演算子

記事数:(1)

アルゴリズム

逆ポーランド記法:計算式の新しい書き方

私たちが普段何気なく使っている計算式は、足す、引く、掛ける、割るといった計算記号を数字と数字の間に置く方法で書いています。これを中置記法と言います。例えば、「1足す2掛ける3」のような式を見た時、皆さんはどのように計算するでしょうか?1と2を足してから3を掛けるのか、それとも2と3を掛けてから1を足すのか、迷う方もいるかもしれません。このような曖昧さを取り除くために、私たちは括弧を使ったり、掛け算や割り算を先に計算するという計算の順序の決まりを覚えたりする必要があります。 しかし、計算式を書く方法には、他にもあります。逆ポーランド記法と呼ばれるその書き方では、計算記号を数字の後ろに置きます。先ほどの「1足す2掛ける3」という式を逆ポーランド記法で書くと、「1 2 3 掛ける 足す」となります。この書き方では、計算記号は常に直前の二つの数字に対して作用します。つまり、「3 掛ける」は直前の2と3に対して掛け算を行い、その結果の6とさらに直前の1に対して「足す」という計算を行うことになります。このように、逆ポーランド記法では計算の順序が明確に決まるため、括弧や計算の順序の決まりを考える必要がなくなります。 この逆ポーランド記法は、計算機にとって非常に処理しやすいという利点があります。中置記法では、括弧や計算の順序を考慮した複雑な処理が必要になりますが、逆ポーランド記法では、数字と記号を順番に読み込んでいくだけで簡単に計算することができます。これはプログラムの処理速度の向上や、計算機内部の回路の簡素化に繋がり、ひいては省電力化にも貢献します。そのため、一見分かりづらい逆ポーランド記法ですが、計算機の世界では重要な役割を担っているのです。