計算コスト

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言語モデル

モデルのパラメータ数と性能の関係

近年の技術革新により、言葉を扱う人工知能である大規模言語モデルは目覚ましい発展を遂げています。この技術革新のきっかけとなったのは、2017年に登場した「変形器」という名前の画期的な技術です。この「変形器」はこれまでの技術と比べて、文章の全体像を一度に捉えることができるという特徴を持っていました。そのため、従来の技術よりも文章の内容を深く理解し、自然で滑らかな文章を生成することが可能となりました。また、「変形器」は並列処理能力にも優れていたため、大量のデータを効率的に学習することができました。この技術革新を皮切りに、言語モデルの規模は拡大の一途を辿り、大規模言語モデル(巨大言語モデル)と呼ばれる、膨大なデータから学習した巨大なモデルが登場するようになりました。そして、2020年には、その巨大言語モデルの中でも特に巨大な「生成済み変形器3」というモデルが登場し、その規模はそれまでのモデルをはるかに上回るものでした。「生成済み変形器3」は、人間のように自然な文章を生成する能力を備えており、様々な言葉の課題をこなせることから世界中に大きな衝撃を与えました。この「生成済み変形器3」の登場は、大規模言語モデル開発競争の火付け役となり、様々な企業や研究機関がより大きく、より高性能なモデルの開発に鎬を削るようになりました。まるで宇宙開発競争のように、より高度な人工知能を目指して、日夜研究開発が行われています。この技術革新は私たちの生活や社会に大きな変化をもたらす可能性を秘めており、今後の更なる発展が期待されています。
深層学習

盤上の知能:人工知能とボードゲーム

遊びには様々な種類がありますが、その中でも盤と駒を使う遊びをまとめて盤上遊戯と呼びます。盤上遊戯は、すごろくや将棋、囲碁など、世界中に数えきれないほどの種類があります。これらの遊びは、簡単なルールで楽しめるものから、複雑な作戦が必要なものまで、その難しさも様々です。 例えば、すごろくは、さいころを振って出た目の数だけ駒を進めるという、とても簡単な遊びです。子供でもすぐにルールを覚えて楽しむことができます。一方、将棋や囲碁などは、高度な作戦や駆け引きが必要となる、とても奥の深い遊びです。何年もかけて技術を磨き、熟練者同士が真剣勝負を繰り広げることもあります。 将棋は、盤上の駒を動かして相手の王を詰ませる遊びです。それぞれの駒には動き方に決まりがあり、それらを組み合わせ、相手の王を追い詰めていきます。限られた盤上の中で、様々な攻め方、守り方を考えながら対戦相手と知恵比べをする楽しさが、将棋の魅力です。 囲碁は、白と黒の石を盤上に置いて、陣地の広さを競う遊びです。一見単純なルールに見えますが、その奥深さは計り知れず、可能な局面の数は宇宙にある原子の数よりも多いと言われています。囲碁は、陣取りという明確な目的がありながらも、具体的な勝ち方は一つではありません。状況に応じて柔軟に作戦を立て、相手の動きを読みながら、最善の一手を打つ必要があります。 このように、盤上遊戯には様々な種類があり、それぞれルールや難しさも大きく違います。そのため、これらの遊びを機械にやらせるためには、それぞれの遊びに合わせた工夫が必要となります。簡単な遊びであれば比較的容易に機械にやらせることができますが、将棋や囲碁のような複雑な遊びを機械にやらせるのは、とても難しい挑戦です。