モデル学習の重要性
人が物事を学ぶように、人工知能も学ぶ必要があります。この学習のことを、モデル学習と呼びます。人工知能の中核を担うこのモデル学習は、大量の情報を与え、そこから規則性や繋がりを見つけることで行われます。まるで、たくさんの絵を見て、それが猫なのか犬なのかを学ぶ子どものようなものです。
例えば、猫を判別できる人工知能を作りたいとします。この場合、大量の猫の画像と、猫ではない画像を人工知能に学習させます。猫の画像には、様々な種類の猫、様々な角度から撮られた猫、様々な背景の猫が含まれているでしょう。これらの画像を人工知能は一つ一つ分析し、猫の特徴を捉えようとします。耳の形、目の形、ひげ、体の模様、毛並み、姿勢など、猫には猫特有の特徴があります。人工知能は、これらの特徴を大量のデータから抽出し、猫とは何かを学習していくのです。
同時に、猫ではない画像、例えば犬や鳥、車や家などの画像も学習させることで、猫の特徴をより明確に捉えることができます。猫ではないものを見ることで、猫とは何が違うのかを理解し、猫であることの条件を絞り込んでいくのです。
この学習プロセスは、まるで子どもが繰り返し練習することで自転車に乗れるようになる過程に似ています。最初は転んだり、うまくバランスが取れなかったりするかもしれませんが、練習を重ねるにつれて、無意識のうちに自転車の乗り方を体得していくように、人工知能も大量のデータからパターンを学び、最終的には新しい画像を見せても、それが猫かそうでないかを判断できるようになるのです。このようにして、人工知能は特定の作業をこなすための知識を身につけていきます。そして、このモデル学習こそが、人工知能の性能を大きく左右する重要な工程と言えるでしょう。