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アナログからデジタルへ:A-D変換の基礎

私たちの身の回りには、温度計の温度変化やマイクで拾う音声、写真の明るさのように、連続的に変化する量がたくさんあります。これらはアナログ信号と呼ばれます。一方、コンピュータは、0と1のデジタル信号で情報を処理します。アナログ信号をコンピュータで扱うためには、アナログ信号をデジタル信号に変換する必要があります。この変換をアナログ・デジタル変換、略してA-D変換と呼びます。 このA-D変換は、大きく分けて「標本化」「量子化」「符号化」の3つの段階で行われます。まず「標本化」では、連続して変化するアナログ信号を、まるで映画のフィルムのように、一定の時間間隔で切り取っていきます。この切り取る間隔を短くすればするほど、元のアナログ信号により近い形で記録ができます。次に「量子化」では、標本化で切り取った値を、あらかじめ決められた階段状のレベルに当てはめます。例えば、切り取った値が2.3だった場合、最も近いレベルである2に近似させます。レベルの数を増やすほど、元のアナログ信号により近い値で記録ができます。しかし、レベルの数を増やすとデータ量も増えるため、元の信号の特徴を損なわない範囲で適切なレベル数を選ぶことが大切です。最後に「符号化」では、量子化された値を、コンピュータが理解できる0と1のデジタルデータに変換します。例えば、レベルが8段階なら、0から7までの各レベルに、000から111までの2進数を対応させます。 このように、A-D変換によって、コンピュータは連続的なアナログ信号をデジタル信号に変換し、処理することが可能になります。この技術は、音声録音や画像処理など、様々な分野で広く活用されています。
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アナログからデジタルへ:A-D変換の基礎

身の回りの世界は、音や光、温度のように連続的に変化する情報であふれています。これらはアナログ情報と呼ばれます。一方、コンピュータは0と1の飛び飛びの値、つまりデジタル情報しか扱うことができません。コンピュータでアナログ情報を扱うためには、アナログ情報をデジタル情報に変換する必要があります。これをアナログ・デジタル変換、略してA-D変換といいます。 A-D変換は、大きく分けて三つの段階で行われます。最初の段階は「標本化」です。連続的に変化するアナログ情報を、まるで映画のフィルムのように、一定の時間ごとに切り取って値を取り出します。この切り取る間隔が短ければ短いほど、元のアナログ情報に忠実なデジタル情報を得ることができます。たとえば、一秒間に何回値を取り出すかを「標本化周波数」といいますが、この数値が大きいほど、より元の情報に近くなります。 次の段階は「量子化」です。標本化で取り出した値は、まだ連続的な値です。この値を、コンピュータが扱えるように、飛び飛びの値に変換します。たとえば、電圧計で測った電圧が2.3ボルトだったとして、これを最も近い2ボルトや2.5ボルトといった値に置き換える処理が量子化です。この量子化の段階で、どうしても元のアナログ情報との間に誤差が生じます。この誤差を「量子化誤差」といいます。より細かい単位で量子化を行うことで、量子化誤差を小さくすることができます。 最後の段階は「符号化」です。量子化によって得られた値を、0と1のデジタル信号に変換します。たとえば、10ボルトを「1010」というデジタル信号で表すといった具合です。こうして、アナログ情報はデジタル情報に変換され、コンピュータで処理できるようになります。A-D変換は、私たちの生活を支える様々な電子機器の中で、静かに、しかし重要な役割を果たしています。