音響学

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フォルマント周波数とは?

私たちが日常生活で耳にする様々な音、例えば人の話し声や楽器の音などは、それぞれ違った個性を持っています。まるで生き物のように、一つとして同じ音はありません。この音の個性を形作っている要素の一つに、共鳴によって生まれる周波数帯の山の部分、言い換えると共鳴周波数があります。 この共鳴周波数は、音の色の特徴を大きく左右します。例えば、「あ」という同じ母音を考えてみましょう。話す人が変われば声の印象も変わりますし、同じ「あ」の音を違う楽器で演奏しても、聞こえ方は全く違います。これはまさに、共鳴周波数の違いによるものです。 共鳴周波数は、楽器の材質や形、人の声帯の形や声道の長さなど、様々な要因によって変化します。管楽器を例に挙げると、管の長さや太さによって共鳴する周波数が変わり、フルートやトランペットなど、楽器によって異なる音色が生まれます。人の声の場合は、声帯の厚さや長さ、そして舌や唇の形を変えることで声道の形が変化し、共鳴周波数が調整されます。 このように、音源によって共鳴周波数が変化することで、様々な音色が生まれます。まるで絵の具のパレットのように、豊富な色の種類があることで、美しい絵が描けるように、微妙な周波数の違いが、音の豊かさや多様性を生み出し、私たちの世界を彩っていると言えるでしょう。この共鳴周波数の違いを意識して音を聞くと、今まで以上に音の奥深さや面白さを楽しむことができるかもしれません。
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フォルマント周波数入門

私たちは、言葉を話す時、口や喉、舌の形を微妙に変えながら様々な音を発生させています。この形を変えることによって、声の通り道である声道の中で、特定の音の高さ、つまり周波数の音が響きやすくなります。この響きやすい周波数のことを、共振周波数と言います。そして、声道で共鳴して特に強く響く周波数のことをフォルマント周波数と言い、これが私たちの声の音色の特徴を大きく左右します。 フォルマント周波数は、一人ひとり異なり、まるで声の指紋のようなものです。同じ人であっても、「あ」「い」「う」といった母音を言う時では、それぞれ異なったフォルマント周波数が現れます。例えば、「あ」と言う時は、比較的低い周波数に第一フォルマントと第二フォルマントが現れます。一方、「い」と言う時は、第一フォルマントは低い周波数ですが、第二フォルマントは高い周波数に現れます。このように、第一フォルマントと第二フォルマントの周波数の組み合わせが、それぞれの母音の音色の違いを生み出しているのです。私たちはこのフォルマント周波数の違いによって、様々な母音を聞き分けているのです。 また、フォルマント周波数は声道の長さや形にも影響されます。子供の声が高いのは、声帯が短く、共振周波数が高いためです。これは、管楽器を思い浮かべると分かりやすいかもしれません。短い笛は高い音が出ますし、長い笛は低い音が出ます。それと同様に、声帯が短いと高い声になり、長いと低い声になるのです。また、大人でも男性と女性の声が違うのは、声道の長さや太さがフォルマント周波数に影響を与えているためです。男性は一般的に女性よりも声道が長く太いため、低い声になりやすいのです。このように、フォルマント周波数は、私たちの声を個性豊かにする重要な要素と言えるでしょう。