社会心理学

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集団思考の功罪

集団思考とは、グループで物事を決める際に、全体の和を保ち、意見を一つにまとめることを最優先に考えすぎてしまうために、よく考え批判したり、異なる考えを言ったりすることが難しくなり、最終的に間違った判断や筋の通らない結論に至ってしまう現象です。仲間同士の結びつきが強いグループほど、このような集団思考に陥りやすいと言われています。これは、組織の決定に大きな危険をもたらす可能性があります。 例えば、新しい事業の計画を立てる際に、反対意見を持つ人がいても、その場の雰囲気を悪くしたくない、あるいは他の仲間との関係が悪化することを恐れて、何も言わずに黙ってしまうかもしれません。その結果、隠れた問題点が見過ごされ、計画が失敗する可能性が高くなります。会議の場で、反対意見を述べることは勇気がいることですが、多様な視点を共有することで、より良い計画を立てることができるはずです。 また、集団思考は、組織の中で新しいものを生み出すことを邪魔する原因にもなります。今までにない考えや画期的な提案は、多くの場合、これまでの考え方や習慣を変える必要があるからです。しかし、集団思考が優勢な組織では、そのような異論は排除されがちで、結果として組織全体の動きが止まってしまう可能性があります。新しいものを取り入れ、変化していくためには、異なる意見を尊重し、積極的に議論することが重要です。 このように、集団思考は組織が健全に成長していく上で大きな妨げとなるのです。組織をより良くしていくためには、個々の意見を大切にし、自由な議論ができる環境を作ることが不可欠です。