サポートベクトル

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機械学習

サポートベクターマシン入門

ものを分けるということは、私たちの日常に深く根付いています。例えば、洗濯物を色物と白いものに分ける、おもちゃを種類ごとに整理する、といった行動は、無意識のうちにものごとの特徴を捉え、適切な基準で分類していると言えるでしょう。分け方の基本は、まず何を基準に分けるかを決めることです。基準が明確であれば、迷うことなく作業を進めることができます。基準を決めたら、次にそれぞれのグループに属するものの特徴を捉え、共通点と相違点を見つけ出すことが重要です。 コンピュータの世界でも、この分け方の考え方は活用されています。例えば、大量のデータから特定の特徴を持つものを選び出す「サポートベクターマシン」という手法があります。これは、データの集合をまるで二つの陣地に分け隔てるかのように、境界線を引く技術です。データが二次元であれば直線、三次元であれば平面、さらに高次元になれば超平面と呼ばれる境界線を引きます。この境界線は、データの分布を最もよく分けるように計算されます。この境界線を適切な位置に配置することで、新しいデータがどちらの陣営に属するかを正確に予測することが目的です。 例えば、猫と犬の画像を分類する場合を考えてみましょう。サポートベクターマシンは、あらかじめ与えられた猫と犬の画像の特徴を学習し、猫の画像のグループと犬の画像のグループを分ける境界線を導き出します。そして、新しい画像が提示されたとき、その画像の特徴を基に、境界線のどちら側に位置するかによって、猫か犬かを判断します。この技術は、画像認識だけでなく、医療診断や迷惑メールの判別など、様々な分野で応用されています。このように、ものごとの特徴を捉え、適切な基準で分類する考え方は、私たちの生活から高度な情報処理技術まで、幅広く活用されているのです。
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サポートベクターマシン入門

分け目を最適にするというのは、まるで異なる種類の果物が混ざっているところに、上手い具合に仕切りを入れて、種類ごとに分けるような作業です。 例えば、みかんとりんごが山積みになっているとします。この時、みかんとりんごを分ける線を引くのが、分け目を決める作業です。 分け目を最適にするための方法の一つとして、支えとなるものを使った仕切り方があります。 これは、みかんとりんごの山の間に、板を立てて仕切るようなイメージです。仕切りとなる板は、ただ単にみかんとりんごを分けるだけでなく、できるだけ両方の果物から遠い場所に立てるのが重要です。 もし、仕切りがどちらかの果物に近すぎると、新しいみかんやりんごが来た時に、どちらに分類すればいいのか迷ってしまうかもしれません。 例えば、少し小さめのりんごが来た時に、仕切りが既にりんご側に寄りすぎていると、そのりんごはみかんの山に分類されてしまうかもしれません。 仕切りを最適な場所に立てることで、新しい果物が来ても、正しく分類できる可能性が高まります。 この仕切りを二次元で考えると線、三次元で考えると面になり、より高次元になると、超平面と呼ばれます。 支えとなるものを使った仕切り方は、データの分類や回帰に用いられる強力な手法であり、高次元データの分類にも対応できるため、様々な分野で活用されています。まるで、データの集団を見渡して、それぞれの集団から等距離にある最適な場所にフェンスを立てるようなイメージです。これにより、未知のデータに対しても高い分類精度を達成できます。