社内システム:オンプレミス型の基礎知識

社内システム:オンプレミス型の基礎知識

AIを知りたい

先生、『オンプレミス型』ってどういう意味ですか?パソコンに何か入れるんですか?

AIエンジニア

そうだね。会社の中にシステムを置くやり方だよ。従業員が使うパソコンそれぞれに、必要なソフトウェアをインストールする必要があるんだ。

AIを知りたい

じゃあ、自分のパソコンに自分で入れるってことですか? インターネットにあるようなサービスとは違うのですか?

AIエンジニア

そういうことだよ。インターネット上のサービスのように、どこからでも使えるわけではないんだ。会社の中の、決められたパソコンでしか使えないシステムなんだよ。

オンプレミス型とは。

会社の建物の中にコンピューターシステムを設置する方式について説明します。この方式では、従業員が使うパソコンそれぞれに、必要なソフトウェアを導入する必要があります。

はじめに

はじめに

情報システムを新たに作り上げる際には、どこにシステムを置くかということが、とても大切な決め事となります。システムを置く場所の選択肢の一つとして、『自社運用型』と呼ばれる方法があります。これは、会社が自ら設備を管理する方式です。自社運用型は、昔から広く使われてきた方法で、特に秘密性の高い情報を扱う会社などでは、今でも大切な選択肢となっています。

自社運用型では、必要な計算機や通信機器などを自社で購入し、自社の建物内に設置して動かします。そのため、最初の投資額は大きくなりますが、システム全体を自社で管理できるため、自由にシステムを調整したり、安全対策を施したりすることが可能です。また、長い目で見て運用すると、外部の計算サービスなどを使うよりも費用を抑えられることもあります。

しかし、システムを動かすには専門的な知識が必要となるため、担当者の教育や設備の維持管理に費用と手間がかかるという面もあります。例えば、システムの故障や障害発生時に迅速な対応が必要となる場合、自社で専門の担当者を常時待機させておく必要があるかもしれません。これは大きな負担となる可能性があります。さらに、技術の進歩は速いため、常に最新の技術に対応するための設備更新や担当者の再教育が必要になります。ハードウェアやソフトウェアの更新費用、担当者の研修費用なども考慮する必要があります。

一方で、自社運用型は、社内の情報資産を完全に自社で管理できるという大きな利点があります。外部のサービスに頼らないため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができます。また、法令や社内規定に基づいた厳格なセキュリティ対策を実施することも可能です。

このように自社運用型には、メリットとデメリットの両面があります。情報システムを構築する際には、自社の状況やニーズに合わせて、クラウドサービスなどの他の選択肢と比較検討し、最適な方法を選ぶことが重要です。

項目 内容
方式 自社運用型
説明 会社が自ら設備を管理する方式
メリット
  • システム全体を自社で管理できるため、自由にシステムを調整したり、安全対策を施したりすることが可能
  • 長い目で見て運用すると、外部の計算サービスなどを使うよりも費用を抑えられることもある
  • 社内の情報資産を完全に自社で管理できるため、情報漏洩のリスクを最小限に抑えることができる
  • 法令や社内規定に基づいた厳格なセキュリティ対策を実施することも可能
デメリット
  • 初期投資額が大きい
  • システムを動かすには専門的な知識が必要となるため、担当者の教育や設備の維持管理に費用と手間がかかる
  • システムの故障や障害発生時に迅速な対応が必要となる場合、自社で専門の担当者を常時待機させておく必要がある
  • 技術の進歩は速いため、常に最新の技術に対応するための設備更新や担当者の再教育が必要

具体的な仕組み

具体的な仕組み

自社運用型、つまり全てを自社で管理する仕組みについて詳しく見ていきましょう。この方式では、必要な機器全てを自社で用意します。具体的には、情報を処理する機械や情報をやり取りするための機器、情報を保存する装置、そしてそれらを動かすための手順書といったものを、全て自社で購入し、自社の建物内に設置します。

これらの機器は、まるで体内の血管のように繋がって情報をやり取りする道筋、つまり社内向けの情報網を作り出します。こうして構築された情報網を通して、様々な業務を行うための仕組みが動き始めます。社員がこの仕組みを使うためには、各自の仕事用端末に専用の道具を入れる必要があります。

この方式では、仕組みの更新や修理も自社の担当者が行います。もし不具合が発生した場合や、より新しい便利な道具が登場した場合、自社の担当者が対応することになります。また、情報が外に漏れたり、壊れたりしないように守る作業も自社で行います。大切な情報を守るための対策を考え、実行するのは非常に重要な仕事です。

さらに、もしもの時に備えて情報を別の場所に保存しておく作業や、災害が起きた時でも業務を続けられるようにする準備も自社で行います。予期せぬトラブルに備えて、あらかじめ計画を立て、実行しておく必要があります。

このように自社運用型は、仕組み全体を自社で管理するため、自社の希望に合わせて自由に作り変えることができます。しかし、運用するためには専門的な知識と技術が欠かせません。専門家の育成や外部の専門家への依頼なども検討する必要があります。

項目 内容
機器 情報処理機械、情報送受信機器、情報保存装置など全て自社で用意
情報網 自社内に構築
利用 社員は各自の端末に専用ツールを導入
保守・運用 更新、修理、セキュリティ対策など全て自社担当者が実施
災害対策 データバックアップ、事業継続計画など自社で実施
メリット 自社要件に合わせた柔軟なカスタマイズが可能
デメリット 専門知識と技術が必要。専門家育成や外部委託を検討する必要あり

利点

利点

社内で使う情報処理の仕組みを自社で持つことには、たくさんの良い点があります。何よりも大切なのは、全体の管理を自分たちでできることです。そのため、情報の安全を守るための仕組みを自分たちの好きなように決められます。特に、大切な秘密の情報を取り扱う会社にとっては、これは大きな強みとなります。誰にも知られたくない情報をしっかりと守ることで、安心して事業を進められます。

さらに、仕組みの使い方を会社の必要に合わせて変えられることも大きな利点です。それぞれの会社に合った形にすることで、仕事がよりスムーズになり、効率も上がります。例えば、よく使う機能を目立つ場所に配置したり、作業の手順を簡単にすることで、従業員の負担を減らし、生産性を高められます。

お金の面でも、長い目で見ると、借りるタイプのサービスよりも安く済むことがあります。特に、たくさんの人が使う大きな仕組みの場合、自社で持つ方がお得になることがあります。毎月の利用料を払う必要がないため、使い続けるほどにコストの差が大きくなります。

また、情報のやり取りの速さや安定性も自分で管理できるので、仕事への影響を少なくできます。外部のサービスに頼る場合は、障害や速度低下などの問題が発生した場合、対応を待つ必要があります。しかし、自社で管理していれば、すぐに対応できるため、事業の中断といった大きな損失を防ぐことができます。常に安定した環境で作業を進められることは、会社にとって大きな安心材料となります。

メリット 説明
セキュリティ管理の強化 情報管理を自社で行うことで、セキュリティ対策を自由にカスタマイズでき、重要な情報の保護を強化できる。
柔軟なカスタマイズ性 会社のニーズに合わせてシステムを調整できるため、業務効率の向上と生産性向上に繋がる。
長期的なコスト削減 特に大規模なシステムの場合、自社運用はレンタルよりも費用対効果が高くなる。
安定性と迅速な対応 システムの安定性を自社で管理することで、外部サービスへの依存による障害や速度低下の影響を最小限に抑え、迅速な対応が可能。

欠点

欠点

自社で運用する方式は、最初に多額の費用が必要になるという難点があります。まず、計算機や通信機器などを買うためのお金がかかります。さらに、それらを設置して動かすためにも費用がかかり、その後も運用し続けるためにはお金がかかり続けます。

また、これらの機器を動かすには専門的な知識が必要です。そのため、担当の社員を育てたり、人材を確保したりするためにも、大きな負担となります。人材育成には時間もお金もかかるため、すぐには効果が出ないという問題もあります。

さらに、機器の点検や修理も自社で行わなければなりません。もし急に問題が起きた時は、自分たちだけで素早く対応することが難しい場合もあります。例えば、専門の担当者が不在のときに問題が発生すると、対応が遅れてしまい、業務に大きな影響が出る可能性があります。

また、将来、事業を大きくしたいと思っても、機器の能力には限界があるため、対応できない可能性もあります。事業の拡大に合わせて、機器を追加購入したり、設定変更したりする必要があり、その度に費用と手間がかかります。

災害への備えも自分たちでしなければなりません。災害に強い場所に機器を置くための費用や、予備の機器を用意するための費用、停電に備えた電源装置などを用意するための費用など、様々な対策にお金と手間がかかります。想定外の災害が発生した場合、対応が後手に回り、大きな損害につながる可能性も考えられます。そのため、災害対策は念入りに行う必要があります。

項目 詳細
初期費用 計算機、通信機器などの購入費用、設置費用
運用費用 機器運用にかかる継続的な費用
人材 専門知識を持つ人材の育成・確保に必要な費用と時間
保守 機器の点検・修理、問題発生時の対応
拡張性 事業拡大時の機器能力限界、機器追加購入・設定変更の費用と手間
災害対策 耐災害設備、予備機器、電源装置などの費用と手間

他の方式との比較

他の方式との比較

近年、情報処理の仕組みを自社で持つ方法以外にも、様々な選択肢が出てきました。特に、インターネットを通じて様々な機能が使える仕組みは急速に広まっており、従来の自社で全てを管理する方法とは異なる利点があります。

まず、インターネットを通じて仕組みを使う場合は、最初に大きな設備投資をする必要がありません。必要な時に必要なだけ機能を使うことができるため、初期費用を抑えることができます。また、仕組みの維持管理や修理も提供会社が行うため、自社で専門の担当者を雇う必要がなく、人件費の削減にも繋がります。さらに、常に最新の機能が使えるという利点もあります。提供会社が常に最新の状態に保ってくれるため、自社で更新作業を行う手間も省けます。

しかし、インターネットを通じて仕組みを使う場合は、インターネットの回線の速さや安定性に左右されるという欠点もあります。回線が遅かったり不安定だったりすると、業務に支障が出る可能性があります。また、情報管理の面でも注意が必要です。自社の情報が外部の会社に預けられることになるため、情報漏洩のリスクを考慮しなければなりません。特に、企業秘密などの重要な情報を扱う場合には、自社で管理する方が安全な場合もあります。

一方、自社で全てを管理する方法では、初期投資は大きくなりますが、情報管理を自社で完全にコントロールできるという利点があります。また、インターネット回線の影響を受けないため、安定した業務運営が可能です。しかし、設備の維持管理や修理に費用と手間がかかるため、専門の担当者を雇う必要があります。また、機能の更新も自社で行わなければならないため、常に最新の状態を保つためには、相応の費用と労力がかかります。

このように、それぞれの方法には利点と欠点があります。自社の業務内容や規模、扱う情報の性質などを考慮し、最適な方法を選ぶことが重要です。どの方法が自社にとって最も効果的かを慎重に検討する必要があります。

項目 インターネット経由 自社管理
初期投資 不要 必要
維持管理 提供会社 自社
人件費 削減 必要
最新機能 常に利用可能 更新作業必要
インターネット回線 影響あり 影響なし
情報管理 リスクあり 自社管理可能

まとめ

まとめ

社内で使う仕組みを作る際、どこに仕組みを置くか、つまり情報システムを自分たちの場所で管理する『自社運用型』を選ぶか、それとも外部の会社に管理してもらうか、様々な方法があります。自社運用型は、全ての機器や情報を自分たちで管理できるため、情報の安全管理や必要な機能を追加する自由度が高いことが大きな利点です。しかし、最初の設備投資や日々の維持管理に費用がかかるという難点もあります。

特に、顧客情報や企業秘密といった重要な情報を扱う場合は、情報漏洩のリスクを最小限に抑えるため、自社運用型を選ぶ企業が多く見られます。また、独自の機能を多く必要とする場合も、自社運用型の方が柔軟に対応できます。一方で、常に最新の技術を取り入れるには、継続的な設備投資と専門家の確保が必要になります。そのため、情報システムの規模が大きくなると、管理の負担も大きくなる傾向があります。

近年は、インターネットを通じて必要な機能だけを利用できる外部委託型のサービスも増えており、初期費用を抑えながら最新の技術を活用できるという利点があります。将来的にこのような外部委託型サービスへの移行を考えている場合でも、現在の仕組みや情報の特性をしっかりと把握した上で、段階的に移行を進めることが大切です。いきなり全てを移行するのではなく、一部の機能から試行的に移行し、問題がないことを確認してから徐々に範囲を広げていくことで、移行に伴うリスクを軽減できます。自社運用型は、適切な運用を行えば、企業にとって大きな効果を発揮するシステム構築方法です。しかし、費用や管理の手間、将来の技術革新への対応などを総合的に検討し、自社にとって最適な方法を選ぶことが重要です。

項目 自社運用型 外部委託型
メリット
  • 情報管理の自由度が高い
  • 必要な機能を自由に実装可能
  • 情報漏洩リスクの抑制
  • 初期費用が抑えられる
  • 最新技術の活用
  • 管理負担の軽減
デメリット
  • 初期投資費用が高い
  • 維持管理費用が高い
  • 継続的な設備投資が必要
  • 専門家の確保が必要
  • 管理負担が大きい
  • 情報管理の自由度は低い
  • 機能の実装に制限がある可能性
  • 情報漏洩リスク
その他 外部委託型への移行は段階的に行うことが重要