データ中心人工知能:精度の鍵はデータ
近頃、人工知能を作る際に注目されているのが、データ中心人工知能という考え方です。これまでの人工知能作りは、例えるなら、料理を作る際にレシピばかりを改良することに力を注いでいるようなものでした。良いレシピを作れば美味しい料理が出来るはず、という考え方です。
しかし、データ中心人工知能は、同じレシピでも、食材の良し悪しで料理の味が大きく変わるように、人工知能の精度もデータの質に大きく左右されると考えます。新鮮で良質な食材を使えば美味しい料理が作れるように、高品質なデータを入力すれば人工知能の精度も良くなる、という考え方です。
つまり、人工知能の性能を高めるには、レシピ(計算方法)を改良することよりも、食材にあたるデータの質や量、管理方法を改善することが重要だというわけです。具体的には、データの不足を補ったり、誤りを正したり、偏りをなくしたり、データに含まれる情報の整理や分類を適切に行うことで、人工知能の学習効果を高めることができます。
データ中心人工知能は、膨大な量のデータが必要となる深層学習などの分野で特に重要です。データの質が低いまま人工知能を学習させても、期待する性能は得られません。まるで腐った食材で料理を作っても、美味しい料理ができないのと同じです。だからこそ、データの質を高めることに重点を置くデータ中心人工知能が、これからの人工知能開発にとって重要な鍵となるのです。