相対絶対誤差

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機械学習

予測精度を測る指標:相対絶対誤差

統計や機械学習の世界では、予測モデルの良し悪しを測る物差しが必要です。作った予測モデルがどれくらい正確に未来を当てられるのか、これはとても大切なことです。その物差しの1つに、相対絶対誤差というものがあります。相対絶対誤差は、よくRSEと略されて呼ばれます。 機械学習のモデルは、与えられた情報をもとに、これからどうなるかを予測します。例えば、明日の気温や商品の売れ行きなどです。しかし、どんなに優れたモデルでも、予測が完全に当たることはまずありません。必ず、本当の値との間にずれが生じます。このずれの大きさを測る尺度こそが、RSEなのです。 RSEは、予測のずれを相対的な値で表します。相対的というのは、本当の値を基準にしてずれの大きさを考えるということです。例えば、1000円の商品の売上げを800円と予測した場合と、100円の商品の売上げを80円と予測した場合では、どちらも200円のずれですが、100円の商品の方がずれの割合が大きいと言えます。RSEはこのような割合を考慮に入れて計算されます。 具体的な計算方法は、まず予測値と本当の値の差を計算し、その絶対値を求めます。絶対値とは、正負の符号を無視した値のことです。次に、本当の値それぞれと、本当の値全体の平均との差の絶対値を計算し、それらを平均します。最後に、最初の値をこの値で割ることで、RSEが算出されます。 RSEは常に0以上の値になります。そして、RSEの値が小さいほど、予測の精度が高いことを示します。もしRSEが0であれば、それは予測が完全に当たっている、つまり予測値と本当の値が全く同じであることを意味します。RSEが0に近いほど、モデルの予測はより正確で、モデルの性能が良いと言えるでしょう。
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RAE:誤差を測る新たな視点

相対絶対誤差(そうたいぜったいごさ)は、統計学や機械学習の分野で予測の正確さを評価する際に使われる大切な指標です。この指標は、実測値と予測値の差を、実測値の平均値で割ることで計算されます。この計算方法のおかげで、異なる単位や規模を持つデータでも比較が可能になります。例えば、家の値段と株価の予測のように、全く異なる種類のデータを扱う場合でも、相対絶対誤差を用いることで、予測の精度を同じ尺度で比べることができます。 相対絶対誤差を理解する上で重要なのは、この指標が「相対的」な誤差を表している点です。つまり、単に予測値と実測値の差を見るだけでなく、実測値の平均値に対する割合で誤差を評価します。これは、ある程度予想される誤差の範囲を考慮に入れるようなものです。例えば、100万円の家を予測する際に1万円の誤差と、10万円の株を予測する際に1万円の誤差では、同じ1万円でも意味合いが大きく違います。相対絶対誤差は、このような違いを適切に反映することができます。 相対絶対誤差の値は、通常0から1までの範囲で表されます。0に近い値は、予測値が実測値と非常に近い、つまり予測精度が高いことを示します。逆に1に近い値、あるいは1を超える値は、予測値と実測値の間に大きなずれがあることを意味し、予測精度が低いことを示します。このように、相対絶対誤差は、予測モデルの良し悪しを判断するための分かりやすい指標となっています。 相対絶対誤差は、モデルの改善にも役立ちます。誤差の値を確認することで、モデルの弱点や改善点を把握することができます。例えば、特定の条件下で誤差が大きくなる場合、その条件に特化した修正を加えることで、モデル全体の精度を向上させることができます。このように、相対絶対誤差は、予測モデルの開発や改良において欠かせないツールと言えるでしょう。
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相対絶対誤差:機械学習モデル評価の新基準

機械学習の模型をきちんと吟味することは、模型作りにおいて大変大切なことです。けれども、色々な資料を使って学習させた複数の模型を比べたい場合、吟味の方法が適切でないと、間違った判断をしてしまうかもしれません。 例えば、ある模型は特定の資料に絞って高い能力を示す一方で、別の資料では低い能力しか示さないという状況はよくあります。これは、資料の特徴、例えば資料の範囲やばらつき、極端な値の有無などが、模型の能力に大きな影響を与えるためです。ある資料では、模型が資料の特徴をうまく捉え、高い精度で予測できるかもしれません。しかし、別の資料では、その資料の特徴が模型の学習内容と大きく異なっている場合、予測精度が下がるのも当然です。 このような、資料によって模型の能力が変わることを「過学習」と呼ぶこともあります。過学習が起きると、特定の資料に特化した模型になってしまい、新しい資料への対応力が低くなってしまいます。 真に使える模型を作るためには、色々な資料に対応できる能力、つまり汎化性能が重要になります。汎化性能の高い模型は、見たことのない新しい資料に対しても、高い精度で予測することができます。このような状況下で、模型の本当の能力を公平に吟味するためには、資料の特徴に左右されない、より幅広く使える吟味方法が必要です。 例えば、複数の資料を使って模型を吟味する方法や、資料を分割して学習と吟味に使う方法などがあります。これらの方法を適切に用いることで、より信頼性の高い模型の吟味が可能になります。そして、より良い模型を作り、実社会の様々な課題解決に役立てることができるのです。