命令実行

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ハードウエア

プログラムレジスタ:命令の流れを司る

計算機は、あらかじめ決められた手順に従って様々な処理を行います。この手順書に相当するのがプログラムです。プログラムは命令の集まりであり、計算機はこれらの命令を一つずつ実行していきます。プログラムを実行する際、次にどの命令を実行すべきかを示す重要な役割を担うのがプログラムレジスタです。 プログラムレジスタは、膨大な命令群の中から、現在実行中の命令の直後に実行すべき命令を指し示す、いわば指示棒のような役割を果たします。これにより、プログラムの流れが正しく制御されます。レジスタとは、計算機内部にある記憶場所の一種であり、情報を一時的に保管しておくことができます。特徴として、アクセス速度が非常に高速であることが挙げられます。プログラムレジスタもレジスタの一種であり、常に次の命令が格納されている記憶場所の番地を保持しています。この番地を「アドレス」と呼びます。計算機は、プログラムレジスタが保持するアドレスを参照することで、次に実行する命令を迅速に取り出すことができます。このように、プログラムレジスタは計算機が滞りなく処理を進める上で欠かせない役割を担っています。 プログラムレジスタは、計算機の中核部分である中央処理装置(CPU)の内部に存在します。プログラムの実行において中心的な役割を担っており、プログラムレジスタが正常に動作しなければ、計算機はどの命令を実行すべきか分からなくなってしまいます。結果として、プログラムを正しく実行することができなくなります。プログラムレジスタは、プログラムを正しく実行するために必要不可欠な要素なのです。 計算機は、プログラムレジスタが指し示す命令を実行した後、プログラムレジスタの値を更新し、次の命令のアドレスを格納します。この動作を繰り返すことで、プログラムは順次実行されていきます。分岐命令や繰り返し命令など、プログラムの流れを変える命令の場合には、プログラムレジスタの値が変更され、指定されたアドレスの命令が次に実行されます。このように、プログラムレジスタはプログラムの流れを制御する上で極めて重要な役割を担っています。
アルゴリズム

パイプライン制御で処理を高速化

計算機の中枢である処理装置は、様々な命令を次々と実行することで仕事をこなします。その命令処理のやり方には様々な工夫があり、パイプライン制御もその一つです。パイプライン制御とは、複数の命令をまるで流れ作業のように、同時並行で処理する技術のことを指します。 例として、工場の組み立てラインを想像してみましょう。製品が完成するまでには、部品の取り付け、塗装、検査など、様々な工程が必要です。もし、一つの工程が完了するまで次の工程に進めない、昔ながらのやり方だとどうなるでしょうか。部品の取り付けが終わるまで塗装工程は待機し、塗装が終わるまで検査工程も待機しなければなりません。各工程は前の工程が終わるまで手持ち無沙汰になってしまうのです。 パイプライン制御では、この待ち時間を有効活用します。各工程を同時並行で進める工夫を取り入れるのです。部品の取り付けが終わった製品はすぐに塗装工程に進み、それと同時に、別の製品の部品取り付けを行うことができます。まるで、流れ作業のように、各工程が途切れることなく稼働し続けるのです。 このように、複数の命令を同時に処理することで、全体の処理時間を大幅に短縮することが可能になります。一つの命令を処理するのにかかる時間は変わらなくても、複数の命令を同時進行で処理することで、全体としての処理能力は向上するのです。これは、計算機の性能向上に大きく貢献しており、現在の高速な計算機を実現する上で欠かせない技術となっています。パイプライン制御によって、私たちは快適に計算機を利用できていると言えるでしょう。