目的達成型会話ボット
対話ロボットは、大きく分けて二つの種類に分類できます。一つは、用事を済ませることを目指した「作業指示型」です。もう一つは、とりとめのない話のように自由な会話を楽しむ「作業指示でない型」です。
作業指示型は、明確な目的を達成するために作られています。例えば、食事処の予約や商品の購入などが挙げられます。このようなロボットは、ユーザーの希望を聞き取り、必要な情報を伝え、予約や購入といった手続きを代行します。そのため、必要なやり取りだけが簡潔に行われ、目的達成までの手順が分かりやすく設計されていることが求められます。例えば、「何時のお席をご希望ですか?」「お支払いはどのようにされますか?」といった具体的な質問を投げかけ、ユーザーからの回答に基づいて処理を進めていきます。
一方、作業指示でない型は、ユーザーを楽しませたり、情報を提供したりすることを目的としています。例えば、天気やニュースの情報を伝えたり、ユーザーの趣味に関する話題で会話を続けたりします。この型のロボットは、必ずしも明確な目的を持たず、ユーザーとの自然なやり取りを重視します。そのため、ユーモアを交えたり、共感したりといった、人間らしい反応を返すことが求められます。例えば、ユーザーが「今日は疲れた」と言えば、「それは大変でしたね。何か気分転換になるようなことをしてみませんか?」といった返答をすることで、ユーザーの気持ちを和らげ、会話を続けることができます。
このように、作業指示型と作業指示でない型は、それぞれ異なる目的と働きを持ち、利用者の必要に応じて使い分けられています。作業指示型は効率性と正確さが求められる場面で、作業指示でない型は柔軟性と人間らしさが求められる場面で活躍します。今後、技術の進歩によって、さらに多様な対話ロボットが登場することが期待されます。