サイバー攻撃の7段階:キルチェーン
近頃、情報技術の進歩とともに、不正アクセスや情報漏えいなどの問題が深刻化しています。巧妙で複雑なやり方で仕掛けてくるため、多くの会社や団体にとって大きな悩みの種となっています。このような状況の中、そうした攻撃から身を守るには、相手のやり方をきちんと理解し、適切な対策を立てることが大切です。そこで役に立つのが「攻撃連鎖」という考え方です。これは、攻撃者が目的を達成するまでの一連の行動を7つの段階に分けて説明したものです。この考え方を使うことで、攻撃者の狙いや行動を予測し、効果的な防御策を練ることができます。
まず、攻撃者は標的を選びます。次に、攻撃を仕掛けるための情報収集を行います。会社のホームページや従業員の公開情報など、あらゆる情報を集めて弱点を探します。そして、その弱点を利用して攻撃するための方法を編み出します。
次に、攻撃者は侵入経路を確保します。例えば、メールに添付されたファイルを開かせたり、偽のウェブサイトにアクセスさせたりすることで、標的のシステムに侵入します。侵入に成功すると、攻撃者はシステム内で足場を固めます。そして、攻撃目標に到達するまでシステム内を移動し、最終的に目的を達成します。例えば、機密情報を盗み出したり、システムを破壊したりします。目的達成後、攻撃者は証拠隠滅を図り、痕跡を消していきます。
この7つの段階を理解することで、それぞれの段階でどのような対策が必要なのかを把握できます。例えば、情報収集の段階では、公開情報を最小限にする、従業員への情報セキュリティ教育を徹底するなどの対策が有効です。侵入の段階では、ファイアウォールやウイルス対策ソフトを導入する、怪しいメールを開かないように注意喚起するなどの対策が重要です。また、システム内で足場を固める段階では、システムへのアクセス権限を適切に管理する、侵入検知システムを導入するなどの対策が有効です。このように、「攻撃連鎖」を理解することで、多角的な視点からセキュリティ対策を強化し、より効果的に攻撃を防ぐことができます。