分類:データのラベル分け

分類:データのラベル分け

AIを知りたい

先生、「分類」ってよく聞くんですけど、実際どういう意味ですか?回帰との違いもよくわからないです。

AIエンジニア

そうだね。「分類」は、簡単に言うと、物事をいくつかのグループに分けることだよ。たとえば、果物を「りんご」「みかん」「ぶどう」といったグループに分けるようなイメージだね。回帰は、例えば気温の変化のように、連続的な値を予測するのに対して、分類は「りんご」や「みかん」のように、とびとびの値を予測するんだ。

AIを知りたい

なるほど。つまり、分けるグループの数が違うってことですね。他に違いはありますか?

AIエンジニア

そうだね。グループの数も違うけど、予測する値の種類も違うんだ。例えば、明日の気温を予測するのは回帰で、明日の天気を「晴れ」「曇り」「雨」から予測するのは分類になるね。このように、回帰は連続的な値を、分類はとびとびの値を扱うという大きな違いがあるんだよ。

分類とは。

人工知能でよく使われる「分類」という言葉について説明します。分類とは、いくつかの決まった選択肢の中から、どれが正解かを予測する問題のことです。例えば、気温のように滑らかに変化する数値を予測する「回帰」とは違い、分類は、犬や猫のように、飛び飛びの値を扱います。分類は、大きく分けて二つの種類があります。一つは、二つの選択肢から一つを選ぶ「二択分類」です。もう一つは、三つ以上の選択肢から一つを選ぶ「多択分類」です。たとえば、犬と猫の画像をたくさん集めて、それぞれに「犬」や「猫」といったラベルを付けておきます。そして、新しい犬の画像を見せたときに、人工知能が「犬」と正しく答えられたら、その人工知能は二択分類ができるということになります。

分類とは

分類とは

仕分けることは、ものを異なる仲間に分けることです。たとえば、机の上にあるものを整理するときに、ペンはペン立てに、本は本棚に、消しゴムは筆箱にと、それぞれの種類に合わせて置き場所を決める作業と似ています。このとき、ペン立てや本棚、筆箱といった置き場所が「ラベル」に当たります。

ラベルは、「いぬ」や「ねこ」といった生き物の名前や、「安全」や「危険」といった状態を表す言葉など、様々なものがあります。大切なのは、これらのラベルが、温度計のように滑らかに変化する値ではなく、血液型のように、A型、B型、O型、AB型といった決まった種類しかない値であるということです。たとえば、温度は摂氏1度、2度と細かく変化しますが、血液型は決まった型の中からどれか1つになります。

仕分けることは、たくさんのものの中から、それらが持つ特徴を見つけて、どのラベルに属するかを判断する作業です。この作業は、今まで見たことのないものに対しても、その特徴から適切なラベルを予測するために行われます。

例えば、迷惑な電子郵便を仕分ける場合を考えてみましょう。迷惑な電子郵便には、特定の言葉が含まれていたり、送信者が不明であったりといった特徴があります。仕分けの仕組みは、たくさんの電子郵便のデータから、迷惑な電子郵便の特徴を学びます。そして、新しい電子郵便が届いたときに、その特徴から迷惑な電子郵便かどうかを判断します。もし迷惑な電子郵便の特徴に合致すれば、「迷惑な電子郵便」というラベルを付けて、通常の受信箱とは別の場所に仕分けられます。

このように、仕分けることは、私たちの暮らしの様々な場面で役立っています。他にも、手書きの文字を認識したり、写真に写っているものが何かを判別したり、様々な用途で活用されています。これらの技術は、大量のデータから特徴を学習し、未知のものに対しても適切に仕分けることで、私たちの生活をより便利で快適なものにしています。

仕分けの対象 ラベル 特徴
机の上の物 ペン立て、本棚、筆箱 物の種類
生き物 いぬ、ねこ 動物の種類
状態 安全、危険 状況
血液型 A型、B型、O型、AB型 血液の型
電子メール 迷惑メール、通常メール 特定の言葉、送信者、その他
手書き文字 あ、い、う、え、お、… 文字の形
写真 人、動物、物、… 画像の特徴

回帰との違い

回帰との違い

似た言葉に回帰というものがありますが、予測するものの種類が違います。簡単に言うと、分類はいくつかの決まった種類の中からどれか一つを予測するのに対し、回帰は滑らかに変化する数値を予測します。

例えば、明日の気温を予測する場面を考えてみましょう。気温は摂氏0度や25度のように数値で表され、0度から100度まで滑らかに変化します。このような連続的な値を予測するには回帰が適しています。回帰を使うことで、気温の変化の具合をうまく捉え、より正確な予測ができます。

一方、写真に写っている動物が犬か猫かを予測する場合は、分類を使います。なぜなら、「犬」と「猫」は別々の種類であり、その間に「中間の動物」のようなものは存在しないからです。このように、予測するものが決まった種類に分けられる場合は分類を使い、滑らかに変化する数値の場合は回帰を使うのが適切です。

もし、連続的な数値を無理やり分類として扱ってしまうと、値の滑らかな変化を捉えることができなくなり、正確な予測が難しくなります。例えば、気温を「寒い」「普通」「暑い」の三種類に分類して予測しようとすると、実際の気温の変化をうまく反映できません。今日の気温が25度で「普通」だったとしても、明日の気温が26度で「暑い」になるといった、急な変化を予測してしまうかもしれません。

反対に、決まった種類に分けられるものを回帰で予測しようとすると、あり得ない結果が出てしまう可能性があります。例えば、犬と猫を回帰で予測しようとすると、「犬と猫の中間」のような、実際には存在しないものを予測してしまうかもしれません。これは、回帰が値の滑らかな変化を前提としているためです。

このように、扱う問題の種類によって分類と回帰を使い分けることが、正確な予測をする上で非常に重要です。

項目 分類 回帰
予測対象 決まった種類の中から1つ 滑らかに変化する数値
写真に写っている動物が犬か猫か 明日の気温
値の変化 不連続 連続
不適切な使用例 気温を「寒い」「普通」「暑い」の3種類に分類 犬と猫を予測
不適切な使用例の問題点 値の滑らかな変化を捉えられない あり得ない結果(「犬と猫の中間」のようなもの)を予測

二値分類

二値分類

二値分類とは、ものを二つに仕分ける基本的な方法です。与えられた情報に対し、二つの選択肢から一つを選ぶ作業になります。

身近な例では、電子郵便が迷惑メールかそうでないか、写真に写っているのが犬か猫か、といった判断が挙げられます。この二つの選択肢は、たいてい反対の意味を持つ言葉で表されます。例えば、「良い」「悪い」、「本当」「偽り」などです。

この単純な仕組みは、様々な場面で使われています。医療の現場では、画像を見て病気があるかないかを調べたり、お金のやり取りで不正がないかを見抜いたりするのに役立っています。他にも、商品の良し悪しを判断する製造業の品質管理、融資の可否を判断する金融機関の審査、受験生の合否を判定する入試など、幅広い分野で活用されています。

二値分類を行うには、まず見分けるための手がかりをコンピュータに覚えさせます。これは、大量のデータから共通の特徴やパターンを学習させることで行います。学習を終えたコンピュータは、新しい情報がどちらのグループに属するのかを確率で示します。例えば、ある電子メールが迷惑メールである確率が90%と計算された場合、コンピュータはそのメールを迷惑メールと判断します。このように、二値分類は、膨大なデータの中から必要な情報を選び出し、自動的に判断を行うための重要な技術となっています。

近年は、人工知能の発展とともに、その精度はますます向上しています。より複雑な判断も可能になり、様々な分野での応用が期待されています。例えば、自動運転技術では、周囲の状況を認識し、安全な運転を支援するために二値分類が活用されています。また、創薬の分野では、新薬候補物質の効果や安全性を予測するために利用されています。このように、二値分類は、私たちの生活をより豊かに、より安全にするための技術として、ますます重要な役割を担っていくと考えられます。

項目 説明
定義 与えられた情報に対し、二つの選択肢から一つを選ぶ作業
迷惑メール判定、犬猫画像認識、医療診断、不正検知、品質管理、融資審査、入試判定など
選択肢 たいてい反対の意味を持つ言葉 (例: 良い/悪い、本当/偽り)
仕組み 大量のデータから共通の特徴やパターンを学習し、新しい情報がどちらのグループに属するのかを確率で示す。
応用分野 医療、金融、製造業、教育、自動運転、創薬など
将来性 人工知能の発展とともに精度が向上し、より複雑な判断が可能になり、様々な分野での応用が期待される。

多値分類

多値分類

多値分類とは、三つ以上の種類に分ける分類方法のことです。身近な例では、写真に写るものが犬か猫か鳥かを見分ける、あるいは手書きの数字が0から9までのどれかを当てるといった問題が挙げられます。二つの種類に分ける二値分類とは異なり、多値分類ではもっと複雑な状況に対応できる点が特徴です。

例えば、果物の写真を分類する場合を考えてみましょう。りんご、バナナ、みかんといったように、様々な果物を種類分けできます。このように多くの種類を扱うことができるため、多値分類は現実世界の問題を解く上でとても重要です。というのも、データは単純に二種類に分かれることは少なく、多くの種類に分類する必要があるからです。

例えば、お客さんを商品の購入意欲で分類する場合を考えてみましょう。高、中、低のように三段階で分類することで、より効果的な販売戦略を立てることができます。このように、二値分類のように単純に賛成か反対か、買うか買わないかといった二択ではなく、多値分類を用いることで、複雑なデータをより細かく分析することができます

他にも、ニュース記事を経済、政治、社会、スポーツといった様々な分野に分類したり、音楽をジャンル分けしたり、病気の種類を特定したりと、多値分類は幅広い分野で活用されています。このように多値分類は、複雑で多様なデータを扱うための強力な手段と言えるでしょう。

分類の種類 説明
多値分類 三つ以上の種類に分ける分類方法 写真に写るものが犬か猫か鳥かを見分ける、手書きの数字が0から9までのどれかを当てる、果物の種類分け、顧客の購入意欲の分類、ニュース記事の分野分け、音楽のジャンル分け、病気の種類の特定
二値分類 二つの種類に分ける分類方法 賛成か反対か、買うか買わないか

応用例

応用例

分類とは、ものを種類ごとに分ける作業で、これは様々な分野で広く使われています。例えば、写真の中のものを判別する画像認識では、写真に写っているのが人なのか、車なのか、建物なのかを分類することで、コンピュータが写真の状況を理解できるようにしています。自動運転の技術では、周りの状況を把握するために、歩行者や他の車、信号などを分類する必要があります。これにより、安全な運転を支援することが可能になります。

医療の分野でも、分類は重要な役割を果たしています。レントゲン写真やCTスキャンなどの画像データから、病気の種類や状態を分類することで、医師の診断を助けることができます。また、健康診断の結果から、将来病気になる危険性を予測するためにも分類が使われています。

言葉に関する技術である自然言語処理の分野でも、分類は欠かせません。例えば、インターネット上の書き込みから、書き込んだ人の気持ちを良い、悪い、普通などに分類することで、商品の評判を調べたり、世の中の動向を分析したりすることができます。迷惑メールを判別するのも分類の応用の一つです。迷惑メールの特徴を学習したコンピュータが、受信したメールを迷惑メールかそうでないかに分類することで、不要なメールを自動的に振り分けることができます。

このように、分類はデータの分析や人工知能の分野で非常に大切な技術です。特に最近は、深層学習という技術が進歩したおかげで、画像認識や自然言語処理の精度が大きく向上し、分類の使い道はますます広がっています。今後、もっと多くの分野で分類の技術が使われ、私たちの生活をより快適で便利なものにしていくと期待されています。

分野 分類の対象 分類の目的
画像認識 写真の中の物体(人、車、建物など) コンピュータによる写真の状況理解
自動運転 歩行者、他の車、信号など 安全な運転支援
医療 病気の種類、状態、将来の病気リスク 医師の診断支援、病気予測
自然言語処理 書き込みの感情(良い、悪い、普通など)、メールの種類(迷惑メール、通常メール) 商品評判分析、世論分析、迷惑メールフィルタリング