平均絶対パーセント誤差:予測精度を測る
AIを知りたい
先生、『平均絶対パーセント誤差』って、何ですか?よく分かりません。
AIエンジニア
簡単に言うと、予測がどれくらい外れているかの平均を表す尺度の一つだよ。たとえば、ある商品の値段をAIで予測したとしよう。実際の値段とAIが予測した値段の差をパーセントで表し、その平均を取ったものが平均絶対パーセント誤差になるんだ。
AIを知りたい
実際の値段と予測の値段の差をパーセントにする、というのはどういうことですか?
AIエンジニア
例えば、正解が1000円で、予測が800円だったとすると、差は200円だよね。これを正解の1000円で割って、パーセントにすると20%になる。つまり、20%外れていたということ。いくつかの商品の予測について、同じようにパーセントで誤差を求めて、その平均を取れば『平均絶対パーセント誤差』になるんだ。絶対値なので、常に正の値になるよ。
平均絶対パーセント誤差とは。
人工知能の分野で使われる「平均絶対パーセント誤差」という言葉について説明します。これは、機械学習でよく使われる指標で、予測した値と実際の値がどれくらいずれているかをパーセントで表したものです。ずれの計算は、本来「予測値−正解値」で行いますが、「正解値−予測値」の順番で計算しても構いません。
はじめに
機械学習の模型を作る仕事では、作った模型がどれくらいうまく予測できるかを調べることはとても大切です。 予測の正確さを測る方法はいくつかありますが、その中で「平均絶対パーセント誤差(MAPE)」は、誰にでも分かりやすい測り方としてよく使われています。このため、機械学習の分野ではなくて、商品の売り上げ予測や株価予測といった様々な分野でも広く使われています。
この平均絶対パーセント誤差は、実際の値と模型が予測した値の差をパーセントで表し、その平均値を計算したものです。 例えば、ある商品の来月の売り上げを100個と予測し、実際には120個売れたとします。この時の誤差は20個で、パーセントで表すと20%になります。このようにして、複数の商品の予測と実際の値の誤差をパーセントで計算し、その平均値を求めることで、模型全体の予測精度を評価することができます。
この測り方の良い点は、パーセントで表されるため、異なる種類のデータでも比較しやすいことです。例えば、車の販売台数とスマートフォンの販売台数のように、単位が大きく異なるデータを扱う場合でも、パーセントで表すことで比較しやすくなります。また、計算方法が簡単で理解しやすいこともメリットです。
しかし、欠点もあります。実際の値がゼロの場合、パーセントを計算できないため、使えません。また、実際の値がゼロに近い小さな値の場合、誤差のパーセントが非常に大きくなってしまい、評価結果が歪んでしまうことがあります。さらに、誤差がプラスかマイナスかによって影響の大きさが異なるため、過大評価または過小評価につながる可能性があります。
このように、平均絶対パーセント誤差は分かりやすい指標ですが、使う際には注意点も理解しておく必要があります。 これらのメリット・デメリットを踏まえ、他の評価指標と組み合わせて使うことで、より正確で信頼性の高いモデル評価を行うことができます。このブログ記事では、今後、平均絶対パーセント誤差の使い方や他の評価指標との比較など、より詳しい情報を提供していく予定です。
指標名 | 平均絶対パーセント誤差 (MAPE) |
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説明 | 実際の値と予測値の差のパーセントの平均値 |
計算方法 | 複数の商品の予測と実際の値の誤差をパーセントで計算し、その平均値を求める |
メリット |
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デメリット |
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その他 | 他の評価指標と組み合わせて使うことで、より正確で信頼性の高いモデル評価が可能 |
平均絶対パーセント誤差とは
平均絶対パーセント誤差(MAPE)は、予測の正確さを測る方法の一つです。それぞれの予測が実際の値からどれくらい離れているかを割合で示し、それらの平均を計算することで、予測モデル全体の精度を評価します。
例えば、商品の来月の売り上げを予測する場面を考えてみましょう。過去のデータに基づいて、ある商品は来月100個売れると予測しました。しかし、実際には120個売れました。この時の予測の誤差は20個です。この誤差を実際の売り上げ個数である120個で割り、100を掛けると、約16.7%になります。これは、予測が実際の値から16.7%ずれていたことを意味します。
MAPEは、このようにして計算した個々の予測のずれの割合の平均値です。MAPEが小さいほど、予測の精度は高いと言えます。もしMAPEが0%であれば、すべての予測が完全に当たっていたことになります。
MAPEの大きな利点は、割合で表されているため、異なる種類のデータでも比較しやすいことです。例えば、ある商品の売り上げ予測のMAPEと、別の商品の売り上げ予測のMAPEを直接比較することができます。また、割合で示されるため、専門家でなくても理解しやすいという点も、ビジネスの現場で活用される理由の一つです。
しかし、MAPEを使う際には注意が必要です。実際の値が0の場合、計算ができないという問題があります。例えば、ある商品の売り上げが実際には0個だった場合、誤差を0で割ることになり、計算ができません。このような場合には、MAPE以外の指標を使う必要があります。また、実際の値が非常に小さい場合、MAPEの値が非常に大きくなってしまう可能性があります。そのため、データの特徴をよく理解した上で、適切にMAPEを使うことが重要です。
項目 | 説明 |
---|---|
定義 | 予測の正確さを測る方法。各予測の誤差の割合の平均値。 |
計算方法 | ( | 実際の値 – 予測値 | / 実際の値 ) * 100 の平均 |
解釈 | MAPEが小さいほど予測精度が高い。0%は完全一致。 |
利点 | 割合のため、異なる種類のデータでも比較しやすい。理解しやすい。 |
欠点/注意点 | 実際の値が0の場合、計算不可。実際の値が小さい場合、MAPEが非常に大きくなる可能性がある。データの特徴を理解した上で使用が必要。 |
例 | 予測: 100個、実際: 120個 → 誤差20個 → (20/120)*100 = 約16.7% |
計算方法と注意点
平均絶対パーセント誤差は、比較的簡単な手順で計算できます。まず、個々のデータについて、予測値と正解値の差を計算し、その絶対値を求めます。これは、予測がどれだけ正解から離れているかを数値で表すものです。例えば、実際の売り上げが100個で、予測が90個だった場合、その差は10個となり、絶対値も10となります。次に、この差の絶対値を正解値で割ります。前述の例で言えば、10を100で割り、0.1という数値を得ます。これは、誤差が正解値に対してどの程度の割合を占めるかを示しています。
この割合をパーセント表示に変換するには、100をかけます。前述の例では、0.1に100をかけて、10%となります。これで、一つのデータに対するパーセント誤差が計算できました。この計算を全てのデータに対して行います。それぞれのデータについてパーセント誤差を計算したら、最後に全てのパーセント誤差の平均値を求めます。これが平均絶対パーセント誤差です。例えば、3つのデータのパーセント誤差がそれぞれ10%、20%、30%だった場合、平均絶対パーセント誤差は(10+20+30)÷3で、20%となります。
ただし、計算を行う上でいくつか注意すべき点があります。まず、正解値がゼロの場合、ゼロで割ることができず計算ができません。このようなデータは分析から除外するか、もしくは別の指標を用いる必要があります。また、正解値がゼロに近い小さな値の場合、パーセント誤差が非常に大きくなる可能性があります。これは、小さな正解値で割ることで、誤差の割合が大きく見えてしまうためです。このような場合は、結果の解釈に注意が必要です。大きなパーセント誤差が出ているからといって、必ずしも予測の精度が低いとは限りません。最後に、誤差の計算において、「予測値−正解値」と「正解値−予測値」のどちらの式を用いても、絶対値を取るため結果は同じになります。
長所と短所
平均絶対パーセント誤差は、予測値と実際の値の差をパーセントで表す指標です。この指標を使う一番の利点は、その分かりやすさにあります。パーセントで示されるため、異なる単位で測られたデータでも比較が容易で、例えば、売上の予測と気温の予測といった全く異なる分野の予測精度を比較することも可能です。また、ビジネスの現場で、専門知識を持たない人にも直感的に理解してもらえる点も大きなメリットです。
しかし、平均絶対パーセント誤差にはいくつか注意点があります。まず、実際の値がゼロに近い場合、計算が不安定になるという問題点があります。ゼロで割ることはできないため、実際の値がゼロの場合、誤差を計算すること自体ができません。また、実際の値がゼロに非常に近い場合でも、誤差が極端に大きくなってしまい、予測の精度を正しく反映しない可能性があります。もう一つの注意点は、過大評価と過小評価で結果が異なることです。例えば、実際の値が10で予測値が20の場合と、実際の値が20で予測値が10の場合では、どちらも差は10ですが、パーセントで表すと前者は100%、後者は50%となり、誤差の大きさが異なってきます。これは、平均絶対パーセント誤差が、実際の値に対する比率で誤差を計算するためです。
これらのことから、平均絶対パーセント誤差は、常に最適な指標とは言えません。そのため、他の指標と組み合わせて使うことで、より多角的に予測精度を評価することが重要になります。例えば、平均二乗誤差や平均絶対誤差といった他の指標と併用することで、より正確でバランスの取れた評価が可能になります。
項目 | 内容 |
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定義 | 予測値と実際の値の差をパーセントで表す指標 |
メリット |
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デメリット |
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注意点 | 他の指標(平均二乗誤差、平均絶対誤差など)と組み合わせて使う |
活用事例
誤差の割合を示す平均絶対パーセント誤差は、様々な分野で活用されています。例えば、お店で売られる商品の需要予測によく使われています。過去の販売データや季節、気温などの様々な要因を元に、次にどれだけの商品が売れるのかを予測します。この予測値と実際の販売数の差を平均絶対パーセント誤差で表すことで、予測の正確さを評価できます。この評価を基に、仕入れる商品の量を調整することで、売れ残りによる損失や、商品不足による機会損失を減らすことができます。
また、会社の売上予測にも役立ちます。会社の売上は、経済状況や競合他社の動向、自社の販売戦略など様々な要因に影響されます。これらの要因を考慮して将来の売上を予測し、その予測値と実際の売上との差を平均絶対パーセント誤差で評価します。この誤差の割合を見ることで、予測の精度を確認し、経営判断の材料とすることができます。例えば、来期の売上が大きく伸びると予測された場合、設備投資や人員増強などの積極的な経営戦略を立てることができます。逆に、売上が減少すると予測された場合は、コスト削減や新たな事業展開など、状況に合わせた対応策を検討することができます。
さらに、株式投資の分野でも活用されています。株価は、企業の業績や市場全体の動向など様々な要因によって変動します。将来の株価を予測し、実際の株価との差を平均絶対パーセント誤差で評価することで、予測モデルの精度を測ることができます。この情報をもとに、どの株式に投資するか、あるいは売却するかなどの判断材料とすることができます。
このように、平均絶対パーセント誤差は、様々なビジネスシーンで活用され、意思決定を支援する重要な指標となっています。ただし、平均絶対パーセント誤差単独で判断するのではなく、他の指標と組み合わせて使うことで、より精度の高い評価が可能となります。また、予測モデルの特性やデータの性質なども考慮し、状況に合わせて適切に解釈することが重要です。
分野 | 活用例 | 目的 |
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需要予測 | 商品の販売予測 | 仕入れ量の調整による損失や機会損失の削減 |
売上予測 | 会社の売上予測 | 経営判断の材料(設備投資、人員増強、コスト削減、新規事業展開など) |
株式投資 | 株価予測 | 投資判断の材料(株式の売買判断) |
まとめ
機械学習モデルの良し悪しを測る方法の一つに、平均絶対パーセント誤差というものがあります。これは、予測値と実際の値がどれくらいずれているかをパーセントで表したものです。この方法を使うと、どのくらい予測が外れているかを分かりやすく把握できます。たとえば、100円の商品を110円と予測した場合、誤差は10%となります。このパーセント表示のおかげで、異なる種類のデータでも比較しやすいため、ビジネスの現場でとても役立ちます。例えば、商品の売上予測と株価予測のような、全く異なるデータを扱う場合でも、それぞれの予測モデルの精度を一目で比較することが可能です。
しかし、この方法にはいくつか注意点があります。まず、実際の値がゼロに近い場合、誤差が非常に大きくなってしまう可能性があります。1円の商品を2円と予測しただけで、誤差は100%になってしまうからです。また、同じパーセントの誤差でも、過大評価と過小評価でその影響が異なる場合があります。例えば、商品の需要予測において、10%の過大評価は過剰在庫につながりますが、10%の過小評価は機会損失につながります。在庫コストと機会損失では、ビジネスへの影響度が異なるため、誤差の大きさだけでなく、その方向性にも注意が必要です。
そのため、平均絶対パーセント誤差だけでモデルの良し悪しを判断するのではなく、他の評価指標も組み合わせて使うことが大切です。それぞれの指標には長所と短所があるため、複数の指標から得られた結果を総合的に見て、多角的に判断することで、より正確な評価ができます。そして、モデルの改善点をより的確に見つけることができます。ビジネスで機械学習モデルを活用する際には、平均絶対パーセント誤差の特徴を正しく理解し、他の指標と組み合わせて使うことで、より効果的な意思決定を行うことができます。
評価指標 | 説明 | メリット | デメリット | 注意点 |
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平均絶対パーセント誤差 | 予測値と実測値の差の絶対値をパーセント表示で表したもの |
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他の評価指標と組み合わせて、多角的に判断する必要がある |