機械学習アルゴリズム

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単語の袋詰め:Bag-of-Wordsモデル

「単語の袋詰め」という聞き慣れない言葉を説明しましょう。これは、文章を理解し、その特徴を捉えるための手法の一つです。まるで大きな袋に、文章で使われている言葉を一つずつ入れていく様子を想像してみてください。この袋の中身は、どんな言葉がいくつ入っているかという情報だけが重要になります。言葉の並び順や、文の繋がり、文章全体の意味などは考えません。袋の中身を言葉の種類と数だけで判断する、これが単語の袋詰めの基本的な考え方です。 例えば、「太陽が空に輝き、鳥が歌う。」と「鳥が歌い、太陽が空に輝く。」という二つの文章を考えてみましょう。単語の袋詰めの考え方では、これら二つの文章は同じものとみなされます。なぜなら、使われている言葉の種類と数は全く同じだからです。「太陽」「が」「空」「に」「輝き」「鳥」「歌う」「。」がそれぞれ一つずつ、どちらの袋にも入っている状態です。言葉の順番が入れ替わっても、袋の中身は変わらないのです。 このように、単語の袋詰めは、文章の細かい部分の違いを無視し、使われている言葉の種類と数だけに注目します。この単純さが、この手法の大きな特徴です。膨大な量の文章を扱う場合や、細かい文脈の違いを気にしなくて良い場合に、この手法は特に力を発揮します。例えば、あるテーマに関する大量の文章を分析し、そのテーマに関連する言葉を見つけ出したい場合などに役立ちます。しかし、言葉の順番や文脈が重要な場面では、この手法は適切ではありません。例えば、皮肉や比喩表現など、言葉の並び順や文脈によって意味が大きく変わる表現を理解することは、単語の袋詰めでは難しいでしょう。
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ウォード法:データの集まりを作る賢い方法

ウォード法は、たくさんの情報から似た特徴を持つものの集まり(集団)を見つける方法です。階層的集団化と呼ばれる方法の一つで、情報の散らばり具合を最も小さくするように集団を作っていきます。 まず、全ての情報を一つ一つの集団として扱います。まるで、一人ひとりが独立した小さなグループのようですね。次に、どの集団同士を組み合わせると全体の散らばりが一番小さくなるかを計算します。例えば、東京都に住んでいる人、大阪府に住んでいる人、北海道に住んでいる人という三つの集団があったとします。東京都と大阪府の集団を組み合わせた場合の散らばり具合と、東京都と北海道の集団を組み合わせた場合の散らばり具合を計算し、より散らばりが小さくなる方を選びます。 最も散らばりが小さくなる組み合わせの集団を一つにまとめます。この手順を何度も繰り返すことで、最終的に目的の数の集団にまとめ上げます。三つの集団を一つにまとめることも、十個の集団を三つにまとめることも可能です。 ウォード法の特徴は、それぞれの段階で最も散らばりが小さくなるように集団を結合していくことです。そのため、似た性質の情報がきれいにまとまりやすいです。例えば、同じ趣味を持つ人々が自然と一つの集団になるように、データも似た者同士で集まるのです。 この方法は、情報の分布を図表などで分かりやすく把握しやすく、情報同士のつながりを理解するのに役立ちます。例えば、顧客の購買履歴を分析することで、どのような商品が一緒に買われているか、顧客の年齢や地域によってどのような購買傾向があるかを明らかにすることができます。このように、ウォード法は様々な分野で活用できる強力な情報分析手法と言えるでしょう。
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決定木学習:データ分析を分かりやすく

決定木学習とは、木構造を用いて予測を行う機械学習の手法です。まるで樹木の枝が分かれるように、データの特徴に基づいて段階的に判断を繰り返すことで、最終的な予測結果を導き出します。 例えるなら、ある果物が何かを当てるゲームを考えてみましょう。まず「色は赤いですか?」と質問し、「はい」であれば「形は丸いですか?」とさらに質問します。このように、簡単な質問を繰り返すことで、最終的にリンゴやイチゴといった具体的な果物を特定できます。決定木学習もこれと同じように、データの特徴を質問に見立て、その答えに基づいて予測を行います。 決定木学習のメリットは、その分かりやすさにあります。木の構造は視覚的に理解しやすく、どの特徴が予測に大きく影響しているかを把握しやすいです。また、計算過程も比較的単純なため、計算に時間がかからず、大規模なデータにも適用できます。さらに、数値データだけでなく、色や形といった質的データも扱うことができます。 この手法は、様々な分野で活用されています。例えば、顧客の購買履歴から将来の購買行動を予測する、患者の症状から病気を診断する、商品の需要を予測するなど、応用範囲は非常に広いです。 決定木学習は、データ分析の入門としても最適です。複雑な数式を理解していなくても、木の構造を理解することで基本的な仕組みを把握できます。また、分析結果の解釈も容易であるため、データ分析の初心者にとって、最初のステップとして最適な手法と言えるでしょう。
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学習の最適化: AdaDelta

機械学習は、まるで人間のように機械に学習させる技術です。学習をうまく進めるためには、機械学習モデルの調整つまみを適切に設定する必要があります。この調整作業は最適化と呼ばれ、様々な手法が存在します。 最適化手法の一つに、勾配降下法と呼ばれるものがあります。これは、山の斜面を下るように、最も低い地点(最適な設定値)を探し出す方法です。しかし、勾配降下法は、どの程度の大きさで一歩ずつ進むか(学習率)を適切に設定する必要があります。適切な学習率を設定しないと、最適な地点を見つけるまでに時間がかかったり、最適な地点を通り過ぎてしまったりする可能性があります。 そこで、AdaDeltaと呼ばれる手法が登場しました。AdaDeltaは勾配降下法を改良した手法で、学習率を自動的に調整することができます。これにより、人手で学習率を設定する手間が省け、より効率的に最適な設定値を見つけることができます。具体的には、AdaDeltaは過去の勾配の情報を蓄積し、その情報に基づいて学習率を調整します。 AdaDeltaは、過去の勾配情報を用いることで、振動を抑えながら安定して最適な設定値に近づくことができます。また、学習率を自動的に調整するため、様々な種類の機械学習モデルに適用できます。このように、AdaDeltaは効率的で安定した最適化手法として注目されています。
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情報検索における重要語句抽出:tf-idf

「概念」とは、物事の本質や共通の特徴を抽象的に捉えた考え方のことです。例えば、「犬」という概念は、様々な種類、大きさ、色の犬に共通する特徴を抽出したものです。柴犬、プードル、ゴールデンレトリバーなど、個々の犬はそれぞれ違いますが、私たちは皆、それらを「犬」という一つの概念で理解しています。 今回扱う「概念」は、文章の中で使われている言葉の重要度を測る方法の一つである「TF-IDF」です。これは、情報を探す時や、文章の内容を分析する時などによく使われます。TF-IDFは、二つの要素を組み合わせて、ある言葉が特定の文章にとってどれほど重要かを判断します。 一つ目の要素は、その言葉が一つの文章の中で何回出てくるかという「頻度」です。ある言葉が一つの文章の中で何度も出てくるとしたら、その言葉はその文章の内容をよく表していると言えるでしょう。例えば、「宇宙」という言葉を何度も使う文章は、おそらく宇宙に関する内容でしょう。 しかし、頻度だけでは不十分です。例えば、「です」「ます」のような言葉は、どんな文章にもよく出てきますが、これらの言葉は、特定の文章の内容を表しているとは言えません。そこで、TF-IDFは二つ目の要素を考慮します。 二つ目の要素は、その言葉がどれだけの数の文章で使われているかという「希少性」です。多くの文章で使われている言葉は、一般的な言葉であり、特定の文章の特徴を表すとは言えません。逆に、特定の少数の文章でしか使われていない言葉は、その文章の内容を特徴づけている可能性が高いです。例えば、「量子もつれ」という言葉は、物理学の専門的な文章でしか使われないでしょう。 TF-IDFは、この頻度と希少性を組み合わせて計算されます。ある言葉が特定の文章の中で何度も出てきて、かつ、他の文章ではあまり使われていない場合、その言葉のTF-IDF値は高くなります。つまり、TF-IDF値が高い言葉は、その文章にとって重要な言葉である可能性が高いと言えるのです。