バギングとランダムフォレスト
たくさんの学習器を組み合わせて、より賢い予測を生み出す方法、それが「バギング」です。まるで、様々な専門家の意見を聞き、最終的な判断を多数決で決めるようなものです。
バギングは、機械学習における「アンサンブル学習」という手法の一つです。アンサンブル学習とは、複数の学習器を組み合わせ、単体よりも優れた性能を目指す学習方法です。バギングは、このアンサンブル学習の中でも特に広く使われており、その高い汎用性と効果から多くの場面で活躍しています。
バギングの仕組みは、次のとおりです。まず、もとの訓練データから、重複を許してランダムにデータを取り出し、複数の新しいデータセットを作ります。これを「ブートストラップサンプリング」と言います。それぞれの新しいデータセットは、もとのデータと同じ大きさになりますが、データの一部は重複し、一部は含まれていない状態になります。
次に、それぞれの新しいデータセットを用いて、同じ種類の学習器を個別に訓練します。こうして作られた学習器は、それぞれ異なるデータで学習しているため、異なる視点を持つことになります。
最後に、これらの学習器に同じ入力データを与え、それぞれの予測結果を得ます。そして、これらの予測結果を多数決や平均値などで集約し、最終的な予測結果とします。
このように、バギングは多様な学習器の予測結果を組み合わせることで、個々の学習器の欠点を補い合い、より正確で安定した予測を実現します。特に、訓練データのわずかな変化に大きく影響される「不安定な学習器」、例えば決定木のような学習器に対して、バギングは非常に効果的です。バギングを用いることで、予測の精度と安定性が向上し、より信頼性の高い結果を得ることができるのです。