プロトコル

記事数:(8)

WEBサービス

よく使うポート番号の話

インターネットの世界では、無数の機械が情報をやり取りしています。この情報のやり取りをスムーズに行うために、宛先を特定する仕組みが必要です。この仕組みで重要な役割を果たすのが「家の住所」のような役割を持つIPアドレスと、「家の入り口」のような役割を持つポート番号です。 たとえば、手紙を送る場面を想像してみてください。手紙を届けるには、まず相手の住所が必要です。インターネットの世界では、この住所がIPアドレスに相当します。しかし、住所だけでは、家の中のどの部屋に手紙を届けるべきかは分かりません。そこで登場するのがポート番号です。ポート番号は、家の中の特定の部屋を示す番号です。例えば、メールを受け取るための部屋、ホームページを見るための部屋など、それぞれ異なる役割を持つ部屋が存在し、それらを区別するためにポート番号が使用されます。 一つの機械で複数のサービスを同時に利用できるのは、このポート番号のおかげです。例えば、あなたは一つの機械を使ってメールを確認しながら、同時にホームページを閲覧することができます。これは、メールの送受信とホームページの閲覧が、それぞれ異なるポート番号を使って行われているためです。もしポート番号がなければ、これらのサービスが混ざってしまい、正しく情報をやり取りすることができません。 ポート番号は0から65535までの数字で表され、よく使われる番号はあらかじめ決められています。例えば、ホームページの閲覧には通常80番、メールの送受信には25番といった具合です。これらの番号は、インターネット上で情報をやり取りする際の共通ルールとして広く認識されています。インターネット通信において、このポート番号は宛先を特定するための重要な要素となっています。
その他

UDP:遅延を許容してスピード重視の通信

利用者データグラム手順の短縮形であるUDPは、情報のやり取りを定める手段の一つで、情報網での情報の送受信で広く使われています。情報のやり取りを管理する手順であるTCPと並んで大切な役割を担っていますが、その性質はTCPとは大きく違います。TCPは情報の確実な送受信を重視する一方、UDPは情報の送受信の速さを重視しています。 情報の確実な送受信を重視するTCPでは、送り手と受け手が互いに確認を取り合いながら情報を送受信します。そのため、情報が正しく届いたかを確認できます。一方、UDPではこのような確認作業を行いません。そのため、情報が一部欠けたり、順番が入れ替わったりする可能性がありますが、その分情報の送受信にかかる時間が短縮されます。 このように、UDPは情報の正確さよりも速さを重視した情報の送受信を実現するために作られています。そのため、動画の配信や、対戦型の遊戯、音声を使った会話など、多少の情報が欠けても大きな問題にならず、むしろ情報の送受信の遅れが問題になるような用途で使われています。例えば、動画を見ているときに一瞬映像が乱れたり、音声が途切れたりしても、多少の遅れは許容されますが、数秒の遅れが生じると、動画を見ている上での快適さが大きく損なわれます。このような状況では、UDPの速さを重視する性質が役立つのです。 情報の送受信の速さが求められる場面ではUDPが、情報の正確さが求められる場面ではTCPが、それぞれ使い分けられています。状況に応じて適切な手順を選ぶことで、より快適な情報網の利用が可能になります。
その他

RARP:機器アドレスからIPアドレスを知る仕組み

コンピュータなどの機器がネットワークにつながるためには、それぞれの機器に割り当てられた住所のようなものが必要です。これを「インターネット・アドレス」と呼びます。このアドレスがないと、他の機器と情報のやり取りができません。機器には、製造段階で付けられた固有の番号である「機器アドレス」というものも存在します。これは、いわば機器の生まれつきの名前のようなものです。 「逆アドレス解決手順」は、この機器アドレスからインターネット・アドレスを知るための仕組みです。機器アドレスは分かっているけれど、インターネット・アドレスが分からない機器が、ネットワーク上で「逆アドレス解決手順」を使って問い合わせを行い、自分のインターネット・アドレスを教えてもらうのです。 この仕組みは、情報を保存する装置を持たない機器にとって特に重要です。このような機器は、電源を入れるたびに自分のインターネット・アドレスを知らなければなりません。「逆アドレス解決手順」のおかげで、これらの機器もネットワークに接続し、必要な情報を取得できるようになります。 たとえば、新しく職場に来た人が自分の机の場所を分からないとします。自分の名札は持っているけれど、机には名前が書いてありません。そこで、受付の人に名札を見せて自分の机の場所を聞けば、教えてもらえるでしょう。「逆アドレス解決手順」は、これと同じように、機器が自分の機器アドレスを使ってインターネット・アドレスを調べるための仕組みなのです。 「逆アドレス解決手順」を使うことで、ネットワークの初期設定が簡単になり、機器の管理も容易になります。多くの機器がネットワークにつながる現代社会において、これは大変便利な仕組みと言えるでしょう。ただし、「逆アドレス解決手順」は、問い合わせの範囲がネットワーク内に限られます。そのため、近年では、より広範囲に対応できる「動的ホスト構成手順」が主流となっています。
その他

PPPoE:インターネットへの接続方式

ピーピーピーオーイーは、皆さんが普段インターネットを使う際に欠かせない技術の一つです。正式には「ポイント・ツー・ポイント・プロトコル・オーバー・イーサネット」と呼ばれています。この名前を分解してみると、その仕組みが見えてきます。「ポイント・ツー・ポイント・プロトコル」、略してピーピーピーは、もともと電話回線を使ってインターネットに接続する際に使われていた通信の決まり事です。一対一で通信を行うため、確実な接続を保証することができます。 時代が進み、電話回線に代わり、より高速なイーサネットが普及してきました。そこで、このピーピーピーをイーサネットの上でも使えるようにしたのが、ピーピーピーオーイーです。名前の通り、イーサネット上でピーピーピーを使うための技術なのです。 ピーピーピーオーイーを使うと、家庭や会社にあるパソコンなどの機器を、インターネットにつなぐ役割を持つ会社、つまり、インターネットサービスプロバイダの機器へと接続することができます。まるで橋渡しをするように、私たちの機器とインターネットの世界をつないでくれるのです。 ピーピーピーオーイーには、接続する際に本人確認を行う仕組みがあります。これにより、不正なアクセスを防ぎ、安全にインターネットを利用できます。また、インターネットに接続するたびに、インターネット上の住所にあたるアイピーアドレスが割り振られます。これは、限られたアイピーアドレスを有効に活用できるという利点があります。 ピーピーピーオーイーは、高速インターネットが普及し始めた頃から広く使われてきました。設定が簡単で、特別な知識がなくても使えるため、多くの家庭で利用されています。現在でも多くのインターネットサービスプロバイダで採用されており、今後もインターネットに接続するための基本的な技術として、重要な役割を果たしていくことでしょう。
WEBサービス

ウェブサイト証明書の検証方法:OCSP

安全な情報のやり取りのために、インターネット上の多くの場所でデジタル証明書が使われています。これは、まるでお店の看板のように、ウェブサイトの本当の持ち主を示し、やり取りの中身を見られないようにする大切な役割を担っています。 このデジタル証明書ですが、有効期限というものがあります。期限が切れた証明書は、もはや信頼できる保証ではなくなってしまいます。また、期限内であっても、何らかの理由で無効になる場合もあります。例えるなら、お店の営業許可証が期限切れになったり、取り消されたりするようなものです。 そのため、ウェブサイトを開くたびに、証明書の有効性を確かめる必要があるのです。まるで、お店に入る前に営業許可証がちゃんと掲示されているか、有効期限内かを確認するようなものです。もし、証明書に問題があれば、偽のウェブサイトに繋がっている可能性があり、個人情報などを盗まれる危険性も出てきます。 そこで登場するのがOCSP(オンライン証明書状態プロトコル)です。これは、証明書の有効性を瞬時に確認できる技術です。リアルタイムで確認できるので、アクセスするたびに最新の情報を取得し、安全性を確保できます。 例えるなら、お店に入る前に、お店のデータベースにアクセスして、営業許可証が有効かどうかを確認するようなものです。OCSPを使うことで、常に最新の状態で証明書の有効性を確認でき、安心してインターネットを利用できるのです。証明書の確認は、インターネットの安全を守る上で非常に大切です。OCSPのような技術を活用し、安全なインターネット体験を心がけましょう。
その他

コンピュータの時刻合わせ:NTPの役割

現代の暮らしの中で、正確な時刻を知ることはなくてはならないものです。特に、常にインターネットにつながっている機器、例えば会社の情報などを管理する大型の計算機や情報のやり取りを円滑にするための装置では、時刻がぴったり合っていることがとても大切です。もし時刻がずれてしまうと、様々な問題が起こってしまいます。 例えば、いつ何が起きたかを記録する作業に不具合が生じたり、複数の装置がうまく連携して働かなくなったりする可能性があります。また、悪意のある人物による攻撃を受けやすくなる危険性も高まります。 このような困った事態を防ぐために、「時刻合わせ通信手順」と呼ばれる技術が使われています。これは、英語の頭文字を取って「エヌティーピー」と呼ばれることが多いです。この技術は、世界中で使われている標準時刻を基準にして、ネットワークにつながっている機器が常に正しい時刻を保てるようにしてくれます。 具体的には、時刻合わせ通信手順を使うことで、ネットワーク上の機器は、信頼できる時刻を提供する特別な装置と通信し、自分の時刻を修正します。この特別な装置は、原子時計のような非常に正確な時計と同期しており、高精度な時刻情報を提供することができます。 時刻合わせ通信手順は、階層的な構造を持っています。一番上に位置する装置は、原子時計などの非常に正確な時刻源と直接同期しています。その下には、上位の装置と同期する装置があり、さらにその下にも、下位の装置と同期する装置が続きます。このようにして、世界中の機器が正確な時刻を共有できるようになっています。時刻合わせ通信手順のおかげで、私たちは安心してインターネットを利用することができるのです。
WEBサービス

安全なメール受信:IMAPSとは

電子手紙は、今や私たちの暮らしに欠かせないものとなっています。仕事での連絡や友人との交流など、日々多くの情報が電子手紙を通してやり取りされています。しかし、その手軽さの裏には、情報漏えいという大きな危険が潜んでいます。電子手紙の内容が悪意のある第三者に盗み見られたり、書き換えられたりする可能性があるのです。そこで、安全に電子手紙を受け取るための仕組みが重要になります。その一つがIMAPSと呼ばれる技術です。 IMAPSは、インターネット上で電子手紙を安全に受信するための決まり事です。従来の電子手紙受信の決まり事であるIMAPに、通信内容を暗号化するSSL/TLSという技術を組み合わせることで、高い安全性を確保しています。SSL/TLSは、まるで電子手紙に鍵をかけるように、内容を暗号化して送信します。これにより、たとえ第三者に傍受されたとしても、暗号を解読しない限り内容は読めません。IMAPSはこの技術を用いることで、電子手紙サーバーと電子手紙を使う道具との間の通信経路を暗号化し、不正なアクセスから守ってくれるのです。 IMAPSの役割は、電子手紙の送受信時の安全確保だけにとどまりません。電子手紙サーバーに保存されている電子手紙データを守る役割も担っています。サーバーに保存されている電子手紙データは、個人情報や重要な仕事の情報など、漏えいした場合に大きな影響を与える情報が多く含まれています。IMAPSは、これらの情報を暗号化することで、情報漏えいの危険性を大きく減らしてくれます。 このように、IMAPSは私たちの大切な情報を守る上で非常に重要な役割を果たしています。情報漏えいに対する意識が高まる中、IMAPSは今後ますます欠かせない技術となるでしょう。
その他

ARP入門:仕組みと重要性

網状の繋がりをもつ情報網の中で、機器同士が情報をやり取りするには、互いの場所を特定する住所が必要です。この住所には、大きく分けて二つの種類があります。一つは論理的な住所で、人間にも分かりやすい数字で表現されます。もう一つは物理的な住所で、機器固有の番号で表されます。 ARPは、住所解決手順の略で、この二つの住所を変換する役割を担います。たとえば、あなたが情報網の中の誰かに手紙を送りたいとします。あなたは相手の論理的な住所は知っていますが、物理的な住所は知りません。このとき、ARPを使えば、相手の論理的な住所から物理的な住所を調べることができます。 具体的には、ARPは、「この論理的な住所を使っている機器は、どの物理的な住所を持っていますか?」という問いを情報網の中に投げかけます。すると、該当する機器が「その論理的な住所は私が使っています。私の物理的な住所はこれです。」と返事を送ります。こうして、あなたは相手の物理的な住所を知り、手紙を届けることができるのです。 情報網は、多くの小区間に分割され、中継地点で繋がっています。ARPはこの小区間内で行われます。もし、相手が異なる小区間にいる場合は、中継地点が相手の物理的な住所を調べ、手紙を転送します。このように、ARPは情報網の中の機器同士が情報をやり取りする上で欠かせない手順なのです。 ARPのおかげで、私たちは相手の物理的な住所を意識することなく、手軽に情報をやり取りすることができます。これは、情報網が円滑に機能するための重要な要素となっています。