テンプレートマッチで画像を探す
型紙合わせと例えられる「テンプレートマッチ」は、まるで部屋の中から特定の物を探すように、画像の中から特定の図形を見つける技術です。この探し物に相当するのが「テンプレート」と呼ばれるもので、いわば探し物の型紙です。そして、部屋に相当するのが「対象画像」で、探し物をする場所です。
この技術は、テンプレートを対象画像の上で少しずつ移動させながら、最もよく似た場所を探し出すことで、探し物がどこにあるのかを特定します。ちょうど、透明な型紙を対象画像の上に重ね、型紙を少しずつずらして一番ぴったり合う場所を探すようなものです。一致度が高いほど、探し物がその場所に存在する可能性が高いと判断できます。
この技術は、様々な場面で役に立っています。例えば、工場の製造工程では、製品の外観検査に利用されます。正常な製品の画像をテンプレートとして登録しておき、製造された製品の画像と比較することで、傷や汚れといった欠陥を自動的に見つけることができます。人の目では見逃してしまうような小さな欠陥でも、コンピュータなら確実に見つけることができます。また、検査にかかる時間も大幅に短縮できます。
医療の分野でも、この技術は活躍しています。例えば、患者のレントゲン写真やCT画像から、特定の臓器や病変を見つけるために利用されます。健康な臓器の画像や、特定の病気の兆候を示す画像をテンプレートとして登録しておき、患者の画像と比較することで、病気の有無や進行具合をより正確に診断することができます。
このように、テンプレートマッチは、画像認識においてなくてはならない重要な技術となっています。様々な分野で活用され、私たちの生活を支えています。