プロダクトライフサイクル

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ビジネスへの応用

キャズム理論:新製品普及の壁を乗り越える

新しい品物が売り出されると、誰よりも早くそれを手に入れようとする人たちがいます。こうした人たちは革新者と呼ばれ、最新の技術や品物にいち早く触れることに大きな喜びを感じています。多少の不具合や未完成な部分があっても気にしません。むしろ、そうした点を指摘し、改善に協力してくれる貴重な人たちです。彼らは新しい情報にも常にアンテナを張り巡らせ、まだ世間に知られていない情報をいち早くキャッチします。そして、自ら進んで新しい品物を試し、その経験を周囲に伝えていきます。 革新者に続いて現れるのが初期採用者です。彼らは革新者ほど前のめりではありませんが、やはり新しいものに興味があり、世の中の動きに敏感です。革新者たちが発信する情報や評価を注意深く見聞きし、それを判断材料にしながら、新しい品物を購入します。初期採用者は、新しい品物そのものだけでなく、それが持つ将来性や発展の可能性に魅力を感じ、積極的に活用しようとします。彼らは単に新しい品物を利用するだけでなく、その品物について深く理解しようと努め、使い方を工夫したり、新しい活用法を見つけ出したりします。 革新者と初期採用者は、市場全体で見れば少数派です。しかし、彼らの存在は新しい品物の普及にとって非常に重要です。革新者が新しい品物に飛びつき、その情報を発信することで、初期採用者が動き出します。そして、初期採用者がその品物の価値を認め、広めることで、さらに多くの人々が関心を持ち始め、市場が活性化していくのです。この時期はまだ市場規模が小さく、品物の広まりも比較的緩やかです。しかし、この小さな動きがやがて大きなうねりとなり、市場全体を席巻していくのです。