分類問題:機械学習の基礎
分類問題は、ものごとをあらかじめ決められた種類に振り分ける問題です。私たちが日常で行っている多くの判断も、実は分類問題として考えることができます。たとえば、朝起きて空模様を見て、今日は傘を持って出かけようか、それとも持って行かなくても大丈夫か判断するのは、天気を「雨」か「晴れ」の二つの種類に分類していると言えるでしょう。分類問題は、機械学習の分野でも重要な役割を担っています。コンピュータに大量のデータを与えて学習させることで、様々なものを自動的に分類する仕組みを作ることができるのです。
具体例を見てみましょう。犬と猫の画像を大量にコンピュータに学習させ、それぞれの画像の特徴を覚えさせます。学習が完了すると、コンピュータは初めて見る画像に対しても、それが犬なのか猫なのかを高い精度で判断できるようになります。また、メールの本文や送信元情報などを用いて、迷惑メールかそうでないかを判別するシステムも、分類問題の一種です。迷惑メールの特徴を学習させることで、自動的に迷惑メールを振り分けることができるようになります。
分類問題の重要な点は、予測したい値が連続的ではなく、いくつかの種類に分けられるということです。たとえば、犬か猫かを判別する場合、答えは「犬」か「猫」のどちらかで、その中間はありません。大きさや重さのように連続的な値ではなく、「犬」「猫」といった個別の種類に分けられる値を予測する問題が、分類問題と呼ばれるのです。
このように、分類問題は機械学習の基礎となる重要な問題であり、画像認識や迷惑メール判別以外にも、医療診断や商品推薦など、様々な分野で応用されています。私たちの生活をより便利で豊かにするために、分類問題の技術は今後ますます重要になっていくでしょう。