フットプリンティング:攻撃前の情報収集
情報技術を用いた攻撃は、複雑な手順で行われる場合もありますが、多くの場合、綿密な準備段階を経て実行されます。しっかりと土台を築いて建物を建てるように、攻撃の成功も事前の情報収集にかかっています。この情報収集活動は、攻撃の土台作りであり、フットプリンティングと呼ばれます。フットプリンティングとは、攻撃対象の機器や情報網の弱点を探る偵察活動のようなものです。まるで敵陣を探る斥候のように、様々な方法で情報を集めます。
フットプリンティングでは、公開されている情報源から情報を集めることが多くあります。例えば、組織の公式発表や従業員の公開情報、技術関連の発表資料などです。インターネット上には、思いの外多くの情報が公開されています。これらの情報を丹念に集め、分析することで、攻撃者は組織の全体像を把握し、弱点を見つけ出そうとします。また、特定の機器を狙って情報を集めることもあります。これは、特定の機器に接続されている情報網の構造や、機器の種類、使用されている技術などを調べることで、攻撃の糸口を探るためです。
フットプリンティングで得られた情報は、後の攻撃計画を立てる上で非常に重要になります。敵の守りの弱点や、侵入経路を特定することで、攻撃の成功率を高めることができるからです。例えば、古い機器を使用していることが分かれば、その機器の既知の脆弱性を突いた攻撃を計画できます。また、組織の情報網の構造が分かれば、最も効果的な侵入経路を選択できます。このように、フットプリンティングは、攻撃の成否を左右する重要な最初の段階と言えるでしょう。しっかりと準備された攻撃に対抗するためには、フットプリンティングについて理解し、自らの組織の情報がどのように見えているのかを把握することが重要です。