プロセス

記事数:(3)

その他

アクティビティ図入門

人が何かを行う時、手順を踏みます。物事をうまく進めるには、この手順を整理し、関係者全員で理解することが大切です。アクティビティ図は、このような手順、つまり活動を視覚的に表すための図です。システム開発や業務の進め方を図解する際に用いられます。 これは、統一モデリング言語(UML)と呼ばれる図式表現方法の一つです。複雑な手順も、分岐や並行処理なども、分かりやすく表現できます。例えば、商品の注文から発送まで、顧客からの問い合わせ対応、システム内部のデータ処理など、様々な活動を描けます。 アクティビティ図を使う一番の利点は、業務の流れを見えるようにすることです。流れが明らかになると、関係者全員が同じように理解できます。システム設計を明確化し、開発担当者と利用者の認識のずれを防ぎます。また、会議などで図を用いて説明することで、参加者間の認識を合わせ、スムーズな議論を進めることができます。 さらに、アクティビティ図は、問題点や改善点を見つけるのにも役立ちます。図示することで、手順の無駄や非効率な箇所が明らかになることがあります。例えば、複数の担当者が同じ作業を重複して行っている、あるいは、手順が複雑すぎて時間がかかりすぎているといった問題点が発見できるかもしれません。こうして見つかった問題点を基に、業務プロセスを改善し、より効率的に作業を進めることができます。つまり、アクティビティ図は、現状を把握し、より良い方法を考えるためのツールとして活用できるのです。
ビジネスへの応用

価値の連鎖:バリューチェーン

近頃は、会社同士の争いが激しくなっており、生き残るためには、自社の製品やサービスによって、お客さまにどんな良いことをもたらせるのかをしっかりと理解することが欠かせません。この良いことを作り出す仕組みを調べ、より良くしていくための道具として「つながりの鎖」という考え方が注目を集めています。 この「つながりの鎖」とは、材料を集めることから始まり、製品を売ること、売った後の対応に至るまで、商品やサービスがお客さまの手元に届くまでの一連の活動を、価値を生み出すつながりとして考える枠組みのことです。ただ単に費用を減らすだけでなく、お客さまにとっての価値を高めることで、他の会社に負けない強みを作り、息の長い成長を実現することを目指します。 たとえば、材料を集める段階では、質の高い材料をより安く仕入れる工夫が大切です。製品を作る段階では、無駄をなくし、効率よく高品質な製品を作ることが重要になります。また、製品を売る段階では、お客さまのニーズを的確に捉え、効果的な販売戦略を立てる必要があります。売った後も、丁寧な対応でお客さまとの信頼関係を築くことが、長期的な価値につながるのです。 このように、「つながりの鎖」は、会社全体の活動を見直し、それぞれの段階でどのように価値を高められるかを考える上で非常に役立ちます。本稿では、この「つながりの鎖」の基本的な考え方から、使い方、そしてこれからの見通しまでを、細かく説明していきます。
アルゴリズム

AIの心臓部:アルゴリズムの役割

あらゆる人工知能は、指示を必要とします。この指示は、人間の思考回路を記した設計図のようなもので、人工知能の学び方や働き方を定めます。人工知能は、人間が先生や書物から学ぶように、この指示を通じて学習用の情報を取り込み、それを基に様々な作業を行います。この指示を、私たちは「計算の手順」と呼びます。 計算の手順は、人工知能の学習効率と結果の正確さに直結します。計算の手順が明確であれば、人工知能は効率的に学習し、高い精度で結果を出力できます。まるで、熟練の職人が精巧な道具を使って美しい工芸品を作り上げるように、明確な手順は人工知能の働きを洗練させます。逆に、手順が曖昧であったり、適切でなかったりすると、人工知能の学習は非効率になり、期待した結果は得られません。これは、未熟な職人が使い慣れない道具で作業をするようなもので、思うように作品を仕上げることができないのと同じです。 例えば、画像認識の人工知能を開発する場合を考えてみましょう。猫の画像を見分けて「猫」と判断する人工知能を作るには、「猫の特徴」を学習させる必要があります。耳の形、目の形、髭、毛並みなど、猫を猫たらしめる要素を細かく指示することで、人工知能は猫の画像を正しく認識できるようになります。もし、これらの指示が曖昧であれば、人工知能は犬や他の動物を猫と誤認してしまうかもしれません。 このように、計算の手順を設計することは、人工知能開発において極めて重要です。人工知能がどのような情報をどのように処理するかは、すべてこの手順によって決まるからです。高性能な人工知能を開発するためには、目的とする作業内容に応じて、最適な手順を綿密に設計する必要があります。これは、建築家が建物の設計図を緻密に描くように、人工知能開発者が計算の手順を注意深く作り上げていくことを意味します。まさに、人工知能開発の根幹を成す重要な工程と言えるでしょう。