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アルゴリズム

イーサネットの衝突回避:CSMA/CD方式

多くの機器が一つの通信線を共有するコンピューターネットワークの世界では、データの衝突はよく起こる問題です。複数の機器が同時に送信しようとすると、データがぶつかり合ってしまい、通信がうまくいきません。このような状況を避けるために、通信路を共有するためのルールが必要です。CSMA/CDは、まさにそのようなルールの一つであり、イーサネットという広く使われているネットワーク技術で長年活躍してきました。 CSMA/CDは、「搬送波検知多重アクセス/衝突検出」の略で、その名前が示す通り、衝突を検知し、回避するための巧妙な仕組みを持っています。まず、送信したい機器は、通信路が空いているかどうかを確認します。誰かが通信している様子がなければ、送信を開始します。しかし、送信中に他の機器も同時に送信を開始してしまうと、データが衝突してしまいます。CSMA/CDは、この衝突をすぐに検知し、送信を中断します。そして、ランダムな時間を待ってから、再度送信を試みます。この仕組みにより、衝突を最小限に抑え、効率的な通信を実現しています。 CSMA/CDの登場は、イーサネットの普及に大きく貢献しました。衝突を効率的に処理できるため、多くの機器が一つのネットワークに接続できるようになり、ネットワークの規模を拡大することが可能になりました。しかし、近年では、より高速で安定した通信技術が登場し、CSMA/CDが使われる場面は少なくなってきています。それでも、CSMA/CDは、ネットワーク技術の歴史において重要な役割を果たした技術であり、その基本的な考え方は、現代のネットワーク技術にも通じるものがあります。過去の技術を学ぶことで、現在の技術の理解も深まるでしょう。