財務分析

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ビジネスへの応用

バランススコアカードで戦略経営

「バランススコアカード」という言葉を耳にしたことはありますか? 近頃は、会社をうまく動かす方法として、多くの人に注目されています。昔から、会社の状態を知るには、お金に関する数字だけを見ていれば良いという考え方が一般的でした。しかし、この方法では、将来のための活動や、お客さんをどれだけ満足させられているかといった大切なことが見過ごされてしまうことがありました。そこで、お金のことだけでなく、他のことも考えて会社の状態を調べ、計画を立てようという新しい考え方が生まれました。これがバランススコアカードのはじまりです。 この考え方は、会社の成績を評価するだけの道具ではありません。会社の進むべき道をはっきりさせ、その道を進むための力強い道具として使われています。具体的には、「お金」、「お客さん」、「会社の中身」、「これから」という四つの視点から会社の状態を調べます。「お金」の視点では、儲けが出ているか、お金の使い方に無駄がないかなどを調べます。「お客さん」の視点では、お客さんが商品やサービスに満足しているか、また、新しいお客さんが増えているかなどを調べます。「会社の中身」の視点では、社員が生き生きと働いているか、新しい商品やサービスを生み出す力があるかなどを調べます。そして「これから」の視点では、新しい技術を取り入れるなど、将来に向けてどんな準備をしているかを調べます。 このように、バランススコアカードは、色々な角度から会社の状態を調べることで、全体像を正しく把握することを目指しています。四つの視点はそれぞれがつながっていて、例えば新しい技術を学ぶことで社員のやる気が高まり、それが新しい商品やサービスの開発につながり、最終的にお客さんの満足度向上、そして会社の儲けにつながるといった具合です。バランススコアカードを使うことで、会社は何を目指していて、どのように目標を達成するのかを、社員全員が理解し、同じ方向に向かって進むことができるようになります。そのため、複雑な現代社会の中で、会社を成功に導くための大切な方法として、ますます重要になっています。
ビジネスへの応用

正味現在価値法:投資判断の羅針盤

現在価値とは、将来受け取るお金を、今の時点でどれだけの価値があるのかを計算した金額のことです。将来受け取るお金は、そのままの金額では現在の価値と同じではありません。なぜなら、今すぐ使えるお金には、様々な使い道があるからです。例えば、今お金があれば投資に回すことができ、将来さらに大きな利益を得られる可能性があります。これを投資機会損失といいます。また、物価上昇、つまりインフレも考慮しなければなりません。インフレによって商品の値段が上がれば、同じ金額でも将来買えるものの量は今よりも少なくなります。 例えば、一年後に百万円を受け取るとしましょう。これは一見大きな金額ですが、今すぐ百万円を受け取る方が価値が高いと考えられます。なぜなら、今すぐ受け取った百万円を銀行に預ければ、一年後には利息がついて百万円以上になっている可能性があるからです。また、もし一年後に物価が上昇していたら、百万円で買える商品の量は今よりも少なくなっているかもしれません。このように、時間とお金の関係性を考えると、将来受け取るお金は割り引いて考える必要があります。 この、将来のお金の価値を現在の価値に換算することを「割引計算」といい、割引計算によって求められた金額が現在価値です。現在価値を理解することは、投資判断や金融商品の評価、事業計画の策定など、様々な経済活動において非常に重要です。将来のお金の流れを現在価値に換算することで、異なる時期の投資案件を比較検討できるようになり、より合理的な意思決定を行うことができます。時間とお金の関係性を正しく理解し、現在価値という概念を身につけることで、お金に関する判断をより的確に行うことができるようになるでしょう。
ビジネスへの応用

投資回収期間:PBPを理解する

お金を投じる際に、どれくらいの速さで元が取れるのかを知ることはとても大切です。お金を回収するまでの期間が短ければ短いほど、資金を再び運用に回すことができ、事業の成長を早めることができます。事業の計画を立てる際にも、この回収期間をきちんと把握することで、お金の流れを予測し、安定した経営を行うことができます。 投資の回収期間を測る方法の一つに、ピービーピーと呼ばれるものがあります。ピービーピーとは、最初に投じたお金が全て回収できるまでの期間のことです。このピービーピーは、投資を決める上で重要な役割を果たします。ピービーピーを理解することで、投資に伴う危険性を正しく判断し、より良い投資戦略を立てることができるようになります。 この解説では、ピービーピーとは何か、どのように計算するのか、どのような利点や欠点があるのか、実際にどのように使われているのかなどを詳しく説明します。具体的な例を交えながら分かりやすく説明することで、ピービーピーを使った投資戦略の立て方を学ぶことができます。 例えば、新しい機械を導入するために100万円を投資するとします。この機械によって年間25万円の利益が見込めるとすると、ピービーピーは4年になります。つまり、4年で投資した100万円を回収できる計算です。このように、ピービーピーを計算することで、投資の効率性を判断することができます。 ピービーピーは、投資の判断材料として手軽に使える便利な指標ですが、同時にいくつかの注意点もあります。例えば、ピービーピーは投資期間全体での収益性を考慮していないため、長期的な視点での投資評価には不向きです。また、将来の収入や支出を正確に予測することは難しいため、ピービーピーの計算結果もあくまで予測値であることを理解しておく必要があります。これらの点に注意しながら、ピービーピーを他の指標と組み合わせて活用することで、より確実な投資判断を行うことができます。