FPN:高精度な物体検出を実現する技術
写真の中の物は、距離によって大きさが違って見えます。遠くの物は小さく、近くの物は大きく見えるのは、日常よく目にする光景です。このため、写真に写る様々な大きさの物を正確に捉えるには、写真の細かさ(解像度)を様々に変えて分析する必要があります。この考えに基づいて作られたのが特徴ピラミッドです。
特徴ピラミッドは、様々な解像度の写真からそれぞれの特徴を抜き出し、それらを組み合わせることで、より確かな全体像を作り上げます。これは、大きさの異なる物を漏れなく見つけるために非常に大切です。例えば、小さな物をはっきりと捉えるには、写真の細かい部分まで見える高い解像度が必要です。一方、大きな物を見つけるだけなら、低い解像度でも十分です。特徴ピラミッドは、高解像度から低解像度までの情報をまとめて活用することで、どんな大きさの物でも効率よく見つけることを可能にします。
例えるなら、遠くの景色全体を眺めるには広い視野が必要ですが、近くの小さな花を観察するには、視線を一点に集中させる必要があります。特徴ピラミッドは、広い視野と集中した視野の両方を使って、周りの状況を隈なく把握するようなものです。様々な解像度で得られた情報を組み合わせることで、全体像を把握しながら、細部も見逃さない、より精度の高い分析が可能となります。これにより、自動運転やロボットの視覚認識など、様々な分野で物体の検出精度を向上させることに役立っています。