組織の壁を超える、オープン・イノベーション
近頃、様々な分野で耳にする機会が増えた「新たな発想を取り入れる」とは、一体どのような考え方なのでしょうか。それは、自社の外にある知識や技術、アイデアを積極的に取り入れ、活用する経営のやり方のことです。これまで多くの企業では、商品の開発から販売に至るまで、全ての工程を自社内で行うのが当たり前でした。しかし、技術の進歩が急速に進む現代社会において、自社の力だけで勝負していくには限界があります。そこで注目されているのが、この新たな発想を取り入れる考え方です。
外部の知識や技術を取り入れることで、開発にかかる時間や費用を削減できるだけでなく、今までにない画期的な商品を生み出すことも期待できます。社内の人間だけでは思いつかない斬新な発想や視点を外部から得ることで、従来の型にはまらない、全く新しい商品やサービスの開発に繋がるのです。
具体的には、大学や研究所、設立間もない活気のある企業など、様々な組織と協力することで、技術的な問題を解決したり、市場の需要変化に素早く対応したりすることが可能になります。例えば、ある企業が新しい健康食品を開発したいと考えたとします。自社内だけでは栄養学の専門知識が不足していたため、大学で栄養学を研究している先生に協力を依頼し、共同で研究開発を進めることで、より効果的で安全な健康食品を開発することができた、といった事例が考えられます。
このように、新たな発想を取り入れることは、企業が成長していく上で欠かせない戦略と言えます。常に変化を続ける社会の中で、生き残り、発展していくためには、社外の資源も積極的に活用し、新たな価値を創造していく必要があると言えるでしょう。