REINFORCE:方策勾配法入門
強化学習とは、機械学習の一種であり、試行錯誤を通じて学習する枠組みです。まるで人間が様々な経験を通して学ぶように、学習を行う主体(エージェントと呼ばれます)が、周囲の状況(環境)と関わり合いながら、一番良い行動の仕方(方策)を見つけ出そうとします。
しかし、何が最適な行動なのかを判断するのは、必ずしも簡単ではありません。例えば、目の前の行動が良いか悪いかはすぐに分かることもありますが、多くの場合は、その行動が将来にわたってどのような影響を与えるかを考えなければ本当の良し悪しは判断できません。囲碁や将棋を例に考えてみましょう。一手一手の良し悪しをその場で判断するのは難しく、最終的に勝つことができたかどうかで初めて、それまでの行動の良し悪しが分かります。
また、現実世界の問題や複雑なゲームでは、エージェントが取ることのできる行動の種類が膨大になる場合があります。例えば、ロボットの制御では、各関節の角度を微妙に調整することで無数の動きが作れます。このような膨大な選択肢の中から最適な行動を見つけるのは、非常に困難です。
さらに、将来得られる報酬を適切に見積もることも重要です。遠い将来に得られる報酬は、目先の報酬よりも価値が低く感じられるため、どのように評価するかが鍵となります。将来の報酬をどの程度重視するかによって、エージェントの行動は大きく変わってきます。
このように、将来の影響を考慮しながら、膨大な選択肢の中から最適な行動を探索すること。これが強化学習における大きな課題であり、研究者たちが日々取り組んでいる重要なテーマなのです。