アクティビティ図入門
AIを知りたい
先生、「活動図」って、どんなものですか?
AIエンジニア
活動図は、仕事やコンピュータの処理の手順を図で表したものだよ。例えば、朝起きてから学校へ行くまでの手順を図にしたり、インターネットで買い物をするときのコンピュータの処理を図にしたりできるんだ。
AIを知りたい
手順を図にするってことですね。普通の流れ図とはどう違うんですか?
AIエンジニア
いい質問だね。活動図は、普通の流れ図よりも複雑な手順を表すことができるんだ。例えば、同時に複数の処理が行われる場合や、条件によって処理が分かれる場合も、活動図なら分かりやすく表現できるよ。
アクティビティ図とは。
いわゆる『えーあい』に関わる言葉で、『活動図』というものがあります。これは、業務とかシステムの処理の流れを表した図のことで、『ユーエムエル』と呼ばれるものの一つです。この図を使うと、処理が分かれるところや、同時に複数の処理が行われるところ、それから処理のタイミングを合わせるところなどを表現することができます。
概要
人が何かを行う時、手順を踏みます。物事をうまく進めるには、この手順を整理し、関係者全員で理解することが大切です。アクティビティ図は、このような手順、つまり活動を視覚的に表すための図です。システム開発や業務の進め方を図解する際に用いられます。
これは、統一モデリング言語(UML)と呼ばれる図式表現方法の一つです。複雑な手順も、分岐や並行処理なども、分かりやすく表現できます。例えば、商品の注文から発送まで、顧客からの問い合わせ対応、システム内部のデータ処理など、様々な活動を描けます。
アクティビティ図を使う一番の利点は、業務の流れを見えるようにすることです。流れが明らかになると、関係者全員が同じように理解できます。システム設計を明確化し、開発担当者と利用者の認識のずれを防ぎます。また、会議などで図を用いて説明することで、参加者間の認識を合わせ、スムーズな議論を進めることができます。
さらに、アクティビティ図は、問題点や改善点を見つけるのにも役立ちます。図示することで、手順の無駄や非効率な箇所が明らかになることがあります。例えば、複数の担当者が同じ作業を重複して行っている、あるいは、手順が複雑すぎて時間がかかりすぎているといった問題点が発見できるかもしれません。こうして見つかった問題点を基に、業務プロセスを改善し、より効率的に作業を進めることができます。つまり、アクティビティ図は、現状を把握し、より良い方法を考えるためのツールとして活用できるのです。
基本要素
作業の手順や流れを図で表すには、いくつかの基本的な部品が必要です。まず、すべての作業の始まりを表す「開始点」と、すべての作業の終わりを表す「終了点」を置きます。これは、どこから作業が始まってどこで終わるのかを明確にするためです。
次に、具体的な作業内容を表す「処理」を四角形で表します。四角形の中には、その処理が何をするのかを簡潔に書き込みます。例えば、「書類を作る」「会議をする」「資料を送る」といった具合です。
これらの処理を繋ぐのが「流れ線」です。流れ線は矢印で表され、どの処理からどの処理へと作業が進むのかを示します。流れ線に沿って見ていくことで、作業の順序が一目で分かります。
作業の流れが条件によって変わる場合は、「分岐点」を使います。分岐点はひし形で表し、それぞれの分岐先に条件を書き込みます。例えば、「承認された場合」「承認されなかった場合」などです。分岐によって別れた流れは、後で再び合流する場合、「合流点」で一つにまとめます。
このように、開始点、終了点、処理、流れ線、分岐点、合流点を適切に配置することで、どんなに複雑な作業の手順や流れでも、図を使って分かりやすく表すことができます。
分岐と結合
作業の流れを図で表す際に、分岐と結合は欠かせない要素です。これらは、状況によって作業の手順が変わる様子や、複数の作業が一つにまとまる様子を分かりやすく示すために使われます。
分岐は、ある条件によって作業の道筋が分かれる場合に使います。例として、商品の在庫確認を考えましょう。在庫がある場合は「発送準備」へと進みますが、在庫がない場合は「入荷待ち」という別の作業へと進みます。このような場合、分岐記号を使って図の中に分かれ道を描き、それぞれの道に「在庫あり」「在庫なし」といった条件を書き添えます。こうして、どの条件を満たせばどの作業に進むのかが一目で分かるようになります。
分かれた作業の道筋は、最終的には一つに合流します。この合流地点を表すのが結合です。例えば、先ほどの例で「発送準備」と「入荷待ち」の作業が完了したら、どちらも「顧客への連絡」という作業に繋がるとします。この場合、結合記号を使って二つの道筋が一つにまとまる様子を表します。結合記号があることで、別々に進んでいた作業が合流した後、どのように作業が続くのかが明確になります。
分岐と結合を組み合わせることで、複雑な作業の流れも整理して表現できます。例えば、商品の種類によって検査手順が異なり、最終的には全ての商品をまとめて梱包するという流れを考えましょう。それぞれの商品に対応する検査手順を分岐で表し、検査完了後は結合を使って梱包作業へと繋げます。このように、分岐と結合を適切に使うことで、条件によって変化する作業の流れを図の中で視覚的に表現することができ、作業手順の理解を深めるのに役立ちます。
並行処理
仕事の手順を図で表す方法の一つに、活動図というものがあります。この活動図では、複数の作業を同時に進める「並行処理」の様子も描くことができます。並行処理とは、複数の作業が時間的に重なり合って行われることを指します。
例えば、インターネットで買い物をした時のことを考えてみましょう。注文ボタンを押すと、商品の在庫があるか確認する作業と、代金の支払いを処理する作業が同時に始まります。このような場合が並行処理にあたります。並行処理を行うことで、全体の作業時間を短くし、効率を上げることができます。
活動図では、並行処理を表現するために、「分岐」と「合流」という特別な記号を使います。分岐は、一つの作業の流れが複数に分かれて、同時に進む様子を表す記号です。ちょうど道の分かれ道のようなイメージです。この分岐から複数の作業が同時に始まり、それぞれの作業が終わると、合流という記号で再び一つに戻ります。合流は、複数の作業が全て完了し、一つの流れにまとまる地点を表します。まるでいくつか tributaries川が合流して一つの大きな流れになるように、並行処理された作業が一つにまとまります。
このように、分岐と合流の記号を使うことで、どの作業が同時に進行しているのかを図の上で明確に示すことができます。これにより、作業の流れ全体を理解しやすくなります。また、作業の効率化を考える上でも、並行処理を図示することは非常に役立ちます。
活用事例
仕事の手順や仕組みを図で表す手法である、活動図の使い道は多岐にわたります。活動図は、業務の進め方を目に見える形にするだけでなく、様々な開発の場面でも役立ちます。具体的には、業務手順の整理、システムの設計、プログラム作り、顧客の要望の確認といった場面で活用できます。
まず、業務手順の整理では、活動図を使うことで、業務の全体像や個々の作業内容、作業の順番などを分かりやすく図示できます。これにより、業務の流れが明確になり、無駄な手順や重複、非効率な部分を見つけやすくなります。また、改善点を洗い出し、より効率的な業務手順を構築するのに役立ちます。
システム設計の場面では、システムの動きや処理の流れを活動図で表現することで、設計内容を視覚的に確認できます。システム全体の構造や各部品の役割、データの流れなどが把握しやすくなるため、設計の正しさや問題点を早期に発見できます。また、開発者間での情報共有や認識合わせにも役立ち、開発効率の向上に繋がります。
プログラム作りの場面では、プログラムの処理手順を活動図で表すことで、複雑な処理の流れを整理し、分かりやすく表現できます。プログラムの構造を視覚的に把握することで、プログラムの間違いを減らし、品質を高めることができます。さらに、後々のプログラムの修正や変更を容易にし、保守性を高める効果も期待できます。
顧客の要望を確認する場面では、顧客の要望を活動図で表現することで、顧客と開発者間で、システムの動きや機能に対する共通理解を図ることができます。活動図を用いることで、言葉だけでは伝わりにくい内容も視覚的に分かりやすく説明できるため、認識のずれを防ぎ、開発の精度を高めることができます。このように、活動図は様々な場面で活用できる強力な道具と言えるでしょう。
まとめ
処理の手順を図で表す手法の一つに、動作図と呼ばれるものがあります。動作図は、業務の流れやシステムの動きを視覚的に表現することで、複雑な手順でも分かりやすく整理できるという利点があります。矢印を使って処理の順番を示し、分岐や合流、並列処理といった複雑な流れも明確に表現できます。
この動作図を活用することで、様々な効果が期待できます。まず、業務の流れを図示することで、業務内容の不明確な点や非効率な部分を発見しやすくなり、改善に繋げられるでしょう。また、システム開発の場面では、システムの設計を効率化し、開発者間だけでなく、開発者と利用者との間で認識を共有するためのツールとしても役立ちます。関係者全員が同じ図を見ながら話し合うことで、認識のずれを防ぎ、スムーズな開発を進めることができるのです。
動作図は、システム開発だけでなく、業務プロセスの改善、業務マニュアルの作成、研修資料の作成など、幅広い分野で活用されています。例えば、新しい業務手順を教える際に、文章だけで説明するよりも、動作図を用いることで、新人でも手順を理解しやすくなり、教育にかかる時間や労力を削減できると考えられます。また、業務マニュアルに動作図を掲載することで、担当者が変更になった場合でも、業務内容をスムーズに引き継ぐことが可能になります。
動作図を効果的に活用するためには、適切な記号と表現方法を用いることが重要です。目的に合わせて適切な記号を選び、簡潔で分かりやすい図を作成することで、より効果的な伝達を実現できます。複雑な処理を分かりやすく表現する必要がある場合は、動作図の活用を検討してみてください。