平均値入門:種類と計算方法
AIを知りたい
先生、「モード値」って、なんですか?コンピュータのAIの勉強で出てきたんですけど、よくわかりません。
AIエンジニア
モード値は、データの中で一番多く出てくる値のことだよ。例えば、1, 2, 2, 3, 4, 5 というデータがあったら、2 が一番多く出てきているから、モード値は 2 になるね。
AIを知りたい
なるほど。一番多い値のことですね。でも、コンピュータとかAIと、どういう関係があるんですか?
AIエンジニア
AIでは、たくさんのデータからパターンを見つけ出す作業をすることが多いんだけど、その時に、データの中心的な値がどれくらいかを知る必要があるんだ。モード値はその一つで、データの傾向をつかむのに役立つんだよ。例えば、ある商品の購入者の年齢を調べた時に、モード値が20歳だったら、その商品は20歳くらいの人に人気があるということがわかるね。
モード値とは。
人工知能の分野でよく使われる言葉に「モード値」というものがあります。これは、数学や統計学、機械学習の分野で、平均値を表す言葉です。ちなみに、よく知られている平均値の計算方法である算術平均は、相加平均とも呼ばれます。モード値は、データの中で最も多く出現する値のことです。
平均値とは
平均値とは、たくさんの数が集まった時、それらを代表する値のことです。言い換えれば、データ全体の中心的な傾向を示す値であり、複数の数値データがあるとき、それらを代表する値として使われます。平均値を求めるには、全ての数値データを足し合わせ、データの個数で割ります。これは、全体を均等に分けると一人あたりどれくらいになるかを計算しているのと同じです。
例えば、ある組の生徒5人がテストを受け、それぞれの点数が60点、70点、80点、90点、100点だったとします。この時の平均点を計算するには、まず全ての点数を足し合わせます。60 + 70 + 80 + 90 + 100 = 400点です。次に、生徒の人数である5で割ります。400 ÷ 5 = 80点。よって、この組のテストの平均点は80点となります。これは、もし全員が同じ点数を取るとしたら、80点になるということを意味します。
平均値は、データの全体像を簡単に表すためにとても役立ちます。例えば、個々の生徒の点数だけを見ていても、組全体の学力レベルを掴むのは難しいです。しかし、平均点を知ることで、全体的な学力レベルを大まかに把握することができます。
平均値は、日常生活の様々な場面で使われています。天気予報で伝えられる平均気温は、一日の気温の変化を大まかに示しています。また、平均所得を知ることで、その地域の経済状況をある程度理解することができます。他にも、商品の平均価格、平均身長、平均寿命など、様々な場面で平均値は使われています。平均値を理解することは、データを読み解く上で大切な力となります。
項目 | 説明 |
---|---|
平均値の定義 | たくさんの数が集まった時、それらを代表する値。データ全体の中心的な傾向を示す値。 |
平均値の計算方法 | 全ての数値データを足し合わせ、データの個数で割る。 |
計算例 | 5人のテストの点数(60, 70, 80, 90, 100)の場合、(60+70+80+90+100) ÷ 5 = 80点 |
平均値の役割 | データの全体像を簡単に表す。 |
平均値の活用例 | 平均気温、平均所得、商品の平均価格、平均身長、平均寿命など |
算術平均
算術平均は、私たちが日常で最もよく使う平均の考え方で、相加平均とも呼ばれています。すべての数値を足し合わせ、その合計を数値の個数で割ることで求められます。これは、全体を均等に分けるとどうなるかを示す値と言えます。
例えば、5人の生徒がテストを受け、それぞれの点数が60点、70点、80点、90点、100点だったとしましょう。この場合、まず全員の点数を合計します。60+70+80+90+100で、合計は400点になります。次に、この合計点を生徒の人数である5で割ります。400÷5は80です。つまり、この5人のテストの点数の算術平均は80点となります。
算術平均は計算方法が単純で分かりやすいという長所があります。そのため、多くの場面で使われています。学校のテストの平均点や、商品の平均価格などを求める際に利用されています。また、全体の傾向を大ざっぱに掴むのにも役立ちます。
しかし、算術平均には欠点も存在します。それは、極端に大きい値や小さい値、いわゆる外れ値の影響を受けやすいということです。例えば、先ほどのテストで、一人の生徒が病気でテストを受けられず、0点だったとします。すると、残りの4人の点数と0点を含めた5人で平均を出すと、400÷5=80点だった平均点が、(400+0)÷6=66.66…点となり、平均点が大きく下がります。このように、一つだけの極端な値が全体の平均を大きく左右してしまうことがあるので、データの中に外れ値がある場合は、算術平均だけで判断するのではなく、他の平均値も参考にしたり、データ全体の様子をよく見て判断することが重要です。
項目 | 説明 |
---|---|
名称 | 算術平均 (相加平均) |
計算方法 | 全数値の合計 ÷ 数値の個数 |
意味 | 全体を均等に分けるときの値 |
例 | 5人のテストの点数 (60, 70, 80, 90, 100点) の平均は (60+70+80+90+100) ÷ 5 = 80点 |
長所 | 計算が単純で分かりやすい、多くの場面で使用可能 (テストの平均点、商品の平均価格など)、全体の傾向を大ざっぱに把握できる |
短所 | 外れ値の影響を受けやすい (例: 0点を含むと平均点が大きく下がる) |
注意点 | 外れ値がある場合は、他の平均値も参考にしたり、データ全体をよく見る |
中央値
真ん中の値という意味を持つ中央値は、資料全体の特徴を捉える統計量の一つです。数値で表された資料を小さい順番に並べ替えた時、ちょうど真ん中に位置する値が中央値です。
資料の数が奇数の場合は、単純に真ん中の値が中央値となります。例えば、5人の試験の点が60点、70点、80点、90点、100点の場合、小さい順に並べると真ん中の値は80点なので、中央値は80点です。
資料の数が偶数の場合は、真ん中に2つの値が存在します。この場合は、この2つの値を足して2で割った値、つまり平均値を中央値とします。例えば、6人の試験の点が60点、70点、80点、90点、100点、100点の場合、真ん中の2つの値は80点と90点です。これらの平均値は(80+90)÷2=85点となるため、中央値は85点です。
中央値は、極端に大きな値や小さな値、いわゆる外れ値の影響を受けにくいという長所を持っています。例えば、ほとんどの人の年収が300万円から500万円の範囲内にある中で、一人だけ1億円を稼いでいる人がいたとします。この場合、平均値は大きく歪められますが、中央値はそれほど影響を受けません。つまり、一部の極端な値に左右されず、資料全体の傾向を把握したい場合に中央値は有効な指標となります。
そのため、年収や所得の分布など、外れ値が含まれやすい資料を扱う際に、中央値は平均値よりも適切な指標として用いられることが多いです。
資料の数 | 計算方法 | 例 | 中央値 |
---|---|---|---|
奇数 | 真ん中の値 | 60, 70, 80, 90, 100 | 80 |
偶数 | 真ん中2つの値の平均 | 60, 70, 80, 90, 100, 100 | 85 |
中央値の特徴
- 外れ値の影響を受けにくい
- 資料全体の傾向を把握しやすい
- 年収や所得の分布など、外れ値が含まれやすい資料に適している
最頻値
最頻値とは、ある集まりの中で最も頻繁に登場する値のことです。例えば、6人の生徒がテストを受け、それぞれの点数が60点、70点、80点、90点、100点、100点だったとします。この場合、100点が2回出てきており、他の点数は1回しか出てきていません。ですから、このデータの最頻値は100点になります。
最頻値を求めることで、データ全体がどのような傾向にあるのかを大まかに掴むことができます。例えば、ある商品の購入者の年齢を調べた結果、最頻値が20歳だったとしましょう。このことから、その商品は20歳くらいの人に人気があるということが推測できます。
最頻値は、数字だけでなく、言葉などのデータにも使うことができます。例えば、クラスの生徒に好きな色をアンケート調査した結果、青と答えた人が最も多かったとします。この場合、青が最頻値になります。同じように、出身地や好きな食べ物など、様々な種類のデータに最頻値を求めることができます。
ただし、最頻値だけでデータのすべてを理解することはできません。例えば、データの数が少ない時は、最頻値がたまたま偏っている可能性があります。また、複数の値が同じ回数だけ出現する場合は、最頻値が複数存在することになり、どれが代表的な値なのか判断が難しくなります。さらに、極端に大きな値や小さな値が少しだけ含まれている場合、最頻値はその影響を受けにくいため、データの中心的な傾向を正しく表していない可能性があります。そのため、最頻値以外の平均値や中央値なども合わせて考えると、よりデータの全体像を把握することができます。
用語 | 説明 | 例 | 利点 | 注意点 |
---|---|---|---|---|
最頻値 | ある集まりの中で最も頻繁に登場する値 | テストの点数:60, 70, 80, 90, 100, 100 の場合、最頻値は100点 好きな色:青が最も多い場合、最頻値は青 |
データ全体の傾向を大まかに把握できる |
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平均値の使い分け
平均値には、算術平均値、中央値、最頻値といった種類があり、それぞれ計算方法や特徴が異なります。どの平均値を用いるかは、データの性質や分析の目的によって適切に選び分ける必要があります。どれか一つが常に正しいというわけではなく、状況に応じて最適なものを選択することが大切です。
算術平均値は、全てのデータを合計し、データの数で割ることで求められます。これは最も一般的に使われる平均値ですが、極端に大きい値や小さい値(外れ値)の影響を受けやすいという欠点があります。例えば、会社の社員の平均年収を計算する場合、一部の役員報酬が非常に高いと、平均年収が実態よりも高くなってしまう可能性があります。このような場合は、算術平均値は社員全体の年収を正しく反映しているとは言えません。
中央値は、データを大きさの順に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する値です。データの数が偶数の場合は、中央の二つの値の平均を中央値とします。中央値は、外れ値の影響を受けにくいという特徴があります。先ほどの年収の例で言えば、中央値を用いることで、一部の役員の極端な高収入に左右されずに、社員全体の年収の中間的な値を把握することができます。
最頻値は、データの中で最も多く出現する値です。例えば、ある商品の購入者の年齢を調べた際に、20歳の人が最も多かった場合、20歳が最頻値となります。最頻値は、データの分布の中心的な傾向を示す指標の一つですが、データのばらつき具合は反映されません。また、データによっては最頻値が複数存在する場合や、存在しない場合もあります。
このように、それぞれの平均値には長所と短所があります。算術平均値は計算が簡単で理解しやすいですが外れ値に弱く、中央値は外れ値に強いですがデータ全体の情報を反映しきれない場合があり、最頻値はデータの代表的な値を示しますがばらつきは分かりません。データの特性を良く理解し、分析の目的に合わせて適切な平均値を選択することで、より正確な分析を行うことができます。
平均値の種類 | 計算方法 | 特徴 | 長所 | 短所 | 例 |
---|---|---|---|---|---|
算術平均値 | 全データの合計 ÷ データの数 | 外れ値の影響を受けやすい | 計算が簡単で理解しやすい | 外れ値に弱い | 社員の平均年収 |
中央値 | データを大きさの順に並べたときの真ん中の値 | 外れ値の影響を受けにくい | 外れ値に強い | データ全体の情報を反映しきれない場合がある | 社員の平均年収 |
最頻値 | 最も多く出現する値 | データのばらつき具合は反映されない、複数存在する場合や存在しない場合もある | データの代表的な値を示す | ばらつきは分からない | 商品の購入者の年齢 |
まとめ
多くの数値が集まったとき、全体を代表するような値を知ることは、データの性質を理解する上でとても大切です。このような代表値の中でも、平均値は特に基本的な概念であり、データの中心的な傾向を把握するために欠かせません。平均値には、いくつかの種類があり、それぞれ計算方法や特徴が異なり、扱うデータの性質や分析の目的に合わせて適切なものを選ぶ必要があります。
よく使われる平均値の一つに、算術平均があります。これは、全ての数値を足し合わせ、その合計を数値の個数で割ることで求めます。例えば、テストの点数を例に挙げると、全員の点数を合計し、受験者数で割ることで、平均点が算出されます。この算術平均は、全体的な傾向を把握するのに便利ですが、極端に大きい値や小さい値に影響を受けやすいという欠点も持っています。
一方、中央値は、数値を大きさの順に並べたときに、ちょうど真ん中に位置する値です。データの個数が偶数の場合は、中央に位置する二つの数値の平均を中央値とします。中央値は、極端な値の影響を受けにくいという利点があり、例えば、所得の分布など、一部の非常に高い値によって平均が歪められる可能性がある場合に有用です。
最頻値は、データの中で最も多く出現する値です。例えば、ある商品の売れ筋サイズを調べる際に役立ちます。最頻値は、数値データだけでなく、色や種類など、数値で表せないデータにも適用できるという特徴があります。
このように、平均値には様々な種類があり、それぞれに特徴と用途があります。データの性質を正しく理解し、分析の目的に合った平均値を選ぶことで、データからより多くの示唆を得ることができ、より良い意思決定につなげることができるでしょう。そのため、平均値を理解し、適切に使いこなすことは、データに基づいて物事を判断する上で非常に重要な力となります。
平均値の種類 | 計算方法 | 特徴 | 用途 |
---|---|---|---|
算術平均 | 全ての数値を足し合わせ、数値の個数で割る | 全体的な傾向を把握しやすい、極端な値に影響を受けやすい | テストの平均点など |
中央値 | 数値を大きさの順に並べたとき、ちょうど真ん中に位置する値 | 極端な値の影響を受けにくい | 所得の分布など |
最頻値 | データの中で最も多く出現する値 | 数値データだけでなく、数値で表せないデータにも適用できる | 商品の売れ筋サイズなど |