ミニバッチ学習:機械学習の効率化
機械学習では、大量のデータを使って模型を訓練します。この訓練を通して、模型の調整値を少しずつ変えて、より正確な予測ができるようにしていきます。この調整方法の一つに、ミニバッチ学習というものがあります。
ミニバッチ学習とは、学習データを小さな束(ミニバッチ)に分割し、その束ごとに模型の調整値を更新していく方法です。例えるなら、たくさんの料理を一度に作るのではなく、数人分ずつ小分けにして作るようなものです。一度に全部作ると大鍋が必要で大変ですが、一人分ずつ作るのは効率が悪いです。ミニバッチ学習はこの中間、つまり適量ずつ処理することで効率と精度を両立させています。
全てのデータを使って一度に調整値を更新する方法をバッチ学習と言います。これは、大鍋で一度に大量の料理を作るようなものです。一度に多くの情報を使うので精度は高いですが、大量の計算資源が必要になり、場合によっては処理しきれないこともあります。一方で、データ一つずつで調整値を更新する方法を確率的勾配降下法(SGD)と言います。これは一人分ずつ料理を作るようなもので、必要な資源は少ないですが、一つずつのデータに影響されやすく、学習の進み方が不安定になることがあります。
ミニバッチ学習は、バッチ学習と確率的勾配降下法の良いところを取った方法です。バッチ学習のように一度に大量の計算をする必要がなく、確率的勾配降下法のように不安定になることも少ないため、多くの機械学習の場面で役立っています。