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正味現在価値法:投資判断の羅針盤

現在価値とは、将来受け取るお金を、今の時点でどれだけの価値があるのかを計算した金額のことです。将来受け取るお金は、そのままの金額では現在の価値と同じではありません。なぜなら、今すぐ使えるお金には、様々な使い道があるからです。例えば、今お金があれば投資に回すことができ、将来さらに大きな利益を得られる可能性があります。これを投資機会損失といいます。また、物価上昇、つまりインフレも考慮しなければなりません。インフレによって商品の値段が上がれば、同じ金額でも将来買えるものの量は今よりも少なくなります。 例えば、一年後に百万円を受け取るとしましょう。これは一見大きな金額ですが、今すぐ百万円を受け取る方が価値が高いと考えられます。なぜなら、今すぐ受け取った百万円を銀行に預ければ、一年後には利息がついて百万円以上になっている可能性があるからです。また、もし一年後に物価が上昇していたら、百万円で買える商品の量は今よりも少なくなっているかもしれません。このように、時間とお金の関係性を考えると、将来受け取るお金は割り引いて考える必要があります。 この、将来のお金の価値を現在の価値に換算することを「割引計算」といい、割引計算によって求められた金額が現在価値です。現在価値を理解することは、投資判断や金融商品の評価、事業計画の策定など、様々な経済活動において非常に重要です。将来のお金の流れを現在価値に換算することで、異なる時期の投資案件を比較検討できるようになり、より合理的な意思決定を行うことができます。時間とお金の関係性を正しく理解し、現在価値という概念を身につけることで、お金に関する判断をより的確に行うことができるようになるでしょう。