平均値プーリングで画像認識
絵を認識する時、コンピュータは小さな点の集まりを扱います。この小さな点は画素と呼ばれ、それぞれの色や明るさを記録しています。たくさんの画素が集まって絵全体が作られますが、そのままでは情報量が多すぎて、コンピュータが絵を理解するのに時間がかかったり、小さな違いに惑わされたりします。そこで、プーリングという方法を使って絵の情報を整理します。
プーリングとは、画素の集まりをまとめて扱う方法です。例えば、隣り合った四つの画素を一つのグループとして考え、そのグループ内での最も明るい画素の値だけを残す、といった具合です。これを絵全体にわたって行うことで、画素の数を減らし、絵の情報を縮小します。
画素をまとめる方法はいくつかあります。例えば、先ほどのようにグループ内で最も明るい画素の値を使う方法を最大値プーリングと呼びます。他には、グループ内の画素の値の平均を使う平均値プーリングなどもあります。どの方法を使うかは、目的によって使い分けます。
プーリングには、絵の理解を助ける効果があります。まず、情報量が減るため、コンピュータの作業が速くなります。また、小さな違いに惑わされにくくなるため、多少絵がずれていたり、形が変わっていたりしても、同じ絵だと認識できるようになります。さらに、重要な特徴だけが強調されるため、絵を認識しやすくなります。このように、プーリングはコンピュータが絵を理解する上で重要な役割を果たしています。