ソフトウェア開発

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アルゴリズム

べき等:複数回でも結果は同じ

コンピュータや情報処理の世界では、様々な命令や処理が実行されます。これらの処理の中には、一度行えば何度繰り返しても同じ結果になるものがあります。例えば、電灯のスイッチを一度押すと点灯し、もう一度押すと消灯します。これをもう一度押すと再び点灯します。しかし、ある特定の階のエレベーターを呼ぶボタンを押した場合を考えてみましょう。一度押せばエレベーターはその階に来るように指示されます。その後、何度同じ階のボタンを連打しても、エレベーターが来るという結果は変わりません。既に指示が出されているからです。このような、操作を何度繰り返しても結果が変わらない性質のことを「べき等」といいます。 べき等は、システム開発において非常に重要な概念です。例えば、インターネットを通じて商品を注文する場合を想像してみましょう。注文ボタンを誤って何度もクリックしてしまうかもしれません。もし、この操作がべき等でない場合、同じ商品が複数回注文されてしまう可能性があります。しかし、注文処理がべき等であれば、最初のクリックで注文が確定し、以降のクリックはシステムに影響を与えません。これにより、予期せぬ重複注文を防ぎ、顧客と販売者双方にとって安全な取引を実現できます。 また、システムの障害からの復旧時にもべき等は役立ちます。もし、システム障害で処理が中断された場合、復旧後に同じ処理を再実行する必要があります。この時、処理がべき等であれば、再実行によって意図しない副作用が生じる心配がありません。安心して復旧作業を進めることができます。 べき等は、一見単純な概念ですが、システムの安定性や信頼性を高める上で非常に重要な役割を果たしています。システム設計者は、処理のべき等性を意識することで、より堅牢で安全なシステムを構築することが可能になります。この概念を理解し、適切に適用することで、より信頼性の高い情報システムを実現できるのです。
その他

ライブラリ活用で開発効率アップ

道具箱のようなもの、それがライブラリです。料理でいうと、砂糖や塩、醤油といったよく使う調味料や、刻んでおいた野菜などの下ごしらえ済みの食材をまとめて保管しておく場所、まさにそんな存在です。 何か料理を作ろうとした時、毎回一から材料を揃えて、下ごしらえから始めるのは大変な労力と時間がかかりますよね。もし、必要なものがすぐ使える状態になっていれば、どれほど楽になるでしょうか。プログラム開発の世界でも同じことが言えます。プログラムを作る際に、すべての機能を毎回ゼロから作るのは、大変な手間と時間がかかります。そんな時、ライブラリがあれば、既に誰かが作って検証済みの便利な機能を、まるで調味料を使うように簡単にプログラムに取り込むことができます。 例えば、画面に文字を表示する機能や、計算を行う機能、インターネットに接続する機能など、様々な機能がライブラリとして提供されています。これらを活用することで、開発者は開発効率を大きく向上させることができます。 自動車を製造する工程を想像してみてください。タイヤやエンジンを、毎回部品メーカーではなく、自動車メーカーが自社で設計・製造していたら、とてつもない時間と費用がかかってしまいますよね。普通は、専門の部品メーカーが作った高品質な部品を活用します。プログラム開発の世界でも同様に、ライブラリという既に完成された部品を活用することで、開発者は新たな機能やより複雑な応用の実現に集中できます。これは、開発にかかる費用を抑え、より早く、より効率的に仕組みを作り上げる上で、非常に重要な役割を果たします。ライブラリは、プログラム開発を支えるなくてはならない存在なのです。
その他

アクティビティ図入門

人が何かを行う時、手順を踏みます。物事をうまく進めるには、この手順を整理し、関係者全員で理解することが大切です。アクティビティ図は、このような手順、つまり活動を視覚的に表すための図です。システム開発や業務の進め方を図解する際に用いられます。 これは、統一モデリング言語(UML)と呼ばれる図式表現方法の一つです。複雑な手順も、分岐や並行処理なども、分かりやすく表現できます。例えば、商品の注文から発送まで、顧客からの問い合わせ対応、システム内部のデータ処理など、様々な活動を描けます。 アクティビティ図を使う一番の利点は、業務の流れを見えるようにすることです。流れが明らかになると、関係者全員が同じように理解できます。システム設計を明確化し、開発担当者と利用者の認識のずれを防ぎます。また、会議などで図を用いて説明することで、参加者間の認識を合わせ、スムーズな議論を進めることができます。 さらに、アクティビティ図は、問題点や改善点を見つけるのにも役立ちます。図示することで、手順の無駄や非効率な箇所が明らかになることがあります。例えば、複数の担当者が同じ作業を重複して行っている、あるいは、手順が複雑すぎて時間がかかりすぎているといった問題点が発見できるかもしれません。こうして見つかった問題点を基に、業務プロセスを改善し、より効率的に作業を進めることができます。つまり、アクティビティ図は、現状を把握し、より良い方法を考えるためのツールとして活用できるのです。
ビジネスへの応用

手軽な開発:ローコード/ノーコード

近ごろの技術の進歩は目覚しく、暮らしのあらゆる場面で新しい機器や仕組が使われるようになりました。これらを支えているのは、高い技術を持つ仕組みを作る人達です。しかし、需要の増加とは裏腹に、作る人材の数は常に不足しており、会社は優秀な人の確保に苦労しています。この深刻な人材不足は、新しい機器や仕組み作りを遅らせ、会社の成長を妨げる大きな原因となっています。 これまでの作り方では、専門的な知識と経験を持つ人が複雑な記号を書き並べる必要がありました。これは時間と費用がかかるだけでなく、必要な人材を確保することも難しいという問題を抱えていました。複雑な記号を理解し、使いこなせる人は限られています。また、一人を育てるのにも多くの時間と費用がかかるため、会社にとって大きな負担となっていました。さらに、技術の進歩は速く、常に新しい知識や技術を学ぶ必要があり、人材育成はさらに困難になっています。 このような問題を解決する方法として、手軽に仕組みを作れる道具が注目を集めています。これらの道具は、専門的な知識がなくても、視覚的な操作で簡単に仕組みを作れるように設計されています。記号を書き並べる代わりに、部品を組み合わせるようにして作れるので、開発にかかる時間と費用を大幅に削減できます。また、専門家ではない人でも簡単に使えるようになるため、人材不足の問題も解消できると期待されています。誰でも簡単に仕組みを作れるようになれば、新しい発想や工夫が生まれやすくなり、技術革新をさらに加速させる可能性を秘めています。今まで技術的な壁に阻まれていた人たちも、自分の思い描く仕組みを自由に作れるようになり、様々な分野で新しいサービスや商品が生まれることが期待されます。
その他

ライブラリ活用で開発効率アップ

道具箱のようなもの、それが「ライブラリ」です。プログラムを作る際に役立つ、様々な部品をまとめて保管している場所と言えるでしょう。例えば、画面に文字を表示する、計算を行う、インターネットと接続するといった、よく使う機能が、既に用意されています。 料理に例えると、下ごしらえ済みの食材や、合わせ調味料のようなものです。一から野菜を切ったり、調味料を調合したりする手間を省き、すぐに料理に取り掛かることができます。プログラム開発でも同じように、ライブラリを使うことで、誰かが既に作って検査済みの部品を、手軽に利用できます。そのおかげで、開発にかかる時間を大幅に減らし、作業の効率を高めることができます。 ライブラリには、大きく分けて二つの種類があります。一つは、特定のプログラミング言語専用のライブラリです。これは、特定の言語でしか使えない部品を集めたものです。もう一つは、様々な言語で使える汎用的なライブラリです。こちらは、多くの言語で共通して使える部品を集めています。 ライブラリを使う利点は、開発時間の短縮だけでなく、プログラムの質を高めることにも繋がります。ライブラリに含まれる部品は、多くの利用者によって既に検査されているため、信頼性が高いと言えるでしょう。自分で一から作るよりも、バグ(プログラムの誤り)が少なく、安定した動作が期待できます。 「車輪の再発明」という言葉があります。既に存在するものを、再び一から作り直す無駄な行為を指します。ライブラリは、この無駄を省き、より効率的に、より高品質なプログラムを作るための、重要な道具と言えるでしょう。
ビジネスへの応用

AI・データ契約ガイドライン解説

経済産業省が発表した『人工知能と情報の活用に関する契約の手引き』は、人工知能と情報活用に関する契約の型を提供するだけにとどまりません。円滑な計画実行のための指針も示しています。この手引きは、人工知能開発を評価、実証実験、開発、追加学習という四つの段階に分け、それぞれの段階に最適な契約の方式と計画管理手法を示すことで、関係者間の認識の違いを防ぎ、開発を円滑に進めることを目指しています。 まず、評価段階では、実現可能性の調査や必要となる情報の確認等を行い、基本的な合意を形成することが重要です。この段階では、費用負担や秘密保持に関する取り決めを明確にする必要があります。次に、実証実験段階では、小規模な試験を通して人工知能の性能や課題を検証します。この段階では、実証実験の範囲や評価指標、知的財産権の帰属等について詳細に契約内容を定めることが重要となります。 そして、開発段階では、本格的な人工知能の構築が始まります。この段階では、開発の進捗管理や品質保証、責任範囲等について明確な取り決めが必要です。最後に、追加学習段階では、運用開始後も継続的に性能向上を図るため、新たな情報の収集や学習を行います。この段階では、追加学習の方法や費用負担、データの提供方法等に関する取り決めが必要です。 特に、人工知能開発において情報は非常に重要です。この手引きでは、情報の権利関係や利用範囲を明確にするための契約条項についても詳しく説明されています。例えば、情報の所有権、利用目的の制限、第三者への提供の可否、秘密保持義務等、様々な観点から情報の取り扱いについて規定することが必要です。このように、この手引きは、人工知能開発における契約や計画管理の実務に役立つ情報を提供し、人工知能技術の普及と発展に貢献することが期待されます。
言語モデル

コード生成AIツール「CodeLlama」

情報の集約や整理といった作業を自動化できる人工知能技術は急速に発展し、様々な分野で活用されています。その中でも、文章の組み立てや翻訳、要約などを行う大規模言語モデルは、近年特に注目を集めています。アメリカのメタ社が2023年8月に公開した「コードラマ」は、この大規模言語モデルを応用し、プログラムのコードを自動生成する画期的な人工知能ツールです。このツールは、同じくメタ社が開発した大規模言語モデル「ラマ2」を土台として作られています。「ラマ2」は、膨大な量の文章情報を学習し、様々な文章作成を支援する能力を持っています。これを基盤とする「コードラマ」は、「ラマ2」の文章理解能力を活かし、与えられた指示に基づいてプログラムのコードを自動的に書き出すことができます。例えば、「カレンダー機能を持つアプリを作りたい」と指示すれば、「コードラマ」は必要なコードを自動的に生成します。これは、プログラミング作業を大幅に効率化し、開発者の負担を軽減する大きな効果が期待されます。また、「コードラマ」はオープンソースとして公開されているため、誰でも自由に利用・改良できます。誰でも使えるということは、世界中の人々が改良に参加し、技術革新を加速させられる点で大きな意味を持ちます。多くの開発者がこのツールを活用し、改良していくことで、プログラミングの世界に新たな可能性が開かれると期待されています。「コードラマ」は、プログラミングの効率化だけでなく、これまで難しかった複雑なプログラムの開発も容易にする可能性を秘めています。人工知能技術の進化によって、私たちの生活は今後ますます便利で豊かになっていくでしょう。
WEBサービス

コード生成AIで楽々プログラミング

人工知能を使って、コンピュータプログラムの設計図を自動で作る技術のことを、コード生成人工知能といいます。開発者は、人間が普段使う言葉で指示を出すだけで、人工知能が自動的に設計図を書いてくれるので、開発のスピードが格段に上がると期待されています。 これまでのプログラム作りでは、開発者は全ての設計図を自分で手書きする必要がありました。これはとても時間のかかる作業で、特に複雑なプログラムを作る場合は、たくさんの苦労が必要でした。コード生成人工知能の登場で、このような状況は大きく変わりつつあります。開発者は設計図の細かい部分に気を取られることなく、プログラム全体の設計や、実現したい機能に集中できるので、より独創的な開発活動ができるようになります。 また、コード生成人工知能は、プログラム作りを始めたばかりの人にとっても心強い道具となります。経験の浅い開発者でも、人間が普段使う言葉で指示を出すだけで、高度なプログラムを作ることができるので、プログラム学習の難しさを大きく減らすことができると期待されます。 さらに、コード生成人工知能は、すでに存在する設計図の修正や改善にも役立ちます。例えば、誤りの修正や、性能の改善などを自動的に行うことができるので、開発者はより能率的に作業を進めることができます。 このように、コード生成人工知能は、プログラム作りの方法を大きく変える可能性を持った、革新的な技術と言えるでしょう。
クラウド

クラウドネイティブとは?その利点と課題

{近頃、情報通信の分野で「雲原生」という言葉をよく見聞きするようになりました。この言葉は、ただ雲の働きを使う以上の意味合いを含んでいます。{具体的には、計算機処理や役務の開発、運用、提供に至るまで、雲の持ち味を最大限に生かすという考え方のことです。}従来の仕組み作りとは異なる、{新たな発想の転換と言えるでしょう。}この概念をきちんと理解することで、企業は競争力を高め、めまぐるしく変わる市場の状況にうまく対応できるようになります。 従来の仕組み作りでは、大型計算機や自社で管理する計算機群に処理を集中的にさせていました。しかし、雲原生では、処理を多数の小型計算機に分散させ、必要に応じて柔軟に規模を調整することが可能です。これにより、資源を効率的に使い、無駄を省くことができます。また、開発速度の向上や利用者の変化への迅速な対応も可能となります。インターネットを通して役務を提供する際に、利用者の急増にも柔軟に対応できるため、安定した役務提供を実現できます。 {雲原生には多くの利点がある一方で、いくつかの課題も存在します。}例えば、安全対策の確保や様々な技術の習得、運用管理の複雑化などが挙げられます。安全対策については、情報資産を守るための対策を徹底する必要があります。技術面では、従来とは異なる技術や手法を学ぶ必要があり、担当者の育成が重要となります。また、分散された仕組みを管理するため、従来よりも複雑な運用管理が必要となります。これらの課題を解決するためには、新たな技術や知識の習得、組織体制の整備などが求められます。 {今後、情報通信の世界はますます雲中心へと移行していくと考えられます。}それに伴い、雲原生の重要性はさらに高まるでしょう。企業は、雲原生の概念を理解し、その利点と課題を踏まえた上で、自社の状況に合った戦略を立てることが重要です。そうすることで、変化の激しい市場環境においても生き残り、成長を続けることができるでしょう。
ビジネスへの応用

オフショア開発で成功するための秘訣

オフショア開発とは、国内の会社が持つ仕組や道具作りの仕事を、海の向こうの会社に任せる方法のことです。具体的には、設計図作りや、命令文の書き込み、試し使いといった作業の全部、あるいは一部を、海外にある開発拠点に任せることで、作るための費用を抑えたり、作るのにかかる時間を短くしたりすることを目指します。 近ごろは、情報技術の進歩や世界規模での交流の広まりとともに、オフショア開発は多くの会社にとって大切な作戦となっています。世界のあちこちに開発の拠点を置くことで、時差を利用して一日中作業を続けることや、特定の技術に優れた人を確保するといった利点も得られます。例えば、日本の昼間はアメリカの夜なので、日本の会社がアメリカの会社に仕事を依頼すれば、24時間体制で開発を進めることができます。また、ある国では特定の技術に秀でた人が多い場合、その国に開発拠点を置くことで、より専門性の高い開発を行うことが可能になります。 しかし、オフショア開発をうまく進めるためには、文化や言葉の違い、意思疎通の難しさ、品質管理の徹底など、様々な問題を乗り越える必要があります。文化の違いによって、仕事の進め方や考え方に違いが生じることもあります。また、言葉の壁によって、正確な指示や報告が難しくなる場合もあります。さらに、遠く離れた場所で開発が行われるため、品質をしっかりと管理する仕組みを作ることも重要です。これらの課題を解決するためには、密な連絡を取り合う体制を整えたり、文化や言葉の違いを理解するための研修を実施したりするなど、事前の準備と継続的な努力が欠かせません。
その他

統合開発環境:開発を加速するIDE

プログラムを作る作業は、家を建てる作業に似ています。家を建てるには、設計図、木材、釘、金槌、のこぎりなど、様々な道具が必要です。同様に、プログラムを作るにも、様々な道具が必要です。これらの道具を一つにまとめた便利な道具箱が、統合開発環境です。 統合開発環境は、略して開発環境とも呼ばれます。これは、プログラムを作るための様々な道具、つまり機能を、一つの場所に集めたものです。例えば、プログラムの設計図にあたるソースコードを書くための編集機能、書いたソースコードの間違いを見つけるための検査機能、ソースコードを実行可能な形に変換する翻訳機能、プログラムの動きを確認するための実行機能、そして、プログラムの誤りを修正するための修正機能などがあります。これらの機能が連携して働くことで、プログラム作成作業を効率的に進めることができます。 開発環境を使う利点は、作業効率の向上です。必要な道具が全て揃っているので、道具を探す手間が省けます。また、それぞれの道具が連携して動くため、作業がスムーズに進みます。例えば、ソースコードを書いている途中で誤りがあれば、すぐに検査機能で確認できます。誤りがあれば、その場で修正機能を使って修正できます。このように、開発環境を使うことで、プログラム作成作業全体をスムーズに進めることができます。 家を建てる際に、大工道具が整理されていなければ、作業効率が落ちてしまいます。同様に、プログラムを作る際にも、必要な道具が整理されていなければ、作業効率が落ちてしまいます。開発環境は、プログラム作成に必要な道具を整理整頓し、効率的にプログラムを作成できるようにしてくれる、まさにプログラマーにとっての便利な道具箱と言えるでしょう。
その他

アジャイル開発:迅速で柔軟な開発手法

近ごろ、情報の技術はとても速く進歩しています。そのため、機械仕掛けや柔らかな道具を作る現場では、変化に素早く対応し、しなやかに動くことが求められています。昔ながらの作り方では、はじめに立てた計画に基づき、長い時間をかけて作ることが普通でした。しかし、変化の激しい今の時代には、このやり方では対応が難しくなっています。そこで注目を集めているのが、すばしっこい作り方、すなわちアジャイル開発です。 アジャイル開発とは、短い期間で作ったものと試しを何度も繰り返すことで、変化への対応能力と作る速さを高める方法です。まるで、小さなかけらを幾つも重ねて大きな像を形作るように、少しずつ完成へと近づけていきます。変化の激しい今の時代の現場に最適な作り方と言えるでしょう。 従来の作り方では、全ての計画を最初に決めてから作業を始めます。しかし、アジャイル開発では、大まかな目標だけを決めて、細かい部分は作りながら調整していきます。そのため、途中で状況が変わっても、柔軟に対応することができます。また、短い期間で試しを繰り返すため、作ったものが本当に求められているものかを確認しながら進めることができます。 アジャイル開発には様々な種類がありますが、どれも共通しているのは、人と人との繋がりを大切にするということです。開発する人と使う人が密に話し合いながら進めることで、より良いものを作り上げることができます。 アジャイル開発は、現代の開発現場が抱える様々な問題を解決する、一つの有効な手段です。変化への対応、開発の速さ、使う人の満足度を高める上で、アジャイル開発は大きな役割を果たすでしょう。
WEBサービス

CRUDとは?システムの基本操作を理解する

情報の記録や管理を行うあらゆる仕組みにおいて、基本となる4つの操作があります。これをまとめてCRUDと呼びます。これは「作る(Create)」「読む(Read)」「書き換える(Update)」「消す(Delete)」のそれぞれの動作の頭文字を繋げた言葉です。 まず「作る」は、新しく情報を加える操作です。例えば、買い物リストに新しい品物を書き加える、住所録に新しい連絡先を登録する、といった操作がこれにあたります。システムによっては「追加」と呼ばれることもあります。 次に「読む」は、記録されている情報を見る操作です。買い物リストで買う品物を確認する、住所録で特定の人の連絡先を探す、といった操作が該当します。「検索」や「表示」といった言葉で表現されることもあります。 そして「書き換える」は、既に存在する情報を変更する操作です。買い物リストで品物の数量を変更する、住所録で住所や電話番号を更新する、といった操作がこれにあたります。「修正」と呼ばれることもあります。 最後に「消す」は、記録されている情報を削除する操作です。買い物リストから不要になった品物を消す、住所録から不要になった連絡先を削除する、といった操作が該当します。システムによっては「除去」という言葉を使うこともあります。 小さな手帳への記録から、巨大な情報管理システムまで、ほぼ全てのシステムでCRUDの考え方が使われています。扱う情報の種類やシステムの大きさに関係なく、情報を適切に管理するために、CRUDはなくてはならない重要な考え方と言えるでしょう。