、単純な平面で分割できる形に変換するのです。 具体的には、もとのデータ空間では曲線でしか分けられないようなデータも、高次元空間へ写像することで、平面、つまり直線で分割できるようになる場合があります。この高次元空間での平面による分割は、もとのデータ空間では曲線による分割に対応します。このようにして、複雑な形のデータでもうまく仕分けることが可能になります。 カーネルトリックを用いることで、計算量を抑えながら高次元空間の効果を得ることができます。高次元空間への写像を直接計算するのではなく、カーネル関数と呼ばれる特殊な関数を用いることで、計算を簡略化できるのです。このカーネル関数は、高次元空間における内積を計算する役割を果たしますが、もとのデータ空間の情報だけを使って計算できるため、計算コストを大幅に削減できます。 つまり、カーネルトリックは複雑なデータの分類において、高次元空間の力を借りつつ、計算の負担を軽くする、という優れた方法なのです。